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「独立後の将来が見通せない」というけれど、それは会社員も一緒じゃない?

おはようございます、ひらっちです。10月も中旬に差し掛かってきましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

いやぁ~めちゃくちゃ忙しくて、1カ月ほどまともな記事更新ができずにいました。反省。家庭菜園の方でも色々と作物が実ってきていますし、そのあたりの報告もしながら今後はもう少し更新頻度を上げていきたいなと思います。忙しいとインプットが少ないので、アウトプットも少なくなるという悪循環に陥らないように気を気を付けたいと思います(^^♪

<いつものように簡単な自己紹介です>

僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2020年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。

このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。

現在、『マイナビ農業』で不定期連載中。最近なこんな記事を書いています。農業に興味をお持ちの方はぜひご覧下さい。今月はまた新たな記事をアップ予定です。乞うご期待(^^♪ 


■残念ながらお別れすることになりました…。

あらためまして、ひらっちです。今日は「農業」「新規就農」をテーマに記事を書いてみたいと思います。

このnoteで「新規就農希望者の研修を受けれているよ!」というお話は何度かしてきたと思います。昨年夏には40代のご夫婦が晴れて就農し、この1年間頑張ってくれました。補助金を受給するために提出した事業計画に沿ってほぼ予定通りの売上を上げてくれています。指導者としては嬉しい限りです(^^♪

そしてまた今年の夏から、新たな新規就農希望者を研修生として迎え入れる予定でした。ところが…。

先日、残念ですけど「お別れ」することになったのです。本人から「先が見通せない。5年後が不透明すぎて無理」との申し出があり、「じゃあ、独立を見据えて勉強していくのはやめましょう」とこちら側から伝え、研修生として受け入れることを断念しました。

残念ではありますが、こればかりは本人の希望もあるので仕方がありません。そもそも自治体が主催する研修に2年間通うために段取りをしてきたのですが、色々と手違いが発生し、新規就農者向けの補助金が急遽受けられないと告げられたことが響きました。

50歳未満の新規就農者には、一定の条件を満たせば大型の補助金が支給されるのですが、それを見送るとなると大幅な資金計画の見直しが必要になります。

ただ、僕個人の見解としては「補助金がなくても何とかなるんじゃね?」と思っていました。小さく始めて徐々に規模拡大をしていけば、必ずしも初期に大きな事業資金が要るわけではないからです。それよりもネックなのは「年齢」です。

人間は年老いていきます。少しでも早く始めて経験を積んだ方がいい。そこで「小さくてもいいから早めに独立しよう」と持ち掛けたのですが、冒頭の「先が見通せない」という話が出てきてしまったのです。

■先にお金が出ていき、後でお金が入ってくることに耐えられず…。

その方は大学卒業後、ずっとサラリーマンを続けてきました。本人も自覚していましたが、毎月のように給料が振り込まれ、経費は会社持ちという状況が当たり前になっていて、特に「農業のような先に大きなお金がかかり、後に入ってくるお金はどうなるか分からない」という状況がうまく消化できなかったようです。

実は、これが今回の判断の決め手でした。もう少しリスクを取って行動できる人だと思っていたんですけど、これを言われてしまうと「そもそも起業自体が向いていない」「経営者として不適格」と言わざるを得ません。20代の若い人であればそのあたりから教え込むこともできるけれど、40代でこの感覚ではちょっと難しそうだな、というのが率直な感想でした。

「5年後を保証してもらえないと、こちらも家族があるから困る」。もちろん表現はここまでストレートではないですが、こういった趣旨の言葉も出てきてしまい、「これは無理だな」と諦めました。

やっぱりリスクを取るって、難しいことなんですねぇ~。

このあたりについては、過去の記事でも色々と書いていたりするので、気になる方は参考にしてみてください。

ちなみに「サラリーマン=リスクがない」と考えがちですけど、それは大きな勘違いです。1つの会社に勤めるというのは、自分の人生をその会社に預けているようなものですから。

自分の労働に対する対価(給与)を上げようにも、収入がその会社からの給与しかないわけですから、価格交渉になるわけがありません。圧倒的に不利な立場に置かれるわけですが、これは大きなリスクじゃありませんか? 個人的には日本の給料が上がらない根本的な原因がここにあると思っています。

このリスクを解消する方法の一つが「転職」ですね。もう少し言えば「転職をちらつかせる」でしょうか。経営側からすれば「他の会社でいくらでも働けますから!」と胸を張っていえる人しか賃金を上げるインセンティブは働きません。

「起業のリスクを取れない」と言われた段階で、農業を始めるのはNGです。色々と聞いてみると「農業を好きだからやりたい」というマインドではなく「儲かると聞いていたから農業をやりたい」と考えていたことも分かりました。

本当は儲かるんだけどねぇ。「事業計画書を作ろう」という課題に取り組む中で、こちらに一切質問をせず、自分勝手に計算をして「これは儲からない」と判断したみたいなので、それはそれでよかったのかもしれませんね。適性がない人を無理やりこの道に入れても不幸になるだけなので。

■今回の出来事で見えてきた「独立できない人」とは?

