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夢の型を外した日 │ 夢とかやりたいことってなんだ?第2回

パナソニックのオウンドメディアq&dで「夢」「やりたいこと」についてのモヤモヤを対話していく記事を書きました。

執筆してみて、「夢」や「やりたいこと」について、もっといろんな人と対話してみたいという思いが強まりました。対話のきっかけとして、記事では書ききれなかった私の想いをnoteで書き記しています。

第一回として、私が夢について悩んできた「モヤモヤの歴史」を書いて振り返っていたのですが、モヤモヤしていた中でも「なんか、夢の考え方にとらわれてたかも」と気付いたときがあります。

第二回では、私が夢についてのとらえ方を変えたときのことを「夢の型を外した日」として、言葉にしてみようと思います。

「仕事につながるものでないと、将来の夢とは言えないのかもしれない。それなら、私のやりたいことは夢ではないのかも。」振り返ってみると、そう考えた当時の私は、2つのに型に囚われていたように感じます。

「夢を持たないといけない」という型

私の一つ目のモヤモヤは「夢は持たないといけないのか」ということ。

そんな違和感を抱えながら参加したのが、神戸市が過去に開催していた神戸アドバンスド・キャリアデザイン・プログラム(現在は同プログラムは開催されていません)。
夢を明確な「設計図」として描き切るプログラムとして募集されていたのを見て、ここでなら自分のやりたいこと、好きなことで生きていくためにどうすればいいのかしっかり考えられると感じ、参加を決めました。

出典:https://www.src-japan.net/news/detail/135/

プログラム中に気付いたのは、「夢のタイプはいろいろあること」。ある回で印象的だったのが、夢に向かって進むタイプには大きく2つあるという話。

山登り型:目標を明確に持っていて、そこに至るための道筋を細かくブレークダウンして、PDCAを回しながら目指していく人
波乗り型:目標は漠然としているけれど、目の前で起こることをその瞬間のたびに直感をもとに選び、臨機応変に進んでいく人

この考えを知って初めて、「夢となる目標は必ずしもなくてもいいのか」と気付きました。どちらのタイプなのかは、参加者の中でもかなり分かれていたように思います。

夢を語るとき、明確な目標を持たない「波乗り型」はお手本にされにくいように感じます。でも実際はこの進み方をする人も多い。夢を持たずに進む生き方もあってよかったんだ、と気付かされました。

自分の未来のありたい姿を考えることはあっても、目標を明確に持つこと自体はマストではない生き方のタイプの差ととらえてみることで、心のモヤモヤが少し晴れた気がしました。

「夢=職業名」の型

二つ目のモヤモヤは、将来の夢は職業や仕事につなげないといけないということ。

この違和感に気づいたのは、SNSでの知人の投稿がきっかけ。それは街頭に立って道ゆく若者に「あなたは将来の夢がありますか?」と聞いて、ボードにシールを貼ってもらうというもの。

結果は「ない」の方が多く、「ある」と答えた人はその内容を「看護師」「先生」などと書いていました。それを見てふと、なぜ職業名ばかりなんだろう?と疑問に思いました。

SNSで見た投稿のイメージ

夢が職業で固定されてしまったら、私の夢はないことになってしまう。この捉え方が普通なんだとこの時までは感じていました。でももしかしたら「普通」と思っていたものは、全然そうじゃないかもしれない。

そうした思いが頭から離れず、卒業旅行で訪れた海外の国(アメリカ/サンフランシスコ、ペルー/リマ)で同じようなリサーチを現地の友達に対してやってみることにしました。

アメリカ、ペルーに持っていったスケッチブック

スケッチブックを片手に、 "Do you have a dream for the future?" と聞くと、大多数から返ってきたのは "Yes!" の即答。私が聞いた友人は、全員が「夢がある」と答えました。

「はい」「いいえ・わからない」でシールを貼ってもらって、その詳細を記入してもらいました

どんな夢か聞いてみると、「お金持ちになりたい」「幸せになりたい」などの、さまざまな答えがどんどん返ってきます。

「夢 / Dream」という単語の、言語による捉え方の違いもあるかもしれませんが、夢=職業名でなければならないような縛りは、彼らに聞いてみても特にありませんでした。

Noの欄が埋め尽くされるぐらいに、あらゆる大きさ、レベル感の「夢」が書き足されていった

自分は何をそんなに職業名に囚われていたんだろう。目から鱗が落ちる思いで、友人の夢を聞いていました。ただ幸せになりたいとか、そういうものも夢と言っていい。

印象的だったのは、獣医学を勉強していた友人の回答。てっきり「獣医になりたい」と答えるのかと思っていましたが、「動物を助けること。そして、動物をお世話するための、人々の理解を助けること」といった、動詞で夢を掲げていたことがとても意外でした。

獣医になることがゴールではなく、仕事を通してその先の目的を達成することが夢。その職業になって終わり、ではなく自分がどうありたいか、何のために働くのか、彼女の答えからはその価値観まで見えるような気がしました。

この息苦しさは、夢の「型」が合っていないからだったのかも

アドバンストキャリアデザインプログラムと「夢」のリサーチを経て、私は世間で一般的とされている夢の型が、自分には合わないのかもしれないという結論に至りました。

新しい夢の捉え方に出会ったことで、無理に焦って「明確な目標」や「職業・仕事」を見つけなくてもよいと思えるようになりました。代わりに、元々感じていた「0→1で新しいものを作り出すこと」

最近ようやく、「夢組と叶え組」や「ドリームハラスメント」という考え方が世の中に出てきて、新しい夢の切り口が増えてきたと感じます。

夢を持てないことは課題ではない。世間の求めるような「夢」が言えなくてもいい。
「夢」の型をこうだと決めつけるのではなく、夢のあり方の多様性というのか、それぞれに合った夢観を考え、見つけていければ、より自分らしい生き方に出会えるのかもしれません。

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