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半分ろうそく【毎週ショートショートnote】

昔々ある所に、とても豪胆な王様がおさめている国がありました。
その名はキャンドルナイト王国。
王家はキャンドル家。
夜は町や村のあちこちに蝋燭が灯され、幻想的な雰囲気が魅力の国でした。

祝い事や祭りには特に豪華な蝋燭が用意され、家々が競うかのごとく家の前や庭、室内に多くの蝋燭を灯して祝ったのです。
そのロマンティックな光景は、国外から訪れる者もいるくらい、主要な観光産業であり、また多くの恋人達が逢瀬を楽しんでいました。

国王は民の暮らしを肌で感じるためと、お忍びで城下を廻るのを常としていましたが、英雄色を好むとは良く言ったもの。
城下で出会った娘と、一夜限りのキャンドルナイトを過ごすことが多々あったのです。

その結果、ある世代の子ども達にキャンドル家の者にしか現われない特徴を持つ者が多く生まれるようになりました。

「それってどんな特徴なの?」
「おとぎ話ですから」

炎の色の瞳で身体から蜜蝋の香りを発する子ども。
……ここにもいたか。

(410文字)


こんにちは。羽根宮です。
たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】に参加しました。
お題は「半分ろうそく」です。
ちなみに、裏お題は「三分豚足」だそうです。

……どうしてこうなった。

ええと、王家の血をばらまいちゃダメですね王様。
世継ぎ問題とか大変そうだなあ。
あ、正妃との間の子どもしか王位継承権がないとか?
どんな制度にせよ、家来の方は苦労しそうです。

何かもう少し、ロマンティックなお話も書けたのではないでしょうか。
どうしてこうなった(2回目)。

読んで下さって、ありがとうございました。
羽根宮でした。

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