見出し画像

外資系に移るときのハードルの話(ワーママに捧ぐ)

皆様ごきげんよう。
私が9月に転職してそろそろ試用期間もラストスパート、試用期間にもかかわらず昇給したのに、これであっさり切られたら笑ってやってくださいね。

それでは今日は、下記ツイートについてつらつら書きますよ。
(事情によりアカウントは削除しましたので、魚拓状態ですみません💦)

苦労を覚悟をしてでも、外資系には移る価値がある

ツイッターでも少し前につぶやきましたが、日系企業で時短勤務だと年収230万円っていう話がありました。

IT業界に移る前に勤めていた日系の小さな会社では、私の年収もそんなもんでした。
毎月給与明細を見て、本当に悲しかった気持ちがぶわっと蘇ります。
お給料日を迎える度、自分にはそんな価値しかないんだ、って呪いが自分にかかっていく感覚でした。

当時はまだ保育料が全額有料でしたから、私の月収なんてほぼ丸々右から左、住民税免除されるのも情けなく感じました。
私はあの思いをもう、ほかの方にしてほしくなくて、この記事を日系企業で苦しむ、特にワーキングマザーのみなさんに捧げたいです。

余談ですが、外資系なら、エントリー(初級)レベルの業務でも、400万円を下回ることはない、とリプをくれた方もいました。
えっ!っと思った方、お待ちしていますよー。

あとは、休んだことを謝ったことって、外資系に来てないんです。
「今日は子供のイベントがあって」といった話題を出すと「仕事をしていていいのか」と心配してくれるくらいです。
「日本チームの有給消化率が低い、こんな問題があるチーム他にないんだから、頼むから使い切ってね」って笑われたこともありました。

そして、外資系畑では、社員としてではなく人として、従業員同士が人間として繋がれる感覚があります。
転職が決まれば行く先での幸運を祈ってくれる同僚や上司たち。
どこかの同僚みたいに「ここでやってけなかったら他社で通用するはずがない」なんてだーれも言いません。
また別の職場で一緒になって「ご無沙汰してますー!」なんて挨拶に遭遇したことも何度もあります。

あの雀の涙の給与明細を眺めてすっかししぼんだ私の自尊心は、外資系に移ってすっかり快復できました。
いかに今まで日本企業の呪縛にからめとられていたかを思い知らされると同時に、個性を発揮することが会社のためになる喜びを毎日感じながら働くことを本当に幸せに思っています

だから、ママさんにこそ挑戦してほしい。

違う方向に異次元を展開していく子育て支援が打ち出され、相変わらず男尊女卑な日本社会にあって、自尊心をもって働けることの価値は、本当にかけがえないと思っています。

もちろん価値観はそれぞれですが、ちょっとでも外資系に興味があるのなら、要点を押さえて心構えを準備万端で挑戦してほしいです。
だからこそ、今日はちょっと厳しい現実について書きます。

思い起こせば、私の短い外資人生において出会った「初めて外資系に移ってきました」という人で早々に去って行った人たちは、陽キャ力もアンラーニング力も発揮できていませんでした。
彼/彼女にもっと英語力さえあれば、とか、成果云々でクビ候補とか、そんな土俵に上がることすらなく、人によっては本当に精神を病んで辞めていきました…。

とはいえ、「やだなぁそう簡単にクビになんてならないよー」「英語力なんて本当はいらないんだよー」って言えたらよかったんですが、そうじゃないのが現実です。
ただ、クビへの備えも、英語力の補強も、入社してからでもいくらでも手立てがあります
クビへの備えは私の前回の記事もしかしたら役に立つかもしれないし、英語力はみなさん学生時代の英語力がさびてるだけで、ちょっと磨くとある程度戻ってくることもあるし、私もお世話になっている翻訳ツール駆使するなんていう、即効性のある対処法もある。なんならちょっと賢い相手なら「日本語とは言語学的に言うと最も英語から遠いので日本語話者が英語が流暢じゃないのは仕方ない」っていう感覚をもって接してくれたりして、案外何とかなるので、いきなり流暢な英語でガチ討論ガンガン、みたいなことは自分から突っ込んで行かない限りめったにない、思ってもらっていいように思います。

でも「陽キャ力」「アンラーニング力」は、必須なのにそう簡単に付け焼刃ではどうにもならない
だからあらかじめ助走の段階から意識しておいてほしいのです。
ポータブルスキルだとかコアコンピタンシーなんてちょっと前は呼ばれたカテゴリーかもしれませんが、外資系への転職の注意として話題にならないのが不思議に思っています。

