世界観研究所

世界観を研究するラボです。「世界観とは何か?」「世界観の作り方」をメインテーマに、様々…

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世界観を研究するラボです。「世界観とは何か?」「世界観の作り方」をメインテーマに、様々なアプローチで「世界観」を探求しています。

最近の記事

世界観にまつわるツイート集め_2023年8月19日

世界観研究所のTwitterでは、日々「世界観「でキーワード検索して、気になったものをリツイートさせてもらています。 今日はそのうちのいくつかを紹介させてください。 いかがでしょうか?それぞれの視点で「世界観」という言葉を使っていて、大変興味深いですよね。 今回特に思ったのは、「死」に対する認識や価値観が絡むと「世界観」はより鮮明になるということです。「夕日」「夕景」などに「世界観」を感じるのは、1日が終わる情景の寂しさや美しさが、死生観にも繋がるものがあり、特別な意味

    • 「世界観とは何か?」<連載11 世界観のストラクチャーを考える③>

      前回までに、世界観には大中小あるという仮説と、エンタメや商品から感じるワールドビルディング的世界観というのは、小世界観のレイヤーにあたるのではないかということを書きました。 今回は、より大中小の世界観と、それが日常生活によっては、どんな対象によって支えられたり、表現されているかを考えていきたいと思います。 現状、上記のように大中小の世界観を定義しているわけですが、これは具体的に書くと以下のように合わせられるのではないかと思っています。 大世界観:人種、民族、国籍、宗教

      • 「世界観とは何か?」<連載10 世界観のストラクチャーを考える②>

        前回、世界観には大中小あり、それらを使い分けているという仮説を提示しました。今日は、そこにワールドビュー、ワールドビルディングという概念を交えて、考察を進めていきたいと思います。 ワールドビュー、ワールドビルディングの定義に関しては、以前の連載で書いていますが、ざっくり言うと、ワールドビューは「世界を内側から見た時に見える世界のあり方」、ワールドビルディングは「世界を外側から見た時に見える世界のあり方」ということになります。 現代は、ワールドビルディング型の世界観が溢れて

        • 「世界観とは何か?」<連載10 世界観のストラクチャーを考える①>

          連載07、08、09と、「なぜ人は「世界観」を求めるのか?」というテーマで書いてみました。 そこで考察したことをまとめまると以下のようになります。 「世界観」は、人生経験の集合として、その人の中にトータルに形成されるが、それは、生存確率を高めるために磨かれると言っても過言ではない。つまり「世界観」とは、リスクを避けて効率よく生きるための機能とも言える。 これは連載04、05、06と、三宅陽一郎さんとの対談をもとに、環世界という切り口から世界観を考察したところがベースにな

        世界観にまつわるツイート集め_2023年8月19日

          世界観にまつわるツイート集め_2023年7月8日

          世界観研究所のTwitterでは、日々「世界観「でキーワード検索して、気になったものをリツイートさせてもらています。 今日はそのうちのいくつかを紹介させてください。 いかがでしょうか?それぞれの視点で「世界観」という言葉を使い、あるイメージや思いを伝えていることが分かります。 以前にも、一度、世界観にまつわるツイート集を集めたことがあるのですが、 上記の記事では、まとめとして下記のようなことを書きました。 今回も同じようなことは言えると思いますが、「世界観」にまつわ

          世界観にまつわるツイート集め_2023年7月8日

          「世界観とは何か?」<連載09 なぜ人は「世界観」を求めるのか?③>

          前々回、前回と、世界観がもつ機能的側面に注目し、人は世界観という機能を利用して、合理的に物事を判断しているという話をしました。 『ハリー・ポッター』という作品が世界観を持つのと同様に、我々も一人の完成した人間として世界観を持っています。それは時に、他人に対して評価されうるものです。 私たちは、「素晴らしい世界観に包まれたい」という欲求も持っていますが、そういった世界観との出会いにより、常に自分の持つ世界観も更新されているわけです。 前者は「worldbuilding」、

          「世界観とは何か?」<連載09 なぜ人は「世界観」を求めるのか?③>

          「世界観とは何か?」<連載08 なぜ人は「世界観」を求めるのか?②>

          前回、世界観は生物として勝手に備わるものでありつつ、それがあることによって判断が的確になるという機能的な側面を話しました。 人間の判断というものは、動物的な判断(本能)に加えて、社会的な学習や規範(ルール)によって決まります。 自分の欲求だけで全てを選択しているわけではなく、周りの反応や自分の行動が起こした結果が、外部世界にこだました後、どう自分に返ってくるかなども含めて判断しています。 「世界観」とは、まさにその自分の外側の世界が、どのようであるかをまとめたものなわけ

          「世界観とは何か?」<連載08 なぜ人は「世界観」を求めるのか?②>

          「世界観とは何か?」<連載07 なぜ人は「世界観」を求めるのか?①>

          前回まだ04~06では、「環世界」という概念を元に世界観を考察しました。 連載02で書いたように、世界観には第一定義的な「世界とはこういうものだという世界に対する見方」という意味の「worldview」と「フィクション作品の世界設定」という意味の「worldbuilding」があります。 「環世界」の話は、まさに「worldview」がどうやって生まれるかの根源的な話でした。 人はそもそも外界を知覚する中で、自然と自分に必要な情報だけを切り取って、自分だけの世界を切り取

