はじめに(いつも書いてること)
このnoteでは、「仕事でも私生活でも心をラクにする(ワークライフハック)」をテーマに文章を書いています。
※「ラクする」というのは、「心身に苦痛などがなく快く安らかに過ごす」という意味で使っている言葉であり、シンプルに「サボる」という意味ではありません。
今回の内容
今回のnoteでは、『早期離職』というキーワードを起点に、いろいろな視点で書いていこうと思います。
※書きながら「あれもこれも」という感じで書き足していったので、まとまりはありませんが、読んでいただけると幸いです。
さて、ここから・・・
コロナ禍で一気にウェビナーが流行りましたよね。
毎日、なにかしらのウェビナーが開催されており、学ぶ意欲が湧き上がって、いろんなウェビナーに参加していました。
あの頃の集中的な学びが点となり、今になって線になり面になり立体になっています。
その中で、以下のようなカンファレンスが開催されており、全ての回に参加していました。
「1日1時間をオンラインで」という時間の取り方だったので、気軽に参加できていました。
このカンファレンスのとある回にて、『早期離職対策/オンボーディング』というテーマがありました。
早期離職の原因追及というのは、自分たち(組織側の人間)が自分たち自身を正当化したいがために、振り返りの時には主観が入ったりするので、建設的な議論にならないことがあります。
現実から目を背けないこと、そして対策を打つこと・・・これが大切なのに。
登壇者は、『株式会社カイラボ:代表取締役 井上 洋市朗さん』でした。
これが井上さんとの出会いでした。
※ファシリテーターは、『株式会社OKAN:ハイジ事業 マーケティング・CS責任者 橋本 大祐さん』でした。←当時の肩書で、今は別の環境で活躍されているようです。
井上さんの経歴を見て、「早期離職白書というのは興味深い・・・」と思いました。
この回でインプットしたことをまとめると・・・
◆早期離職は、採用側や育成側だけの問題ではなく、経営を巻き込んだ施策である。
◆「早期離職があったから採用を見直そう」も大切だけど、一旦、社内の状況を俯瞰的に見る必要がある。
◆採用時に発しているメッセージと、社内の制度や評価などがリンクしていない可能性を探ることが大切。
◆掲げているメッセージと実際が乖離してることってあるはずなので、そこを組織として変えていくことを考えないと、どれだけ優秀な人を採用しても辞めていく。
以下、当時のスライドを添付しながら。
※スクショ&拡散OKという周知があったので、添付しても問題ないです。
◆早期離職対策には、『3つの戦略』と『9つの戦術』がある。
◆新入社員が定着する組織の特徴
◆早期離職者約300名のインタビューから出てきた早期離職の三大要因
・存在承認:ここに居て良いという認識を持つ。
・貢献実感:貢献したい先が人によって違う。ミッションやビジョンが制度に反映されていない等。
・成長予感:大手などでよくある。
◆定着率の高い組織の事例
◆オンボーディング活動の設計について
・現状がどうなっているのかを知ることが先決。
・離職の『きっかけ」と『決め手』は違う。
→モヤモヤ期に気づいてあげることが大切。
・「離職の理由はきっかけ?決め手?」を認識することが大切。
・特定の人が『きっかけ』を作る場合も・・・
◆ハーズバーグの二要因理論で考えてみよう
・衛星要員(不満足要因)
┗あればあるだけ満足に繋がるわけではないが、なければ不満になる。
・動機付け要因(満足要因)
┗なければないで不満にはならないが、あればあるだけ満足に繋がる。
◆どこに会社が位置付けられますか?
