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No.36 「医療系の学生ですが、この仕事を続けていける気がしません。やりたいことじゃないなと思ったとき、職業をどう変更したらいいですか?」_Toki


いつもnoteやTwitterを訪れてくださって、ありがとうございます。つかふる姐さんです。
フォロワーの皆さまから寄せられたご相談にお答えする、「そうだ、これつかふる姐さんに聞いてみよう」No.36をお送りします。
(※個人の特定を防ぐため、名前などとこどころ情報を伏せてお送りしています)

今回は、Tokiさんからのご相談です。

「私は現在医療系の学生をしている者ですが、これからこの仕事を続けていける気がしません。他の仕事をするにしてもどうすればいいのか、何をするべきなのか、分からずもやもやしています。自分がやりたいことじゃないなと思ったとき、どう職業を変更しますか?」

詳細は以下です。

はじめして。Tokiと申します。私は現在医療系の学生をしている者ですが、これからこの仕事を続けていける気がしません。他の仕事をするにしてもどうすればいいのか、何をするべきなのか、分からずもやもやしています。つかふる姐さんなら、自分がやりたいことじゃないなと思ったとき、どう職業を変更しますか?その時に必要なことや、考え方はありますか?沢山の経験をしていらっしゃる、つかふる姐さんにお聞きしたいです。

高校生の頃、色々と自分の思考と環境が合わず心因性頻尿というものになり、授業にもついていけず、しがみつくように3年間をやり過ごしたのですが(これに対しては、現在もマシになったものの残っていて、恥ずかしいのですが、自由がない場へはパッドを着けていないと不安でたまらなくなります。いつか治ると信じています。)やりたい事もなく、安定している医療系の道へ進もうと思い進みました。しかし入学当初からなんとなく感じているこれじゃない感が続いています。自分の中では、「自分が決めた道なのだからこの決めたことを正解にしよう!」「魂の修行なのだから、これを乗り越えて成長しよう」と思って学びを続けています。実際私は現在最終学年で、病院実習に行きはじめている最中です。今まで頑張ってきた時間やお金のこともあるので、きちんと卒業したいと思っています。

自分が甘えたことを言っていることは理解しています。自分で選んだことで、誰の責任でもないです。そして、この道から外れるのも外れないのも決めるのは自分自身だとは思っています。しかし今の私の知識や経験では、これ以外の職業に就ける気がせず、先が真っ暗です。なんだか、ずっと私の中には「死が自分を解放してくれるよ。本当にしんどくなったらそれを選べば簡単だ」という気持ちがあって、そのおかげで続けてこられた点もありますが、せっかく生まれてきたのだから、どうせ死ぬなら楽しく自由に生きたい!と心の中では感じています。ボロボロになりながら進んでいて、自分はいつこれから解放されるのだろうか、それともずっとこのままの気持ちで生きていくのかな?と思うと自分が可哀想に思えます。

自分はきっと世界で1番自分のことが大好きなんだと思います。だからこそ、自分を幸せに感じる場所に置いてあげたい。それはここではない。どうしよう。という風に思っているのです。傲慢ですが。

私の本当の望みは、のんびりと生きることです。家の中を掃除して植物に水をやり、ご飯を作ってアイロンをかけて明日の準備をして眠る。これとあと少しの娯楽(漫画を読んだり、本を読んだり、アニメを見たり)が幸せなのです。他の人もそうかもしれないし、贅沢なことを言っているのかもしれませんが、私はこの何にも煩わされずに生きている時間が、1番幸せです。私はそのような毎日を送りたいです。しかし、これではただのニートになりたいということを、つらつらと書いているだけなのかもしれません。自分は自立したいという気持ちはありますが、あまり上昇志向ではないです。

