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小中高でもPCによるICTの活用を

こんにちは。あすぺるがーるです。


新型コロナウイルス対策のため外出自粛が推奨されるようになったことで、ICTスキルのニーズは大きく高まっています。

平成30年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)によると、小中高生の93.2%がインターネットを使ったことがある、と回答していました。


では、彼らのPCスキルはどうでしょうか。

先ほどの調査で、小中高生がインターネットを利用している機器の62.8%はスマートフォンでした。

PCはわずか、23.7%にとどまっています。


つまり、これだけPCが普及していても、小中高生のPCスキルは決して高いとはいえないのです。


新しい大学に入学して迎えた1年の1学期、それを象徴するようなできごとがありました。


「字、どうやって大きくするの?」

私の新しい大学では、1年の必修科目にプレゼンテーションの授業があります。

みな、入学時に配られた自分専用のPCを持ってきて、実際にPCを動かしながらプレゼンテーションの技術を身につけていくのです。


教壇では先生が、パワーポイント作成の基礎を教えていました。

「字が小さいとスライドが見にくくなるので、字は大きくしましょう」


すると、私の隣の席にいた子が小声で尋ねてきました。


「ねぇねぇ、これ、字、どうやって大きくするの?」


私は内心、ただびっくりしていました。

誰にだって苦手なことのひとつやふたつあるだろうので、決して嗤ったり貶したり態度に出したりはしませんでした。

もちろんここでも、そのつもりはありません。


しかしそれにしても、驚きました。

まさかここまで、使い方が分からない子がいるなんて。


子どものPCスキルの実態

私はこのことを、母に話しました。


すると、母は、

「あなたの学校(私立中高一貫校)では、wordを作って文章を作ったり、PowerPointを使ってプレゼンをしていたでしょう。でも公立の学校では、普通そんなことしないのよ」

「私の年代だと大学を出ていないお母さんもたくさんいるから、新しいものを生活に取り入れていこうという意識のない人も多くいるのよ」

と言いました。


どちらも私にとっては、衝撃的な真実でした。


しかし、もしも先の例に挙げた子が今までPCを触ったことが一度もないとしたら、字の大きさを変える術を知らないのはもっともです。


このように、子どものPCスキルには置かれた環境によって、大きな差があるのです。


小中高校でのICT活用の実態

学校でICT活用について実態調査 [データ集] によると、小中高の教員が自分の担当教科でICTを活用している割合は、わずか38%に留まっています。

しかも、実際の活用例の過半数が

「インターネットで児童・生徒に調べさせる」
「ウェブサイトを児童・生徒 に見せる」
「教科書準拠デジタル・ICT教材を活用する」

という受動的なものであり、大学では必ずあるといっても過言ではない、

「児童・生徒に課題を与え、スライドなどにまとめて発表させる」
「レポートや感想文・課題などを電子データで作成させる」

という積極的な活用は、活用例のわずか2割程度でした。


これでは子どもたちが大学、ひいては社会人になってPCスキルが求められたときに困るのは目に見えているでしょう。


ましてや今は、コロナの蔓延によってオフラインの活動に大きな制約があります。

PCスキルがないゆえの困難は、小中高の子どもたちやその周囲にも降りかかっているのではないでしょうか。


いえ、コロナ蔓延以前から、ICT活用の失敗で被害を受けている子どもたちはいました。

それは、従来のオフラインの授業の型にはまることのできない、不登校や学習に困難のある子どもたちです。


私も、そのうちの一人です。

小中高のICT化が進まない要因

一部の子どもたちにとってだけだった問題が全員にとっての問題となっても、小中高のICT化が進まないのには、理由があります。


一つ目は、教員側の時間不足です。

学校でのICT活用についての実態調査によると、教員がICTを活用した授業を推進しにくい要因として、

49.1%が「ICTを活用した授業、教材は、研究時間がかかる(教材となるファイルやデータ準備」
47.4%が「ICTを活用した授業、実施に時間がかかる(コンピュータ
室へ移動、機器立ち上げなど)」

と回答していました。


二つ目は、教員と機材の不足です。

同調査で、児童生徒がICTを活用した授業を推進しにくい要因として、

68.6%が、「コンピュータ室など、限られた場所にしかICT機器がない」47.3%が、「指導する教員が少ない(ICT支援員、TTなど)」
44.5%が、「パソコンなどの情報端末の不足」

と回答しました。


これらの問題を一つにまとめると、このようになります。

「国が、ICT化のみならず教育に予算を割いていない」


小中高のICT化に、教育に、予算を

新型コロナウイルスの蔓延による自宅待機の期間延長を受け、文部科学省は、小中学生に1人1台の学習用PCを与える「GIGAスクール構想」の完了を前倒しにしました。


しかし、それだけではまだ足りません。

公立高校にも、一人一台の学習用PCは必要です。

時間のかかるICT化に時間を割けるよう、教員の数を増やすことも必要です。


現在の文科省や自治体や教育現場がGIGAスクール構想にてんやわんやしているのはすべて、教育に予算を割かなかった政府のせいなのです。


PCは、使えば操作できるようになります。

「字、どうやって大きくするの?」と尋ねた子も、word文書を作ることができるようになりました。

中2の時、タイピングが技術の授業内で終わらず、泣きながら居残りをした私も今は、母以上にPCのお世話になっています。


PCを使えるようになると、子どもの世界は大きく広がります。

パワーポイントとSnipping Toolを使えるようになるだけで、この記事のサムネのようなデザインができるようになるのです。

もっとたくさんのソフトが使えるようになれば、もっとたくさんのことができるようになるのです。

おまけに、機器の操作も、ソフトの使い方もみな、ググりさえすればすぐに分かるのです。


こんな素晴らしい機械がすでに開発されているというのに、子どもたちが使うことができないのは、なんと残念なことでしょう。


だから、コロナウイルスの蔓延で国のあり方の変革を求められる、今こそ。

国はICT化に、教育界全体に、予算を割かなくてはならないのです。











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