・4象限で組織を分類すると、その組織の課題が見えてくる。
・レイヤーによって回答が異なるということからも課題が見つかる。
・どっちの要因を伸ばそうとしているのか・・・施策を打つときにはこれを考えないといけない。
※上記の4象限ではなく、今は9象限で組織を分類しているようです。
◆早期離職の対策の優先度
◆早期離職対策の観点から採用で改善できること
◆早期離職の対策への対策と基準
◆早期離職対策を進めるポイント
◆ウェビナーの総括
◆最後のメッセージ
従業員の『納得感』は本当に大切で、説明に対して「なぜ」が抜けていたり、説明不足があったりすると、納得感が生まれない。
納得感を醸成するのが難しいからといって、表面的な施策で逃げようとしてはいけない。
早期離職を防ぐことを考えると、組織におけるリーダーの存在が重要視される意味がわかります。
カイラボのメルマガで、『部下がついてくるリーダーと部下が辞めるリーダーの違い』というコラムが流れてきたことがありました。
ここで特に大事なのが、『リーダー自身がこの3つをやっていると思っている状態』ではなくて、『メンバーがリーダーはこの3つをやっていると思っている状態』を生み出すことです。
リーダー自身が「やってる」と思っていても、メンバーからしたら「やってない」と思っていることもあり、それが働く中での違和感に繋がり、『会社を辞めるきっかけ』になることがあります。
その認識の違いはメンバーとリーダーとの間に溝を生み出し、関係性はより悪くなっていく・・・。
そう考えると、リーダーとして大切な要素は『誠実』『謙虚』『感謝』だと思います。
リーダーになったとしてもメンバーに対して誠実に接して、威張ることなく謙虚な姿勢を持ち、感謝の気持ちを持って周りのメンバーと接する。・・・これが大事。
これをやるだけでも、部下が自然と「ついていきたい」と思うリーダーになることができます。
本質はシンプル・・・でもそう簡単にはできない・・・だからこそ、意識して行動し続けていくことが大事(トレーニングすることが大事)。
早期離職を追求する井上さんと、『退職学』という言葉を掲げて活動する佐野さんのクロストークを紹介します。
以下、このクロストークを聞きながら取ったメモです。
『退職学』・・・このクロストークでは、良い学びができました。
退職学については、以下のnoteでも紹介しています。
『転職』とか『退職』という言葉がタブーな雰囲気が出ている会社やチームも多いんじゃないかなって思いますけど、キャリアを考えていく中で、これからの人生を考えていく中で、今の環境に変化を起こし、転職や退職を通してチャレンジしていくことって悪いことじゃないから、環境を変えることを含めて気軽に相談できる人が近くにいるって、貴重なことです。
人によって事情が違いますから、転職や退職に関しては、しっかりと『個』と向き合っていかなければ。
『会社の中での成長』と『会社という枠組みを超えた個人として成長』、この両方を語り合える仲というのを、マネージャーという役割を担う際は意識しています。
「なんのためにこの会社にいるのか?」という問いを立て、『この会社にいることが前提になってしまっているライフプラン』を考えさせないようにしています。
『この会社にいることが前提になってしまっているライフプラン』を考えてしまうと、この会社ありきの人生になってしまい、仮に働く場所を変えることになったら、ライフプランを考え直さなければならなくなるからです(会社ありきの人生ではないですからね)。
退職学をインプットしながら、『早期離職』と『退職学』の両者は親和性が高いなぁと感じていました。
『辞めにくい会社』にこだわるのも良い方向性だと思います。
離職率を0%にするという意味では、「働く人が辞めない会社にする」という言語化が良いのかもしれませんが、離職率が0%の会社なんていうのは、目指さない方がいいです。
「会社を辞めるか辞めないか」というのは、会社側が決めることではなく、働く人自身が決めることだからです。
なので、「働く人が働き続けたいと思う会社にする」というのが状態目標としては良いと思います。
以前、『ハイジ』というシステムを使いながら、職場推奨度の向上と離職率の低減にチャレンジしていました。←冒頭のウェビナーは、『ハイジ』のマーケティング責任者が主催していたものです。
以下の記事を引用しながら、僕なりのコメントを書いていきます。
離職理由の分析ってホントに厄介で、離職時の面談でヒアリングした理由が本当かどうかなんてわかりませんから、集計して分析しても、「それってさ、本当のこと言ってるのかな?」という議論になってしまう。
そうなると、議論をどこに着地させていいかわからなくなってしまうんですけど、この問いがないと、ボトルネックを捉えることなく表面的な課題設定のまま解決策を構築していくことになってしまい、解決策の効果が見込めないという事態になるかもしれない・・・これは避けないといけない。
上記にもあるように、「職場で不満を抱く必要がなければ、今いる場所で、伸び伸びとキャリアを積める」と考える人が増えていけば、人が辞めにくい会社になっていくはずだし、そのためには、このnoteにも書いてきたことですが、気軽に相談できる人を見つけられるかというのが大事になってきます。
※『ハイジ』は現在、名称を変えています。
『成長の意識を強く持って働くこと』と『不満を持たずに働くこと』って違うから、モチベーターとハイジーンファクターに分けて考えることって大切だよなぁと感じます。
人によって『あって当たり前』と思う基準は違うし、個人にフォーカスしたとしても、ライフステージが変化していく中で『あって当たり前』の基準は変化していくから、『あって当たり前』を考える上では、『目指すべき理想の組織』を明確にした上で、組織側(経営側)が主体的に当たり前基準を整えていくことが重要なんだと思います。
その前提があった上で、働く人のニーズを捉えながら経営に反映させることも重要だと思うので、定期的なサーベイ結果により課題を炙り出していくことが必要なんです。
モチベーションが高くても、ハイジーンファクターが低いことで辞めざるを得ない状況になることだってあります・・・もしかするとそれは、不本意な退職かもしれませんし、会社としても避けたい退職だったりします。
サイボウズの事例として、「辞めにくい会社」とか「残ろうかなと思われる会社」という、「エネルギッシュさがある」というよりは「ゆるさのある」という状態の方が、個人的には会社が向かう方向性としては良いんだろうなと思うんです。←サイボウズ代表の青野さんの著書を読んで残した備忘録を、このnoteの最後に記載します。
キャリア面談をやっていて、「モチベーションって高くないといけないんですか?」っていう言葉と出会うことがあります。
この言葉と出会うと、「この社員はやる気がない。退職フラグだ!」となる会社が多い印象があるんですけど、果たしてそうなのでしょうか?