          「世界観とは何か?」<連載07 なぜ人は「世界観」を求めるのか?①>

          世界観研究所のメンバー自己紹介② モリタマキコ

          はじめまして。研究員のモリタマキコです。 これまでテーマパークの運営をしたり、コンサル会社で企業再建をしたり、週刊誌で記事を書いたり・・・と、「作り手」と「稼ぎ手」を行ったり来たりしてきました。48歳の現在は、コンテンツ制作会社の管理職。とうとう「作りながら稼ぐ」ハイパーな人間(?!)になりました。 コンテンツの制作現場は、いまも気合と長時間労働で支えられており、持続性が乏しいのが現状です。かといって「頑張れば成果が出る世界」でもなく、むしろ一発屋のような側面もあります。

          世界観研究所のメンバー自己紹介② モリタマキコ

          「世界観とは何か?」<連載06 環世界について③>

          前々回、前回に続いて環世界についての3回目です。 ここまで見てきたのは「生物は感覚器官によって主体的に感じる世界が違う」「目の前にある対象と結んだ関係(機能環)の集合体がその生物にとっての世界になる」ということでした。 実際、ミツバチは「蜜のない花」は認識してないという説もあります。蜜のない花はミツバチにとって意味がないので、ないも同然なのです。 それは私たち人間でも同じで、そもそも一部の生物が見えるような紫外線はキャッチできず、犬のような嗅覚もありません。他の動物より

          「世界観とは何か?」<連載06 環世界について③>

          「世界観とは何か?」<連載05 環世界について②>

          前回に続き「環世界」の話になります。 前回はマダニを例に「動物は感覚器官によって主体的に感じる世界が違う」という話をしました。その主体的に切り取った世界を「環世界」と呼ぶのですが、この「環」という部分にフォーカスして話を続けていきます。 今回も構造を分かりやすくするために、カメレオンの世界を例に出すと、カメレオンは、目の前にアメンボが来ると無条件に舌を出してアメンボをパクリと食べます。 それは反射的なもので、カメレオンにとってアメンボというのはパクリと食べるものだから、

          「世界観とは何か?」<連載05 環世界について②>

          「世界観とは何か?」<連載04 環世界について①>

          先日、ゲームデザイナーのイシイジロウさん、AI研究者の三宅陽一郎さんと「世界観」についてそれぞれ談義しました。お二人との会話をまとめたものはあらためて記事にして公開できればと思っています。 そして三宅陽一郎さんとの対談で、「環世界」という概念が、世界観の理解にも欠かせないとの気づきを頂きましたので、今日はその話をしたいと思います。 ○環世界とは何か? 「環世界」とは、ドイツの生物学者ユクスキュルが提唱した概念です。生物がどのように外部世界を認知し、関係性を持っているかと

          「世界観とは何か?」<連載04 環世界について①>

          世界観研究所のメンバー自己紹介① たちばな やすひと

          今日は「世界観研究所」はどんなメンバーでやっているかというのを紹介させてください。 まずは私が、ここまでの記事を書いてきた「たちばな」と申します。 普段は、ドラマやwebtoonなどストーリーのプロデューサー、ディレクターをしております。 私が世界観という言葉を意識だしたのは2年ほど前で、その一部は、昨年2021年11月に出版した『「物語」の見つけ方 ー夢中になれる人生を描く思考法』で言及しました。 この本の中でも、世界観はその人の核心なものであり、重要な概念だと触れ

          世界観研究所のメンバー自己紹介① たちばな やすひと

          世界観にまつわるツイート集め_2023年4月15日

          世界観研究所のTwitterでは、世界観で検索して、気になったものをリツイートさせてもらています。 今日はそのうちのいくつかを紹介させてください。 いかがでしょうか?それぞれの視点で「世界観」という言葉を使い、あるイメージや思いを伝えていることが分かります。 Twitterのタイムラインでは、画像的なものに反応しやすいので、やや「表現」に偏っているかもしれませんが、いくつかのことが示唆されている気がします。 なんとなく私が感じたのは下記です。 ・人間が絡むものと絡ま

          世界観にまつわるツイート集め_2023年4月15日

          「世界観」とは何か?<連載03>

          前回は「世界観」というワードを辞書的に紐解いていきましたが、その中で分かってきた事は、世界の見方(worldview)と世界設定(worldbuiding)があるという事でした。 「世界の見方(worldview)」は内側から世界をどう見るか、価値観も含めたその人にとっての世界のはなし。 「世界設定(worldbuiding)」は外側から見た世界で、個人的な主観よりは、現実世界との差異などが重視される。 そもそもの意味合いとしては前者だが、現実社会では、後者の意味合いで

          「世界観」とは何か?<連載03>

          「世界観」とは何か?<連載02>

          世界観を辞書で引くと、大体下記のような言葉が書いてあります。 「世界観とは、世界とはこういうものだという世界に対する見方」 ちなみに世界観の英訳は「worldview」です。また「世界観」という言葉は、世界に対しての見方だけでなく、「その中で人はこう生きるものだ」という考察を指すこともあります。 つまり自分にとっての「世界」を定義することで、自分の人生において何に価値があるかという価値観も含まれてくるのです。結果、「自分にとって世界の意味、価値あるもの」を指す言葉として

          「世界観」とは何か?<連載02>