【世界一周・旅のカケラ #36】何度目の再会、そして今後について初めて話し合う
時間が前後しますが、こちらは旅の回想記。ちょっぴりノスタルジーな時代の恋ばなです
こちらの記事の続きです。
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チャーン島から戻って、アミールは私との関係が展開しなかったことで、もう次の誰かを見つけたようだ(町が小さいため、興味なくとも会ってしまう)。
私はといえば、ジョンと過ごした町で、ただただ彼との再会を心待ちにしながら過ごす日々。「いついつ会おうね」とか「どこで再会しよう」とか、そういう確かな約束がなにひとつない。はて、私は彼と再会できるのだろうか。
彼は今頃、イタリアから彼を訪ねてきているお母さんと妹さんを、ホスピタリティたっぷりに案内しているのだろう。
私がチャーン島へ立ち、その直後のメールでは「こんなに短い別れのあとでも、ずっとmiaのこと考えている」と…。つまり、向こうは会うつもりではいるらしい。
当時はmixiというソーシャルネットワークがあり、タイの前に少し日本にいたというジョンとは、そこでつながっていた。メッセージの既読がつく、その性能が憎たらしい。今でいう「既読スルー」は当時から心に応えるのだった、特に好きな相手だとなおさら。
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何日も会えないまま、連絡も来ないまま過ごしたある日、ランバトゥリの道でアミールがこの旅3人目のお相手と手をつないで歩いているところに遭遇。「(俺は見ての通り幸せだしな)miaも、ジョンに会えるといいな!」とニコニコ、いやニヤニヤしている。チャーン島ではあれだけ、「お前とジョンの未来はない!だから俺にしろ」と言っていたのに、現金なものだ。笑
と、なんとも言えない気持ちで彼と彼のお相手と話していると、突然私の背後から誰かが走って来るのが聞こえた…と思ったら、その「誰か」は私を持ち上げて走り出してしまった…!
そんなことするやつは、きっとひとりしかいないだろう、そうジョンだった!
そんな風に、彼との再会はいつも唐突でド派手だから余計、印象に残る。
それがどんなカタチであれ、彼の姿が視界に入ると毎回私の心は踊った、どうしようもないくらい。私がこの町にいる理由も、今会いたい人も、この人以外にいないのだから…。
そしてその瞬間、私の世界からアミールは消えた。物理的にはいたのかもしれないけれど、「私の世界」からは消失していたのだ。笑
その後で彼と、そして彼のママと妹さんに混ぜてもらい、夜は皆で一緒に飲みに行った。飲みにと言っても妹さんは飲めないので、大人だけね。ママがストロベリーサワーという可愛い一杯をご馳走してくれた。そして私のチャーン島の旅の話を、ジョンの翻訳を交えて聞きたがった。
しばらくし、彼女たちは文字通りさっき戻ってきたところなので、旅の疲れもあり部屋で休みたいとなり早々に宿へ。
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私とジョンはそのまま部屋に移動し、話は再会の初夜から思わぬ展開を迎えた。
「俺ら、今まで色々なシリアストークもしてきたけど、お互いのこの先については話したことないんだよね。知ってた?」とジョン。
もちろん私も気づいてたよ、会えなかったこの数日、私も何度も考えていたもの。でももちろん、ひとりで出す答えでもないし、正直彼の気持ちがいまいち見えないなぁ、と思っていたところだった。
結論から言って、彼は私との未来を考えられなかった。口では「混乱している」と何度も言っていた。「簡単じゃないんだ、僕にとっては…」。
認めたくはなかったけれど、私はわかってしまったのだ。彼は彼の旅を続けたくて、いくら私のことを好きだと口にしたって、天秤にかけてそちらの方が重いということ。
「そういうことでしょ」と詰め寄る私に、「そうじゃない、でも簡単じゃない」「僕はイタリアを出たとき付き合っていた彼女がいて、彼女を呼び寄せ一緒に旅をした時期もあったけれど、結局うまくいかず別れたのもトラウマだし…」云々…。
わかってる、全部言い訳だよね。
私はその彼女とは違い、私自身が自立した旅人なのだ、同じトラウマの対象にはなり得ない。それに本当にそうだとしても、本当に大切な人に会ったらわかる。だって私には「一緒に来て」と言われたらついていくくらいの気持ちがあったから。ま、私の旅は彼のそれとは比べ物にならないくらい、気楽なものでもあったのかもしれない。それでも、よ。笑
ものごとは私たちが思っているより、実はずっとシンプルなのだ、と今の私は改めて実感している。難しくしているのは、彼自身だった。彼が、私より旅を選ぶことからの罪悪感を、彼なりによく見せようとしていたから、私のためにというテイで。
残念だね、私には通じないよ。取り繕った表面よりも、本質にしか興味がないから。
このときの話し合いと私の答えの導き方が、今でもとても印象に残っている。そして、20代半ばのこのときでさえ、私は今と変わらず人の心の核心を突くことができていた、と感心すらするのだった。笑
久々の再会から、急遽、佳境に入った私たちの関係。まだ数日、彼の家族と一緒に過ごす時間がある。これほど家族に歓迎されながら、どうして私は彼の一番になれなかったのだろうか…。
悶々とする気持ちと、それでも話したいことがやっと話し合えたことの充足感で、気づけば眠りに落ちていた。
ただ、話し合いはいったん保留。時間をかけて話し合いを進めよう、と彼が提案した。
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