きっとあるはずなんですよ、その人がその会社に居る理由が。
その人なりの『働く理由』と向き合って、その人自身が『この会社で働き続ける意味を見出している状態』になっていくことが大切なんです。←ただし、退職することが悪いと言っているわけではありません。
退職の理由って、ホントに幅広いし奥深いです。
なぜなら、退職する本人ですら、「6ヶ月後にこの理由で辞めるだろうな」なんてことを想定していないことがほとんどだから。
働いている中で何かしらのギャップと出会い、そのギャップが最終的に会社を辞めるきっかけになり、「この会社で働いていてはいけない」というアラートが自分の中で鳴らされていくんです。
カイラボ代表の井上さんが、『早期離職白書』というものを出していますが、ここにはこんなことが書かれています。
会社が向かっている方向があり、その中で「働く人はこんな人であってほしい」という希望があるはずなので、働く人の要望を全て「うんうん」と聞くだけではなく、会社側は自社の方針やポリシーを示す必要があります。
会社が向かっている方向に共感しなかったり、その方向に一緒に向かえない人がいる場合は、キャリア面談等を通して、その人のキャリアに向き合わないといけません。
その人がこの会社に入った当時は、「入社理由」があったはずですから、「どんな経緯を経て今のような状況になってしまったのか?」ということをしっかりと聞かないと。
会社としては耳を塞ぎたくなる話も出てくるでしょうが、現実を受け止めなければなりません。
「もっと成長したい」という前向きな転職だとしても、リテンションの設計が社内でなされており、チャンスを与えられるようになりさえすれば、その人は辞めなくて済むかもしれない。
『離職』『退職』というキーワードを起点にして会社を見ていくと、採用から配属、人材育成や報酬制度、福利厚生や人事評価制度、1on1などの面談やエンゲージメントサーベイの結果など、ありとあらゆるピースを繋いで、1つの絵にしないといけないなぁと思います。
『短期的にできること』と『中長期的に着手していくこと』を整理して、ロードマップを敷きながら、働く人に対してもそのロードマップを見せていくことこそが、働く人に対して会社が取るべき姿勢なんだろうな。
そのためにはまず、今の組織状態を正確に把握して、課題を抽出し、いろんな人と対話しながら解決へ向かっていくことが求められます。
早期離職に関しては、泥臭く、そして粘り強く、感覚的なことにならないように、「科学する」を意識しながら動いていこうと思います。←僕自身が人事として追求すること。
他社様の事例を参考にして、「自社に落とし込むにはどうしたらいいのか?」ということを考え抜き、真似できるところを真似しながら自社にフィットさせていく。
他社で成功したからといって、それをそのまま自社に取り込んで成功するほど、組織づくりは単純じゃないので。
チームとして一体感を出すことも、早期離職を防ぐ1つの解決策です。
これを読んでくださっている方が所属しているチーム・組織・会社では、一体感を創出するためにやっていることはありますか?
