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家の地震対策、これからは耐震+制震の時代

みなさんこんにちは!
北陸での家づくり満足度を120%にするための研究所、ウッドリンク・ラボです。

さて今日は、地震のエネルギーを吸収する「制震装置」についてお話します。地震大国である日本で家を建てるなら、避けて通れないのが地震対策です。統計では、地球上で発生するマグニチュード6以上の大きな地震の約20%が日本で発生していると言われています。

そんな日本で家づくりをご検討中の方であれば、地震対策についてネット検索をしたことがあるのではないでしょうか。
検索すると「耐震」「制震」「免震」という言葉がセットで出てきますが、読んでも専門的なコトばかりが書いてあり、結局何が良いのかよく分からない!という方もおられると思います。

今回の記事を読んでいただくと「耐震+アルファ」の地震対策である制震とは何かが分かり、どの制振装置を選べばよいのかが分かります。本当に地震に強い家が作れるかどうかの重要なポイントとなりますので、ぜひ最後まで読んでいってください。

この記事の内容は動画でも紹介しています。よければご覧ください。


今回は「本当に地震に強い家を作る3つのポイント」についてお話しします。


1. 「耐震」「制震」「免震」はどう違う?

「耐震」「制震」「免震」についてそれぞれの特徴をご紹介します。

まずは「耐震」です。耐震とはその名の通り、地震の揺れに対して踏ん張って耐える工法です。

図4


建物の構造を強くし、大きな揺れを受けても倒壊しないようにします。倒壊しないように地震の力に突っ張って抵抗するため、建物の揺れそのものをやわらげる効果は、ほかの工法に比べると小さくなります。家の倒壊は防げても、建物内の家具が倒れてしまうといったことが起こる可能性があります。

次は「免震」です。
免震は、地震の揺れを建物に伝えないように地面と建物を切り離した工法です。

図6


基礎の部分と土台との間に免震装置を取り付けることで、建物に揺れが直接伝わらないようにします。大きな地震やその後の余震にも効果は高く、建物の揺れは少なくなります。建物そのものの損傷も少なく、室内の家具などの転倒も軽減できます。しかし導入金額が高く、メンテナンスも必要となります。また採用できる土地の条件が厳しいため、住宅ではあまり使われません。

最後に「制震」です。制震は、地震の揺れを制震ダンパーと言う装置で吸収して制御する工法です。

図9


柱や梁、壁などに制震ダンパーを取り付けることで、地震のエネルギーそのものを吸収します。「免震」との違いは、基礎と土台が固定されていることです。「免震」よりも効果が小さくなりますが、「耐震」よりも建物の損傷は少なくできます。台風などの強風で発生する揺れにも効果的で、コストも「免震」ほど掛かりません。また繰り返し余震が起こった場合にも効果を発揮します。効果とコスト面から考えて、これからの地震対策の主流になると思います。

このようにそれぞれ特徴がありますが、免震や制震を採用する場合でも大前提として「耐震性能を高くする」ということが必要です。
免震や制震で地震の揺れを小さくしても全く揺れないということはありません。そのため家の耐震性は絶対必要になります。

2.制振装置の種類を知ろう

制震装置にはどんな種類があるのか説明します。制震装置には大きく分けて3つの種類があります。それはオイル系、ゴム系、金属系です。

まずはオイル系です。オイル系は油の粘性を活用した制振装置です。シリンダ内にオイルを入れてピストン運動により揺れを吸収します。小さな揺れから大きな揺れまで効果を発揮するのが特徴です。しかし装置が小さく、1個当たりの効果が小さいため数多く設置する必要があり、コストアップにもなります。またオイル漏れの有無のメンテナンスが必要になるといったデメリットもあります。

図15

株式会社トキワシステム α Damper ExⅡ

つぎにゴム系です。ゴム系はゴム(樹脂)が伸縮する性能を活用した制振装置です。建物の変形をゴム(樹脂)に伝えて揺れを吸収します。繰り返し発生する地震に対して有効です。しかし温度に影響されるため、夏場と冬場で制震効果が2倍以上変わってしまいます。また温度影響から劣化も早いと言われています。

