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ことば遊びとショートショート16『ツナマヨ』

『ツナマヨのおにぎりの都市伝説』

 ダチがいっていたな。

『おにぎりの包装フィルムをうまくとれない時ってあるだろ?特にツナマヨは気をつけろ。入口を探しているうちに、迷宮にマヨいこんじまうらしいぜ。そこには、恐ろしい化物が』

 嘘臭ぇと思ったけど、血生臭ぇこの場所。マジかよ。

 悲鳴がきこえた。

「助けて!」

 女が走ってくる。

「頭が鮪で、体が人の……」

 女が倒れた。背後にその化物がいた。手には刀。

「ひっ」

 ツナツナツナ。

 不気味に笑い、フレーク状にブレイクした女をボウルに入れ、たっぷりのマヨネーズで和えている。何かを俺の方に投げてきた。目玉だ。死んだ魚のような目。

「魚の目玉好きだろ?お前ら」

 俺は必死に逃げた。鮪人も止まらない。

 コンベアを発見した。ツナマヨのおにぎりが流れていた。

 直感で外へツナがっている気がして、飛び乗る!

 光だ!もうちょっ



「ママ!このツナマヨ、赤い。鮭マヨかな?」

 (了)

【雑記16】

 『ツナマヨ』という語感が好きだ。

 ツナマヨの美味さについてはわざわざ自分が語るまでもないと思う。

 『シーチキンマヨネーズ』略して『シーマヨ』ではだいぶ違う(というか聞いたことない)。マヨの可愛らしさがその要因かもしれないが、『明太マヨ』や『鮭マヨ』だと少し違う。『エビマヨ』は結構、好き。もはや響きの好みかも。

 そもそも、どういうところからこういう略称の語感を気にするようになったのか考えてみると、バンド名かもしれない。

 自分が音楽を聴いて影響を受けてきたところだと『ASIAN KUNG-FU GENERATION』略して『アジカン』、『GOING STEADY』略して『ゴイステ』、『JUDY AND MARY』略して『ジュディマリ』と数え切れないほどのバンドとその略称があるが、しっくりくるバンド名の略称への強い憧れなのかもしれない。

 日常生活でも、ある程度の長さを持つ名前を見ると、咄嗟に略したくなる。
 そして、しっくりくる語感を探している。

 おそらくこれに似た症状を総じて『ツナマヨシンドローム』略して『シナシン』と呼ぶか『ツナドロ』と呼ぶか、と書きながら考えている。

 今日のショートショートは、物語のアルバム作りに挑戦したショートショートの1st Album『ワンダーメーカー』収録、7曲目『ツナマヨ』でした。
 昨日の6曲目『スペースオケラ』はこちら

 
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