数十人、数百人、数千人、数万人と人数が増えていくと、『一体感を創出するための適切な取り組み』というのは変わってきますから、一概に「こういう取り組みが良い」ということは言えないでしょうけど、「こんな取り組みがあるよ!」というのがあれば教えていただきたいです。
さて・・・、僕の会社は今、数百人規模なんです。
会社の中で一体感を創出することが、今の会社に存在する課題の1つです。
「一体感を創出する」前に、前提として「働いている1人1人がこの会社で働いている意味を言語化する」があるかなと。←「目標を追う前に、その目標を追う目的を明確にする」というのが重要だということ似てる。
これが前提になければ、「一体感を創出できた!」と自信を持って言えません。
一体感を創出する施策をどれだけ考えても、どれだけ一生懸命に発信しても、どれだけ何かを実施しても、個人にフォーカスを当ててみて、「この会社で働いてる意味を言葉にできません」という人が多ければ意味がありません。
この会社で働いている意味って、「自分がこの会社に貢献できているのか?」という認識があるかどうかが大切な要素の一つだと思います。
なので、『早期離職白書』を発行しているカイラボ代表の井上さんが掲げている『早期離職の三大要因』には、とても共感します。
この3つを会社としては仕組み化しながら、働く個人と関わっていかないとなぁ。
「コアバリューがあるから、これを大切にしていけば一体感は創出される!」という考えを持つのではなく、「価値観やナラティヴは人それぞれだけど、〇〇(共通言語)という意識を持って働いていこう!」という声掛けが必要なんだろうな。
ただし、『〇〇の意識』という言葉自体も、人によって捉え方が変わってくるので、最終的には『対話』が重要であるという結論になってきます。
対話を通して関係性を構築して、個人ごとに「目の前のメンバーに何ができるか?」を考えることが重要です。←『対話』というのは『関係性を構築する会話』のこと。
『スクラム採用』を真似て、『スクラムマネジメント』という言葉を社内に提案したことがあります。
言葉としては浸透しませんでいたが、僕がやっていること・やろうとしていることは、スクラムマネジメントです。
マネジメントはそもそも組織的に仕組化すべきことなので、あえて『スクラムマネジメント』という言葉を使わなくても、自然とスクラム化していくものかもしれません。
ただ、現場レベルに降りてみると、上司が部下を自分だけでマネジメントしようとしていたり、情報を現場に留めてしまっている場合もあるので、『スクラムマネジメント』という言葉を掲げて組織的に取り組みを行うことで、早期離職を防げるかもしれません。
上司と部下の関係性(1対1)で人間関係や評価が完結するのではなく、「1対1の関係性を複数作って、シーンによって頼るべき人を変える」という考え方です。
キャリアに伴走する中で、「もっといろんな人と対話したら可能性が見出されたはずなのに」と思うことが何度もありました。
僕がキャリアに寄り添う時に意識しているのは、「これは自分じゃない方が適切な伴走ができそうだ」と思ったら、積極的に適切な人にリファーすることです。
誰のどんな関わりが、誰かにとっての何かのキッカケになるかなんてわからないので。
「この人だけを頼ればいい」なんてことはありませんから、普段話していない人との壁打ちにもチャレンジしてほしいです。
人との対話が苦手な人は、本という媒体を通して、その本の著者の考えを自分に取り込むことでもいいでしょう。←僕はどちらかというとこっち派。
上司という存在の人は、部下の様子を観察して「自分じゃない方がより良い伴走ができそうだ」と思うなら、勇気を持って他の方に対話を依頼してみましょう。
そのためには、社内にどんな人がいるのかを把握しないといけないので、社内リソースを把握する動きを取ることも、上司という立場の人がやるべきことです。
『早期離職』というキーワードを起点に、いろいろな切り口で書いてきました。
これからも、『早期離職』というキーワードを起点に、個人のキャリアづくりと組織づくりにおいていろいろな実験をしていきます。
長々とつらつらと書いただけのnoteですが、最後までお付き合いいただき感謝です。
感謝
今回も、読んでいただきありがとうございました。
附録
サイボウズ代表の青野さんの著書を読んで・・・
サイボウズという会社、調べれば調べるほど、「すげー会社だなぁ」って思います。
サイボウズが掲げている『残ろうかなと思われる会社』というのは、共感できる組織のあるべき姿でした。
人事という仕事は、『会社の成功を意識しながらも個人の成功をつくる仕事』であると思っているので、サイボウズさんの組織づくりはとても参考になります。
ここからは、以下の本の要約(要約というよりも、僕が大切だと思ったことの抜粋)と、感じたことを記載していきます。
※2017年6月に読書ログとして残したものです。
1.要約
2.目的・・・なぜこの本を読み始めたのか?
3.ポイント・・・今後のために、特にキャッチアップすべきだと感じた部分。
4.今後に向けて
5.所感