今回の一件で「これはダメだな」と思ったことがいくつかありました。農業に限ったことではなく、フリーランスを含めて独立を考えている人に共有するポイントだと思うのでシェアしておきますね。

・人のせい、外部環境のせいにする

世間では「自責」「他責」といった言い方をすることが多いですが、外に理由を求めてしまうと「できない理由」がどれだけでも見つかるのが独立・起業です。

「この事業では将来が見通せないから」「妻の収入だけでは暮らせないから」「どうしても時間が取れないから」「家族の反対にあっているから」

現状を冷静に分析するのは大いに結構。でも、それを理由に「できない」と判断するのはものすごく簡単です。何でも「人のせい」「外部環境のせい」にしてしまう人は起業に向いていません。

そもそも「外部環境」に大きく影響されてビジネスを始める人は「破滅の道を歩む」というのが僕の持論です。

「今、高級食パンがアツい!」「最近、タピオカブームが来ているらしいぞ!」と新規参入していたら、今頃どうなっていたでしょうか?

血みどろの戦いの末、多くの人が撤退を余儀なくされていたと思います。情報の民主化が浸透した現在は、すぐに環境が変化してしまいますから、「環境を分析してもほとんどあてにならない」というのが僕の見立てです。

・聞きやすい人にか聞こうとしない

こちらへの遠慮もあったかもしれませんが、全くこちらに質問する気がありませんでした。「すべてを理解しているのは僕だから色々と聞いてね」と伝えておいたんですけど、手直なスタッフにばかり話を聞き、作業者に徹している。これがずっと続いていました。

独立して経営者になれば、待っているのは孤独です。自分で道を探すか、誰かに聞かないといけない。いつも一緒にいる先輩や同僚に聞ける会社員とは全く違います。

「すみません」と声をかけて周囲に聞かないと、自分の世界に凝り固まっていきます。自分から行動できる人でないと事業を続けていくのは無理です。

・お金の問題と真正面から向き合わない

これが一番大きかったですかね。補助金が受けられなくなった段階で真剣に考えて欲しかったけれど、うやむやのままになっていました。そこで研修の課題として「事業計画を●●月までに作ってください」とお願いしておいたのだけれど一向に上がってくる気配もない。質問もない。

「そろそろ見せてもらえないかな?」とお願いしたところ、「じゃあ●●日なら出せます」と言われ、蓋を開けてみたらこちらから渡した資料のほぼコピペでした。うーん……。

経営とはお金の問題と真剣に向き合うことです。これができないなら、サラリーマンを続けていた方がいいし、それが本人のためだと思います。どちら良い・悪いという話じゃなくてね。

ちなみにフリーランスに「不向きな人」については、過去の記事を書いているので、気になる方はぜひそちらも覗いてみてください。

■まとめ

いかがでしたでしょうか。このnoteをご覧いただいている方の中には、「将来は独立したい・起業したい」「すでに起業している」という方が一定数いると思います。そんな方にとって参考になればと思って書いてみましたが、どんな感想を持たれましたか? もちろん僕の指導力不足という部分も多分にあるので、本人のせいばかりにするのはフェアじゃないですけどね。

「サラリーマン=リスクなし」は幻想です。これはだいぶ世の中に浸透してきたと思いますが、「自分という人的資本を勤め先の会社に全振りする」という行為なわけで、ほとんどの会社が右肩上がりで成長していた高度経済成長期は「おおむね正解」だったけれど、今後は「おおむね不正解」になる可能性が高いと思います。

しかも、1社に集中投資するというのは非常に大きなリスクです。これは、投資をやっている人であればよーく分かりますよね。

どんな道を選んだにせよ、それ相応のリスクがあるのが人生です。それならば「好きなこと」「納得できる道」を選んだ方が、幸せな人生を手にできると思いますが、皆さんはいかがでしょうか。

独立・起業のリスクとの付き合い方は、お金のテクニック次第という部分も多いです。だからまずは「サラリーマン=リスクゼロ」という幻想を取っ払ったうえで、「本当に何がしたいのか」というところから、人生設計を考えてもらうのがいいんじゃないかな~なんて僕は思います(^^♪


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