最終的に何が聞きたいのかごちゃごちゃしていて、結局はつかふる姐さんに聞いてもらいたかっただけかもしれません。自分で答えが出ないことをいくら考えてもしょうがなく、身動きが取れなくて、職業選択や将来についてつかふる姐さんの考え、ヒントが欲しいという思いです。
長くウジウジした文章を読んで下さってありがとうございます。そして、いつもつかふる姐さんの大切な時間、命を、色々な人達の希望に変わることに使って下さってありがとうございます。


Tokiさん、大切なご相談をありがとうございます。
とてもよく整理された内容で、丁寧に書いてくださったことが伝わりました。あなたのお悩み、しっかりと聞かせていただきました。

私は「ブラックなこころの相談担当」(と自分では思っている)なので、あなたのこの眩しいまっすぐな問いに答えるのに適切な人物ではないような気もするのですが、せっかくご指名くださったので私なりに答えてみたいと思います。

Tokiさん、あなたは「自分は甘えたことを言っている」、「先が真っ暗です」と書いてくれました。まずこれ、否定してもいいですか?

あなたは心因性の身体症状を抱えながら(それだけのストレスを抱えながら)も高校生活を戦い抜いた。そして「やりたいことがないから安定した医療の道を選んだ」。さらに「これじゃない感」を抱えながらもドロップアウトすることなく前に進み続け、現在学びの最終段階にあり、卒業・資格取得・就職は目前である、と。いうことですよね?

すごい。

まずあなたはとてもタフな女性ですTokiさん。あなたが高校の3年間に成し遂げたこと、あなたの血となり肉となったはずです。そしてあなたの進路選択。私はすごく妥当だと思いますよ。あなたの選んだ“医療”が具体的にどの医療の道なのかは想像の域を出ませんが、「特にやりたいことがないから医療を選ぶ」ってすんごいセンスだと思います。

これから先はVUCAの時代なんて言われています。Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)という4つのキーワードの頭文字から取った言葉です。何を選べば正解なのか、どの道に進めば食いっぱぐれないのか、もうめちゃくちゃな時代なんです。でも、人が生きている限り、医療のニーズは無くならない。あなたの言う通り「安定」しているんです。AIは進化しますが、私たちが生きているうちに医療の総てがAIにとって代わられるなんてことはおそらくないでしょう。しかも研究データによれば、高齢化がすすむ5年後の2025年、介護人材の需要見込み253.0万人に対して供給見込みは215.2万人しかなく、37.5万人の需要ギャップが生じます(デジタルヘルスケア,2020)。医療従事者は圧倒的に足りない。あなたのニーズは将来無くなることがない、あなたは仕事を失うことがないのです。

そしてもう一つ。あなたが学んだ“医療”の知識は、あなたが今後何の仕事をしようとも生かすことができます。なぜならそれは人の体の仕組み、命の仕組みについての基礎的な知識だから。あなたが望むと書いてくれた「のんびり生きる」生活にだって活かせる。絶対に無駄になんかなりません。

前置きが長くなってしまいました。
何が言いたいかというと、あなたのこれまでの選択は間違っていないよということなんです。
高校生活、医療系学生生活、どちらも投げ出さずここまでやってきたこと。
それはあなたのいう通り、「自分が決めた道なのだからこの決めたことを正解にしよう!」「魂の修行なのだから、これを乗り越えて成長しよう」に確実に繋がっています。心配しないで、胸を張ってください。あなたは自分の力で、この先強く生きていくためのセーフティネットを築き上げてきたんですよ。


それで、やっと本題に入ります。この"医療系"の道、なんか違うなと思っているのですね。

「つかふる姐さんなら、自分がやりたいことじゃないなと思ったとき、どう職業を変更しますか?その時に必要なことや、考え方はありますか?」

うん。実は、私もこれまでに何度か進路変更してきました。具体的に書くと身元がバレちゃうのでぼかしますが(許してね)、私今の職業につく前に、「専門分野A」→「専門分野B」→「専門分野C」ってかなりアクロバティックに乗り換えてきた人間なんです。

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