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採用担当は奥深い仕事(個人の未来も会社の未来も背負ってる)

はじめに(いつも書いてること)

このnoteでは、「仕事でも私生活でも心をラクにする(ワークライフハック)」をテーマに文章を書いています。

※「ラクする」というのは、「心身に苦痛などがなく快く安らかに過ごす」という意味で使っている言葉であり、シンプルに「サボる」という意味ではありません。

今回の内容

曽和さんのこの投稿に、僕が体感してきた『採用を担う者として意識すべきこと』が書かれていました。

採用という仕事の奥深さを感じてきたし、どんな視座で採用と向き合うべきなのかを自分で見極めながら採用を担ってきました。

今は主な役割として採用領域は担っていませんが、採用を担っていた2022年3月頃に、採用に対しての想いを書いていたので、それを掘り起こしてきました。

採用という仕事は、個人の人生に寄り添う仕事であり、それは同時に、会社の将来にも影響してきます。

だからこそ、経営者以上に会社の実態を知り、経営者以上にその実態をうまく言語化して相手に伝えながら、その相手の人生とすり合わせていくことが求められるんです。

そのためには何が必要か・・・

採用という仕事を深掘りしていくと、その周辺領域について理解することが求められているとわかるはず。

たとえ組織から『採用だけ』の役割を与えられたとしても、採用領域で価値を最大限にするには、採用と連動するあらゆる知識や知見が必要だとわかるはず。

以下、2022年3月に残していたのログです。
※人材紹介にも携わったことがあったので、採用と人材紹介の両方に視点を当てています。

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採用と人材紹介というのは、一般的に見たら全く違う仕事です。ただ、「出会った人と向き合って、その人に合うであろう会社へ導き、共感をつくり出して入社に至っていく」という表現をすると、実現しようとしていることは同じようなものだと捉えることができる。

僕自身は2016年8月から、採用に携わる仕事をしています。2019年2月〜3月までは、人材紹介の事業にも携わってきました。その期間も、採用に携わる仕事がゼロになったわけではないので、採用の仕事に携わり続けてきました。

採用という仕事に携わるようになって、職種の特徴的に外交的な人が多いというのもあったかもしれませんが、本当に多くの方と対話をさせていただきました。本当にありがたいことです。同時に、採用という領域においては『スペシャルな人(名前を聞けば「あー」となるような人』がとてつもなくたくさんいて、「この領域で自分が生き残っていくためには何が必要なんだ?」ということも考えさせられました。

人材紹介の仕事をやるようになったのも、採用の仕事をやっていたことがキッカケでした。自社の採用をする際に、候補者様との接点をつくるためには人材紹介会社の協力が必要で、応募経路として存分に頼らせてもらいました。本当に多くの人材紹介会社と関わってきました。採用単価の兼ね合いで無理を言いながらも、良い関係性を構築することで紹介をしてもらっていました。

そんな中で感じたのは、「人に本気で寄り添っている人材紹介会社や担当者はどれくらいいるのだろうか?」という疑問でした。人材紹介というのは、紹介先の企業からお金を頂くことで成り立つビジネスです(一般的には)ので、キャッシュポイントとなる部分に注力するというのはわかっています。ただ、候補者となる人には心があり、その心に寄り添わない限りはキャッシュポイントは生まれません。

そしてもう1つ気になったのは、候補者の方がどこかの企業に入社して、入社した後の定着まで徹底的に観察している人材紹介会社が少なかったことです。人と企業が結びつき、そこで人材紹介会社にお金が発生していく。入社から一定期間が過ぎると、定着状況を確認する連絡が来る会社もあれば来ない会社もある。

「入社後の定着状況って、どんな管理をしてるんですか?」と聞いたことがあります。それに対する回答はバラバラで、会社単位で仕組み化されてる場合もあれば、個人に委ねられている会社もある。そういった会話を通して、人材紹介に携わる者としての目的意識や覚悟というものを知っていきました。

採用や人材紹介という仕事は、人のキャリア構築に関わる重要な仕事です。「会社から役割を与えられたからやってる」のか、「会社としての想いがあり、その上に自分個人としての想いを乗せて、自分なりに目的意識を持ってやってる」のか、その姿勢の違いはとてつもなく大きな違いです。

人の心を機械的に扱ってはいけませんし、人の心は機械的に扱うことができません。ただ、仕事を探している人というのは、気持ちの面でどうしても弱くなってしまうことがあります(人材紹介を頼るというのは、自分1人だけでは仕事探しを完結できないからというものあるはず)。その気持ちの弱い部分につけ込んで、人の心を軽視しながら、半ば強引にでも企業(採用の場合は自社、人材紹介の場合は他社)と結びつけるということが行われていないか。

