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雪化粧 【今日の短歌】#シロクマ文芸部


雪化粧彼の山に棲む仙人が寒くないかと心配してる


仙人になりたいと思っていた。
人里離れた山奥で、霞を食べて生きていきたい。
そんな風に思っていた。
誰もいないところで。
自然に囲まれて。
多分それは、現実逃避の気持ちからだったのかもしれない。
誰とも接せずに。
自分の殻にこもっていたい。
食べ物を食べなくても、霞を食べればいい。
誰も自分の存在を知らない。
伝説でしかない仙人。
そんな妄想をしていることが多かった。
都会暮らしは疲弊することが多い。
心が折れやすいから、すぐ逃げたくなる。
都会では雪が降ることは少ないけれど。
少し前に初雪が降った。
雪が降ったら仙人も寒いのだろうか。
仙人は寒さ暑さも超越している存在なのだろうか。
後者だったら良い。
雪化粧の山奥で震える仙人がいませんように。


こんにちは。羽根宮です。
今週のシロクマ文芸部さんのお題が「雪化粧」でした。


いつもシロクマ文芸部さんに参加するときは、連作短歌で詩のようなものにしているのですが、最初に思いついたのは今回の仙人のものでした。
連作短歌にならなかったので別のもので投稿しました。


でも、今回のものも載せてしまいます。せっかくだし。
ずっと短歌とショートストーリーの形のものを書きたいと思っていて、今回はそちらの形にしました。
……ストーリーにはなっていないかもしれませんが。
書きためて、いつかまとめて本にしたいのです。

読んで下さってありがとうございます。
羽根宮でした。

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