図16

株式会社アイ・エム・エー GVA

最後に金属系です。金属系は金属が曲がる力を活用した制振装置です。金属が曲がる力を熱エネルギーに変換し、揺れを吸収します。
金属だけのシンプルな構造であるため、メンテンナンスが不要で比較的安価に導入できます。また地震時には、ある程度の小さな揺れには耐震要素を発揮し、大きな揺れに対して変形が始まり制震効果を発揮します。しかし金属は何度も曲げるとエネルギーを吸収しなくなるので、大きな変形を繰り返すと破壊され、エネルギー吸収できなくなります。

図17

ウッドリンク株式会社 プレウォールTX

制震装置は明確な性能基準が無いうえに多くの製品があり、選ぶのに迷ってしまいますよね。各製品の実験結果からの性能やコスト、家全体の耐震性能から選ぶ必要があります。

3.コスパのいい制震装置


最後にどの制震装置を選ぶのが正解かについてお話しします。
先に結論から言います。北陸の気候風土にあった耐震工法であるプレウォール工法。このプレウォール工法専用に開発した金属系制震装置、プレウォールTXをお勧めします。


制震効果があるのはもちろんですが、1番のポイントは価格が安く、コストメリットがあることです。開発するにあたり、シンプルな構成とすることで低価格で制震効果を発揮することを実現しました。特殊形状の鋼製アームによる制震装置で、リスト部分が履歴ダンパーとなり建物の変形を軽減し、地震の揺れを吸収します。

こちらは、繰り返しの地震を想定した強度比較実験です。
一般的な筋かい工法と面材を貼った大壁合板工法とプレウォールTXとの比較実験です。同じ地震力を繰り返した後の変形量の違いです。

図20

図21


筋かい工法と大壁合板工法は、繰り返すたびに変形量が大きくなり、ともに8回目の繰り返しで抵抗できなくなりました。それと比較してプレウォールTXは10回目でも変形量が47mmと小さく、他工法と比較しても1/5~1/4の変形量で抑えられています。つまり優れた耐震性と制震効果を発揮し、繰り返しの地震に対して効果を発揮していると言えます。

さらに制振装置は、種類によって設置する枚数や場所が異なります。そのため外壁に厚みのある制振装置を設置すると、断熱材が欠き取られたり、押しつぶされたりして、断熱性能を100%発揮できなくなるものもあります。その点もプレウォールTXは、壁パネルの内部空間に入る設計となっているため、断熱材を欠き取ることなく設置することが可能です。

図22


また、工場でパネルに組み込んで現場に搬入しますので、現場での取付位置間違いや取り付け方法の間違いも防ぐことができ、設計通りの性能を100%発揮できる仕組みとなっています。

以上の理由から北陸にあった耐震性を持つプレウォール工法にプラスすることで、さらに地震の揺れを抑制し、繰り返し発生する大地震から家族と家を守ることができます。しかも低価格でコストメリットもある制振装置です。北陸での地震対策にプラスアルファの制振装置にはプレウォールTXを使うことをお勧めします。

まとめ


地震から家を守る方法には、耐震、制震、免震の3つがあります。
住宅では耐震のみとする事が一般的ですが、耐震+制震とする事で、プラスアルファの地震対策が可能です。制震とは、地震の揺れを制震ダンパーと言う装置で吸収して制御する工法です。柱や梁、壁などに制震ダンパーを取り付けることで、地震のエネルギーそのものを吸収します。


使う制振装置には、プレウォールTXをお勧めします。プレウォール工法専用に開発したプレウォールTXは、特殊形状の鋼製アームによる制振装置です。地震の揺れを50%以上低減することが可能で、繰り返し発生する地震にも効果を発揮します。断熱材をかき取ったり、押しつぶしたりせず、断熱性能を100%発揮できる制震装置は、他にはありません。しかも低価格でコストメリットもあります。

プレウォール工法の強さの秘密やプレウォールTXの制震効果についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひウッドリンク・ラボにお越しください。またプレウォール工法と筋かい工法のどちらかが壊れるまで引っ張りあった、大迫力の実験動画もご覧ください。


ウッドリンク・ラボについて

ウッドリンク・ラボは、体感・体験型の住まいのショールームです。家を建てる前に知っておきたい「北陸ならではの家づくりのコツ」を楽しく学ぶことができます。ぜひ、ご家族お揃いでお越しください。

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