ちょっと待って!そんなに簡単に法人化していいの?

おはようございます、ひらっちです。今日も朝からどんよりムードですね。午後から取材が控えていますが、午前中は比較的ゆっくりできるので、それまでに今日締め切りの原稿を1本、今日中にトータル3本をなんとか仕上げたいと思います(^^♪

<いつものように簡単な自己紹介です>

僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2020年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。

このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。

現在、『マイナビ農業』で不定期連載中! 農業にご興味のある方はぜひこちらもご覧ください! 

■ちょっと前、フリーライターの取引先の方と、こんな話になりました

先日、とある制作会社でずっと働いており、定年を機に独立して今年からフリーランスとなったAさんと、こんな話になりました。

Aさん:「ひらっち君は、法人化していないだよね? 僕のところは、色々と作業が面倒で税理士さんに経理をほぼ丸投げしてるんだけど、その税理士さんから言われて、今度法人化することになったんだよ。消費税が払わなくて良くなるらしくてさ」

ひらっち:「そうなんですね。でも、あれ? もうじきインボイス制度が始まるから、基本的に払わないといけなくなるはずですけど?」

Aさん:「そうらしいけど、とりあえず1年間は払わなくて良くなるらしいんだよね」

ひらっち:「へえー、そうなんですね……」

……と、ここまで会話して、さらなるツッコミを入れるのは控えました。だって、相手は税理士さんだもん! 税務相談は基本的に税理士さんの独占業務。一介のFPが変に太刀打ちしようとして、余計なトラブルに巻き込まれるのも嫌なので、そのままスルーを決め込みました。

僕がなぜ色々とツッコミたくなかったのが分かる方は、かなりマネーリテラシーが高い方だと思います。だって、今年からフリーランスになったばかりという話が本当なのであれば、個人事業主でも開業2年間は免税事業者でいられるはずですから。詳しく知りたい方は、下記の過去記事などを見てみてくださいね。

そのほかにも、「色々と作業が面倒な人なのに法人化するってどういうこと?個人の方が圧倒的に楽じゃない?」「法人化したらたくさん出費が増えますよ?」「設立だけじゃなく廃業する時にもお金がかかるってご存知です?」「別に個人でもそれなりに節税できるけど?」…。

すでに2000万円を超えるくらい売上げがあるなら話は別ですが、1000万円を超えるか超えないかくらい、かつ定年後の起業なのであれば、取引先から求められない限り、僕は「個人事業主でいいんじゃね?」と思っています。なので、かなりモヤモヤする会話になりました。

というわけで今回は、このモヤモヤ感を自分の中で少しでも解消する意味も込めて、過去記事をブラッシュアップする形で「フリーランスの法人化問題」について改めて書いてみたいと思います!

■「法人化」は、ちょっと儲かり始めたフリーランスの定番の悩み

僕は、フリーライターとして創業し、来年でちょうど20年の節目を迎えます。そのため、独立したばかりの若いライターさんや、今後起業しようと考えている人から、相談や質問を受けることが結構あったりします。最近は特に多い気がするなぁ~。コロナを機に独立する人が増えたのでしょうか? なかでも多いのが「源泉徴収の話」ですw

そして、源泉徴収の話と並んでよくあるのが「ひらっちさんは、どうして法人化しないんですか?」という質問です。

法人化するか・しないか。これは、独立開業したフリーランスの「悩みどころ」の定番。独立・開業について解説するビジネス書などを見ると、ほぼ間違いなく触れているくらいの「あるあるネタ」になっています。

代表取締役社長…。うーん、なんとも甘美な響き(笑)。夜のお店に足を運ぼうものなら「社長さん!」「社長さん!」なんて持ち上げられること請け合い。若手ベンチャー起業家を気取ってイケてる自分に浸れること間違いなしです。

ただ、僕は?というと、ずっと法人化せずに現在に至ります。その理由は単純明快、法人化しても大したメリットがないばかりか、むしろデメリットの方が大きいと感じているからです。

■節税できるのは法人だけじゃない。個人でも方法はたくさんある

法人化の一番のメリットとして、「節税」を挙げる人は多いです。もちろん、個人事業主では使えないような手法が使えますし、節税に有利であることは否定しません。

それでも、個人事業主が使える節税方法がないかといえば、実はたくさんあります。節税しながら退職金をつみたてられる中小企業オーナー向けの「小規模企業共済」は、法人だけでなく個人の事業主でも加入できますし、数年前から、経営者の配偶者も同時に加入できるようになりました。

例えば、ご主人が事業主としてMAXで年間86万円をかけ、さらに奥さんの方でも別に86万円分加入することができるわけです。その分は所得控除となり、大きな節税につながります。

同じように、急に売上があがった時の節税に便利な「中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)」も使えますし、イデコに加入することだってできる。つまり、かなりの利益が出ているスーパーマンでない限り、個人事業主でも節税する方法は十分にある、というわけです。

法人の場合、決算などの業務が煩雑になりますし、ひとり会社であっても社会保険に加入する義務が生じてきます。また、税理士や社労士に支払うお金も発生するでしょう。

さらに、個人であれば赤字の場合、所得税がゼロですが、法人なら赤字でも税金が発生したり、いざ会社を廃業するとなった時にも費用が発生したり…と、とにかくライニングコストがバカにならないのです。

会社設立を指南するビジネス書をみると、法人化の目安として「売上1000万円」「所得600万円」なんて書いてあるケースが多いように思いますが、この手の本の著者の多くが「税理士」です。自分の利益につながるように話を展開する「ポジショントーク」の可能性を十分に考慮すべきです。

あくまで個人的な肌感ではありますが、基本ひとり、もしくは少人数で仕事をするフリーランスの場合、最低10年ぐらいは売上2000万円を維持できるぐらいでないと、法人化のメリットが生まれてこないのでは、と感じています。

節税を考えるタイミングというは、おそらく「絶好調」の時です。今後もこの売上が維持できるか、さらなる成長の青写真をきちんと描けているのか、ちゃんと立ち止まって考えた方がいいと思います。

■まとめ

最近では、僕のまわりでも「法人成り」ではなく、逆に「個人成り」する人がちらほら出てきています。その方がいろいろな面で身軽だからです。

僕が創業した頃には「法人でないと取引してくれないから」なんて理由を挙げる人もいましたが、今ではそんなケースはかなりレアだと思います。事実、僕自身、誰もが知っているような一部上場企業と何社も直接取引していますし、これだけ個人が活躍する今、取引先を法人のみに限定していたら業務が回っていかない、というのが実情だと感じます。

あなたが法人化を考えているとしたら、もしかしたらそれは「見栄」じゃありませんか? もちろん、株式会社という「響き」も大切だと思います。それで取れる仕事もあるでしょう。でも、もっと大事なのは「中身」です。

法人・個人にかかわらず、「本当の実力」が試される時代だからこそ、目先の「見た目」よりも「内面」を磨くことに注力したいですね(^^♪

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