幸いなことに、今の僕の周りには、自分なりの想いを持って仕事に携わる採用担当者や人材紹介担当者がらとても多いです。だからこそ、人の心が軽視されているような状況を知ったり、仕事探しのシーンで採用担当者や人材紹介担当者との関わりによって心を揺さぶられている人を見ると、心が痛みます。

『採用に携わる者』と『人材紹介に携わる者』という両側面の立場で仕事をしているものの、大前提として「目の前の人のキャリアに伴走する」という意識を持っているからこそ、まずは相互信頼が大切だと思っています。僕は、目の前の人のキャリアに伴走してみて、うちに合いそうなら「グッド・クルー受けてみる?」と提案しますし、うちには合わないかもと思ったら「就職(もしくは転職)の支援をしようか?」と提案します。

採用と人材紹介というのは、目の前の人のキャリアを豊かにする上での手段です。両方の役割を担いながらも、あくまでも中立的な立ち位置も大切にしながら仕事をしています。なぜならば、繰り返しになりますが、人には心があるからです。

実際に僕の元には、採用面接のシーンで「他社の採用担当の人にこんなことを言われましたが、本当なのでしょうか?」という相談が来たり、人材紹介面談のシーンで「人材紹介会社の人にこう言われましたが、どんも信頼できません。本当はどうなんですか?」などの相談の声が集まります。「この場でこんなことを聞くのも変なんですけど」という前置きをされることも多く、それは相互信頼を表す1つの指標かなとも思ってます。

ただ、そうは言っても、採用も人材紹介も営業的な側面が強い仕事です。明確な数字目標(会社によって追う項目は異なる)がある場合が多いですし、担当者と管理者はその数字をゴリゴリに追っていきます。人の心を扱う仕事でありながらも、数字的な側面もあるという、ここが採用や人材紹介という仕事も難しさなんだと思います。

その難しさに直面して、「こんな仕事だと思わなかった」という声を上げて採用や人材紹介という仕事から離れていく人を、他社でよく見かけます。幸いなことに、僕がマネジメントしてる範囲では、上記の声を上げて採用や人材紹介から離れていく人は今のところいません。数字を追う以前に、自分の目的を明確にすることを大切にしているからです。

その数字目標を追う為に、担当者や管理者はありとあらゆる手段を取ります。ただそれは、他の職種でも同じですよね。ただやはり、人のキャリア構築に大きな影響を及ぼす採用と人材紹介という仕事の特殊さはあるのかなと思います。だから、この記事であるような声が出てくるんですよね。

上述しましたが、採用も人材紹介も、「会社から役割を与えられたからやってる」のか、「会社としての想いがあり、その上に自分個人としての想いを乗せて、自分なりに目的意識を持ってやってる」のかでは雲泥の差があります。これは管理者のマネジメントスタイルによっても差が出てくるのかもしれませんが、企業の文化や風土が表れる部分でもあるなと思っています。

採用を担う人としてやらなければならないのは、「自社に入るべき人に入ってもらうこと」です。だからこそ、候補者に徹底的に寄り添い、自社のことも経営者並に理解して、両者を引き合わせていく必要があります。今の僕がこだわっているのは、『自社に入るべき人』という部分です。要素は2つあって、『自社』と『人(仕事を探している人)』です。ここにこだわりポイントを置くことで、「採用すること」が目的にならず、入社後の定着率の向上に繋がります。定着率の向上は、働く人にとっても企業にとってもメリットですよね。

昨年度までは入社後の人材マネジメント領域をメインで担っていたので、採用という『働く人の入口』を再び担うことにより、これまで以上に働く人のキャリア構築に伴走できると考えています。入社した後に、1人1人がどんな雇用者体験をしていくのかというのは、採用時に会社と出会うところから始まっていると考えています。

引用:図解人材マネジメント入門
(採用は代謝まであらゆる領域と関わっている)

2018年11月にこのプレスを見て「これだ!」と思いながらも、その後に採用からフェードアウトしてしまったので、改めてこのダブルファネルを頭に入れながら採用を構築しています。それは、自社の為でもあり、選考時にうちの会社と出会う候補者の為でもあります。

引用:上記記事
(高いエンゲージメントは採用集客から関連する)

出会いのキッカケが採用だとしても、人材紹介だとしても、目の前の人のキャリアに伴走する姿勢は変わりません。関わっていく中で、合う会社がうちであればうちを促しますし、うちよりも合う会社がありそうなら人材紹介を促します(人材紹介会社から紹介していただいた候補者の方を他社に紹介することはしませんので、人材紹介会社の方が読んでいたらそこはご安心ください)。これが実現できる背景には、うちが大切にしているスタンスである『感情移入』があります。

