woolsan(詩のnote)

昔書いた詩と新しい詩を…

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最近の記事

ひだまりのわたし

カーテンからは6月の朝の光 まぶしい あたたかい うれしい きっと世界でいちばん新鮮な光 雨上がりの空からの贈り物 けんかしたことも 苦しかった夜も コナゴナ 溶けて流れていっちゃうような 光のカケラが窓から部屋に降りそそぐ 光のカケラがわたしのひざにも降りそそぐ わたしはひだまりの匂いをぎゅっと抱きしめた メールにのせて届けたいこんな朝 Do you remember me ?

    • ガラス越しの恋のようで

      きみの肩とすれ違うとき フローラの風が香った 小走りのきみ 振り向くきみ 揺れる髪と花束が 透明な風のプリズムの中で交錯する ・・・・ きみは手を振って 僕は少しわらって またひとつ僕の記憶の印画紙に きみが静かに焼き付けられる きみを見てると いつも 薄黄色のリボンの優しさで 愛を確かめるけど どこかガラス越しの恋のようで 五月の風のせつなさで もっともっときみを確かめたくなる

      • 夕暮れの空

        四月の夕空から舞い降りてきたような 優しいギターの音色に包まれて あなたの歌は私の耳に届きます ――憶えていますか あなたはいつも不思議そうな眼をして 少女のように小首をかしげて 私を見つめる その頬に陽だまりのような 優しい笑みをたたえて 私は思わずうつむいて 何か言おうとして 何も言えなくて ただ あなたの歌声に耳をすませた ――あの日の夕暮れの空は 影絵のような並木の向こうに 思い出の色でいつまでも優しく続いていた

        • 明日香へ

          あすか きみは風に舞う花 夢見る 虹の雫 春のまどろみの中で 黄昏の霧の中で きみを愛した つかまえたくて つかまえたくても きみは いつも僕の腕からすり抜けて 風のように きらめいて 少女の眼でみつめている 愛している なんて言ったら笑うかな 好きって言ったら ふーんて言いそな きみの頬に触れる指のやさしさで 春色の風もとまどっているよ

        ひだまりのわたし

          春は藍 春は麗

          春は藍。 雪解けの水 透き通る流れ 足先に触れる そのひやりとした冷たさに 早春の息はかおる。 春は藍。 移りゆく蒼い影 幻の笛の音 耳元にそっとふれては 去って行く そのこえに心を驚かす。 春は麗(うらら)。 水面に映る花の影 心に映る君の影 雪肌に添える小枝は薄紅 娘はいつも悪戯好き ――わたしを見ててね。

          春は藍 春は麗

          ふゆのひとひら

          きみのてのひらに  ひとひらのゆきのふる かぜのほころびに  ふゆのひのかけらがおどる

          ふゆのひとひら

          あなたは何を…

          憶えています あなたのことを マーケットからの帰り道 幼い弟を連れてあるいていたね 憶えています あなたのことを 誕生日に買ってもらった サッカーボールが大好きだったね 灰色にくすんだGazaの空 瓦礫の上に立てられた旗 硝煙と血の匂いのなかに 迷彩服のあなたを見つけた あなたは何をしているの 逃げ惑う人々に向ける銃口は 優しいあなたに似合わない 心を殺して従う指令は あなたの勇気に値しない ここはあなたがいる場所じゃない これはあなたがすることじゃない 戻ってお

          あなたは何を…

          冬の街角

          天使の囁きよりもひそやかに 歩道の黒い並木の間を 通りすぎてゆけたらいいのに 誰にも知られず 喫茶店の錆びた看板の上には灰色の空 人肌の温もり恋しい木枯らしの空 街角では誰もが寒さに身をすくめているけれど 十二月の冬の匂いはあたたかい わたしのちいさなため息は 白い小さな綿毛のように だれも知らない冬の空へと消えてゆく 通りを行き交う人々のマフラーのように ささやかな幸福(しあわせ)を纏ってわたしは歩く あなたが暮らすこの街で

          花の散る頃

          野ばらの花の散る頃に どうしてあなたはわたしを捨てた 思い出香る緑の丘で 秋桜の花の散る頃に どうしてあなたはわたしを捨てた 冷たい風の吹く朝に ただ一言も残さずに タンポポの花の散る頃に どうしてあなたはわたしを捨てた 風はあんなにまぶしくて 空はあんなに青かったのに アザミの花の散る頃に わたしの夢はあの日のままで どうしてあなたはわたしを捨てた

          タンポポの野原

          わたしはいつも泣いてる気がする 悲しいときも 嬉しいときも だけど 涙の雫は風に吹かれて どこか遠くへ帰ってゆきます タンポポの野原は 優しい日差しにあふれています わたしはちいさな丘に腰をおろして ひざの上のぬくもりを確かめながら いつまでも空を見つめていました かすかにきこえてくるうたに包まれて 毛布の中のびしょ濡れの仔猫のように 小さく震えながらも安らいでいるひとつのいのち わたしのなかでやさしくまどろんでいる

          タンポポの野原

          will

          ガラス越しにみつめてる きみの瞳は 冷たく燃える燐のよう ゆらめいて ゆらめいて 輝きながら 溶けながら 死にゆくような儚さで 僕の夢はもう醒めない 「ねぇ キスの温度よりも近づけたら 夢の向こうまで運んであげる」

          prism

          つめたい冬の朝 透明な空の下で なぜだかわからずに泣いていた 急ぎ足の人々は誰もわたしに気づかない わたしはずっとここにいるのに だけど あなたはわたしに気づいてくれた 路の片隅に咲くちいさな花をおしえてくれた そして 青いカンバスにわたしの姿を描いてくれた ・・・・ありがとう って言いたかったな せめて さよならだけでも・・

          こうしていると…

          かなしみのわけは いつも あわいゆめのかすかなにおい こうしていると きこえてくるのは こねこのなきごえ まいごのわたげのように かなしく やさしい こうしていると しあわせなのに わからないけど なみだがこぼれて・・

          こうしていると…

          ひだまりに寄せて

          どんな空白よりも きみのいない空間は大きすぎて 今日一日 何もすることがなくて 誰もいない部屋でテレビをつけていた カーテンの白い光に 君が口許に浮かべた かすかな笑みを思い出したりした 一人きりになるのが寂しい

          ひだまりに寄せて

          白い浜辺

          愛はいつでも無内容 言葉はいつもたわむれに 気持ちはいつもかりそめの 意味はいつでも交換可能 伝えたいことなんて 本当は何もなかったんだ きみの足跡に淡い波が打ち寄せる 眩しい日差しの白い浜辺のほかには何も・・・

          草原の風

          ごうごうと空が鳴り響いて 草原を風が吹きぬけてゆく  雲は何かに押されるように流れてゆく 空の青さの向こうに何があるのか 知りたかった ゆうべの風はどこへいったのか 知りたかった 遥かな気流が 私を呼んでる気がして 耳をたてたら 夏の訪れを知った