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冬の街角

天使の囁きよりもひそやかに
歩道の黒い並木の間を
通りすぎてゆけたらいいのに 誰にも知られず

喫茶店の錆びた看板の上には灰色の空
人肌の温もり恋しい木枯らしの空
街角では誰もが寒さに身をすくめているけれど
十二月の冬の匂いはあたたかい

わたしのちいさなため息は
白い小さな綿毛のように
だれも知らない冬の空へと消えてゆく

通りを行き交う人々のマフラーのように
ささやかな幸福(しあわせ)を纏ってわたしは歩く

あなたが暮らすこの街で