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『REAPPRAISAL』でいろいろ再評価

全く、世の中のニュースっていうのは毎日毎日辛いものばかり。ニュースっていうもの自体が、そういう内容にフォーカスする特性があるからかな。報道そのものが、世の中への問題提起が主要な意義だからこそ、なんだろうけど。なんか、それだけじゃない気もするんだよなあ。

…なんてことを思わない年は、ニュースがわかる年齢になって以降、見事に一度もありません。

以前に紹介したこちら、内田舞さん著『ソーシャルジャスティス 小児精神科医、社会を診る』

これは、そんな社会問題が自分事として繋がることに気付き、問題と関わるにあたって心を守る重要性に気付き、各人が自分の頭で考え行動することの大切さに気付き。。。という、熱い熱い、しかしじんわりした温もりもある、一言で言えば「気付きの書」という感じでした。(本当は一言じゃ言い切れないのでぜひ読んでみてほしいところ)

今回、内田さん単独では2冊目の著書が出ていたので、読んでみました。

『REAPPRAISAL(リアプレイザル) 不安や恐怖を和らげる方法』- 著者:内田舞さん


ライトグリーンがお好き?

『ソーシャルジャスティス』も優しいグリーンが新書にしては珍しいトーンで印象的だったけれど、今回の『REAPPRAISAL』も青緑系で統一されていました。あ、たまたま絵柄がイメージに合うので使わせていただいたこの記事の見出し画像も、同系色ですね。

今回はいわゆる某ティ○ニー・ブルーとほぼ同じ感じかな?え、もしや、某ティ○ニーと提携されて…!?は、いないか。優しげで爽やかで良き良きです。

Reappraisal(再評価)を改めて学ぶ

前著でもわかりやすく紹介されていた"Reappraisal"、日本語で言えば"再評価"、本書では主にこれに焦点を当てて、より詳しく豊富な実例も伴って記されていました。

さて再評価とは。。。

ある出来事に対してネガティブな感情が湧き出たときに一度立ち止まって、その感情や、その感情の前後にあるものを再度評価すること。
(中略)
べつの言い方をすると、「再評価」は、ネガティブな感情が生まれた背景にはどのような考えがあって、その考えはどのように構築されたのだろうか、と見つめ直す思考過程のことです。

P.3「まえがき」より

この、一見すると些細な一手間に聞こえるような試みが、いかにメチャクチャ大切なことなのか、本書を読むとさらにさらによく分かります。

何も、マクロ的な社会問題に対峙する時に限りません。もっと身近なこと。例えば、家族や友人や顧客など、周りの人の発言や行動に対してネガティブな感情が生まれた時。これに対してどう反応しどう行動するか。ちょっとワンクッション置いて軌道修正できるかどうかで、その後の自分や相手の幸せ度合いがガラッと変わる。

これがアタマでは分かっていて簡単そうに思えても、いざとなるといかに難しいかって…!!

こちらの本でも以前読んだように、人間の脳なんてものは感情に簡単に乗っ取られるわコントロールされるわ、もうボッコボコにやられ放題なわけです。

この佐渡島さん石川さんの著書では「まずは感情を知るために感情の解像度を上げる」ことの重要性やその方法について記されていました。

内田さんの今回の本では、その感情がなぜ生まれるか、どう分類するか、そして心のレジリエンス(一般的な翻訳だと「回復力」とか「耐久力」とか)を付けていくか。その辺りの流れや仕組みを、脳科学的生物学的な見地からも説明されていました。

ん!?待って。ほら、きたよ!スーさん堀井さん、互助会員の皆さん!
レジリエンス!!!!!
(すみませんちょっと言ってみたかったの)

(↑あ、ちなみにこの記事書いた時はまだ聴き始めだったから知らなかったけれど、男性互助会員さんも結構たくさんいらっしゃるようですね!私の友人も夫婦でハマっている模様だし)

相変わらず炎上だらけの世の中で

お店の杜撰な販売体制が発覚。有名人のとんでもない失言。職務中の不正行為。もちろん、どれもこれも、本来絶対にあってはいけないこと。それでも起きてしまったことについては、体制の是正、個人の学習と反省、再発防止のための周知などなど、色々必要でしょう。
でもそれは、当事者に脅迫や○人予告をして良い理由には、、、ならないよね?

いやそれどころか、明らかな不正や犯罪をするどころか、真っ当に生きているだけの人にも、炎上はいつ起こるか分からない。誰がどんな風に暮らしていても、何を公表しても、全方位を見渡せば必ずと言っていいほど、どこかの方面からは誹謗中傷や批判が生じる世の中。あぁ、なんて世知辛い。

そんな世の中の真っ只中を生きているのだから、社会問題を考える以前に、まずは自分の心の健康を守ることも、いかに大切か。心のレジリエンスを知り、それを育むこと。そんなことも学べる本でした。(うーん、レジリエンスを学ぶ必要度が異常に高い炎上だらけの世の中であることが、既に社会問題でもある、か。)

ひとつひとつ、深刻になりすぎず、でも、自分ごととしてじっくり読んでみるのがオススメです。


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