うちの面接は不合格なんだけど、うちに企業の紹介をしてほしいと依頼してくれる方が出てくるのは、その方との相互信頼を大切にしているからこそだと思っています。会社としても大切にしていますし、会社としても大切にしていることが前提にあった上で、個人の想いが乗ってるからこそ自然発生的にそのような事象が生まれていくんだと思います。

僕自身は、一緒に働くメンバーに対して「役割を自分事化すること」を伝えています。それは、「会社から役割を与えられたからやってる」ではなくて、「会社としての想いがあり、その上に自分個人としての想いを乗せて、自分なりに目的意識を持ってやってる」という姿勢を醸成する為です。

人材ビジネスは、採用や人材紹介を担っている人じゃなくても人の心を扱い、全ての職種で人のキャリアに伴走する必要がある業界です。人と徹底的に向き合う仕事だからこそ、そこに『やらされている感』が存在しているのは良くありません。「仕事を意味づける主体となるのは自分自身である」ということを徹底的に伝え、自分の人生と仕事を紐づけて働いていく。それによって、1人1人が目の前の事に夢中になれる。そして、現代社会の様々な課題が人事(ヒトゴト)で解決できるようになり、世の中が元気になっていく。そう思っています。

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ここまでが、2022年3月に記した内容です。

「採用だけやってても限界がある」
「そろそろ採用以外もやりたい」
そんなことを言う人もいます。

気持ちはわかります。

採用をやっていれば、上述した通り、その周辺領域にも知識や知見を広げていかないと、採用を担う者としての役割を果たせないことに気づくから。

「採用担当だから採用領域にとどまる」という判断をしていては、周囲から信頼されませんし、採用を極めることはできないと思います。

他の人事領域を深掘りしたり、他の部署のことも理解したり、何よりも経営者との距離を縮めて会社の理想の未来を知らないと、自社に人を導くことはできません。

社内に存在する全ての要素が、採用を極めるプロセスと捉えることもできるので、採用を担う者としてやるべきなのは、とにかく自社のこと(過去・現在・未来)を知り、自社で働いている人を知り、採用に限らずあらゆる領域の知識や知見の幅を広げていくこおです。

そうすれば、社内外問わず、いろんな方とのコミュニケーションが必然的に求められますから。

曽和さんの投稿から、「特にこれ」という部分を抜粋します。

理由の一つは、採用の仕事は、本当はとても深い領域であるにもかかわらず、表面的な形だけなら簡単にできてしまうため、採用担当者は相当意識して努力をしないと成長する機会を逸してしまうからではないかと思います。言い換えれば、流して仕事をしてしまうということです。例えば、「面接」という形式だけなら、素人でもなんとかできます。気難しい顧客に会うわけでもなく、社会人である自分と比較すれば、まだまだ未熟な学生や若手が多く、しかも採る側の方が強い立場です。

まず、自分の経験知だけに頼って、流すような仕事をするのではなく、心理学や組織論など採用業務に深みをもたらす新しい理論を学び続け、そこから得た基準を持って自分の仕事に厳しい目標設定と評価を行うことで腕を磨いていくべきです。自分でやらなければ、誰も自分を律してくれません。
また、社外の候補者ばかりに会って「ちやほやされる」(嫌な言い方ですが)ことに没入してしまうのではなく、厳しく自分を詰めてくる経営陣や事業リーダーや他の人事機能の担当者と日々深くコミュニケートし、きちんと対峙してフィードバックを受け続けることです。そういうことを続ければ、きっと採用担当者の未来は明るいと思います。なぜなら、経営という仕事の半分は人事であり、人の本質を見抜き、動機づけていくような「採用という仕事」は本来ビジネスパーソンの必須能力を磨ける場であるからです。

会社の成長において、『仲間探し』っていうのは本当に大切な仕事です。

なので、経営者が誰を採用担当にするかというのは、会社の命運を握ると言っても過言ではない。

その面でも、採用を担うなら、「経営者の頭の中にあるものを自分の言葉で話せるようになる」という気概で日々を過ごしていくのがいいでしょう。

採用担当が中途半端だと、個人の未来も会社の未来も明るくなりません。

働く個人の働きがいや生きがいを醸成していくためにも、個人の未来と会社の未来を重ね合わせて、『会社にとって採用すべき人を採用するために何が必要なのかを考えて実行できる人』を採用担当にする会社が増えることを願います。

感謝

今回も、読んでいただきありがとうございました。


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