まず陽キャ力ってなによ、って話から。

性格とか経験とか関係なく、周りにネガティブな影響を及ぼさず、安定的な成果を出し(てるふりを)続けられる力、です。

「あなたは隣の席の人が今日クビになって会社に来なくなっても、平然と仕事を続けられますか?」っていう質問が、陽キャ力を試すのにいいのかもしれない。

外資系企業は決定的に、日系企業とはメンタリティが違います。
一に収益、二に収益、三四がなくて五にD&Iって感じです。(五については異論を認めます笑)

外資系企業にとって従業員は誰でもいい、じゃなく、なんでもいい、んです。収益さえ上げてくれれば人じゃなくたっていい。
今のところ他よりはコスパいいから仕方なく採ってるのが人間で、その最大限のパフォーマンス発揮するため(と顧客と投資家がうるさいから)制度や福利厚生、風紀委員なんかも設ける。
だからこそ、日系企業から人扱いされないワーママや私みたいな転職オタクみたいな人材でも尊重され居場所を得られるわけです。

それに比べ私のかつて所属した日系企業数社は事業の社会的意義や帰属先としての存在意義のウェイトが大きく、収益より取引先の顔色、事業拡大より現状維持という意識が浸透していたように思います。というのは余談。

話を戻して、だから外資系は、オートメーションが完了すればなんのためらいもなく人員を削減するし、事業フェーズが変われば人を増やしもすれば減らしもする。
収益のためなら方針の朝令暮改なんてしょっちゅうで、二週間も経ったら方針変わってるなんてことが本当に頻繁に起こります。

なので、私も初めての外資系として前職のアメリカ系のIT企業に入ったとき、今思えばついていくのが本当に大変でした。
エージェントから「あなたの英語力なら問題ない」「この会社は本当にホワイトだから安心して」と言われ続け、オファーレターを受け取ればお願いしてもないのに年収提示額が上げられていて「あなたをどうしても採用したい証拠だ」なんて言われながらの入社だったこともあり油断していたのも否めないながら、実際の「大変ポイント」は想定していた英語力とかスキルセットの部分ではなかったんですね。

朝言ってたことが夕方変更になってもはい、の一言で応じる力、ちゃぶ台ひっくり返したくなるようなことが起こってもまともに受け止めないで流す力、そして相手がまともに受け止めてくれなくてもめげない力、それらにいちいち気持ちを揺さぶられない明るくふるまう力、それを陽キャ力、と表現しました。なので、公私とも感情労働の比重の多いママ属性の日系勤めの長い方には、陽キャ力のイメトレをしたうえで、外資系にはぜひ挑んでほしいと思っています。

ではアンラーニング力はというと。

一度習得したものを捨てて、新たに身に着ける力。

これが、年を重ねれば重ねるほど、悔しくてしんどい。
自分が評価を得てきたものを捨てなきゃいけない場面も出てくるんだもの。経験し身に着けた知識の中でちょっとずつ楽に生きられるようになってきたのに、また暗中模索から始めなきゃいけなくなるって、本当にしんどいこと。

外資系の日本法人で働くということは、顧客は大多数は日系企業だけど社内はグローバルの常識で回っている
どの部分をグローバル企業の日本法人として日本式で進めるべきで、どこから先はグローバルの常識でやらなきゃいけないか、という社内常識を学びなおさないといけない。自分が時に部下にこうしなさいと指導してきた内容を、ガラッと差し替えなきゃいけない。
自分の常識に固執せず受け入れ書き換えられる力、をアンラーニング力と表現しました。

ついでに言うと、日本式を「捨てる」わけではなく、それを理解し踏まえてビジネスできるから日本人の私たちが採用される価値があるのであって、それらを客観的に見て収益につながる合理的な理由を添えてグローバルを説得するという業務が上乗せされます。製品とかウェブサイトとかありとあらゆるもののローカライズを許可(=予算承認)してもらわないと仕事がしにくくて仕方がないので、日本式をきれいさっぱり捨てて、というわけにもいかず、板挟みになります。そこにもちょっとした覚悟は必要になってきます。

陽キャ力とアンラーニング力。うまく説明できたでしょうか。
どなたかの、外資系に挑戦する助走の助けになれることを願っています。

最後まで読んでくださってありがとうございました。
さあまた明日から、仕事がんばりましょう!おやすみなさい!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?