イタリア乳幼児教育学びのツアー第3回
「イタリア乳幼児教育学びのツアー」第3回目のレポートを書きます。
6月19日(火)午前、ピアッツァ(広場)で週1回ほど開催されるバザーを横目にし、足早にパニッツィ図書館を訪れる。(早起きしなかったことをとても後悔しました…)
パニッツィ図書館について
パニッツィ図書館はイエズス会貴族のための建物を図書館としてリノベーションしたものです。
ペダゴジスタ(教育学者)と共同して、こどもの動きを考慮し、書架の配置を決め、各空間にコーナーはあるが、行き止まりのないデザインになっています。
館内では、
スタッフが読み聴かせをしていたり、
こどもが声を出して本を読んでいたり、
静かにしなければいけない部屋があったり、
日本の図書館とは少し印象が違います。青年ボランティアの方々もたくさんいました。
ペダゴジスタはレッジョ・エミリア(アプローチ)では重要な役割を担っており、さまざまなところで登場します。また、小児科医とも共同し、こどもの推薦図書を選定したりと、こどもに関わる職業の大きなつながりが顕著に見られます。
「こどもをみんなで育てる」ということが色んなところに根付いています。
司書:エリザベッタとの対話
パニッツィ図書館では司書の「エリザベッタ」が主に話をしてくれました。
「図書館は静かな場所でなく、活動の場所」だとエリザベッタは言います。言葉の通り、パニッツィ図書館では多くのイベントを行っています。例として2つだけ挙げると、
・「本を読む楽しみだけでなく、描く楽しみを感じてもらうためにこどもたちが絵本を描き、1冊の本にして図書館に置く」
・「YVES KLEIN*1のように自分で色を作り、色のレシピを描き、色の名前をつける」
以上のようなイベントを行っています。(画質が悪いですがこどもが描いた色のレシピと色の名前)
このようにパニッツィ図書館ではこどもたちの創造的な可能性を広げる活動を行っています。
「図書館の在り方とはどのようなものか」という私たちの問いにエリザベッタは「こどもと本の接点をつくる場所」と。
また、「エリザベッタは本は好きか」という問いに対しては「本は読まない、好きでもない。情熱が本から人にシフトした」とも言っていました。
パニッツィ図書館は、
こどもと本との接点つくるという「こどもの創造的な教育」
人と人との接点をつくる「活動的な場」
としての役割をもっていました。
最近の日本でも図書館の在り方が変化している事例など多々あるなと思い、勝手な対抗意識を持ったりした濃い時間でした。
次回:ピッツァーニ小学校の保護者団体
次回はロスタ・ヌオーヴァ地区で独創的な活動をしているピッツァーニ小学校の保護者団体について書こうと思います。
2年前のことなので写真や自分なりにまとめた資料を見ながら思い出して書いていきます。
*1 YVES KLEIN - イヴ・クライン。フランスの画家で自ら顔料を開発し、「インターナショナル・クライン・ブルー」と名前のついた青を作りだした人物。
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