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#63 本番を終えて見える景色'23(小学校受験)[無料公開中]

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 新年早々に大変なことばかり起きてます。お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。合わせて、救助・支援・復旧にご尽力頂いている皆様には、心より感謝申し上げます。

 昨年は11月下旬に配信した本シリーズですが、アプリ開発の追い込みにより、年明けの配信となったことをお詫び申し上げます。
 データ検証は別の記事にてしっかり行なって参ります。本noteでは、先の23年秋の受験期を振り返り、小学校受験のリアルや不変性などの気付きに役立てて頂ければと思います。

 22年版に引き続き、皆様のポストや個別にお寄せ頂いた情報をベースとしております。多数のお便りも誠にありがとうございました。

※22年版はこちら

※渾身のアプリです。まだの方は是非インストールどうぞ!


■はじめに

 22年は「多様性」と表現しましたが、23年の受験を一言で振り返るなら「リアタイ」でしょう。いわゆるリアルタイム報告です。これは受験結果のみならず、様々な場面で見られました。
 リアタイについては議論が飛び交うところですが、匿名のSNSですから、「嫌なら見ない」が正解なのだと思います。早めの防衛を講じましょう。

 いずれにしても、昨年以上に小学校受験家庭の価値観の広がりを感じる受験でした。この保護者層の変化は、今後の私立小学校の変化とも言えます。伝統的価値観からすれば違和感があるかもしれませんが、誰もが最初は新参者です。何より学校がそれを受け入れていることを理解しましょう。

 一方で、新しい保護者層が感じた志望校の魅力は、先人によって築かれたものです。自分たちに都合の悪い部分だけを否定するのはどうかと思います。入学後見えてくるものもあるでしょう。安易な思い込みや発言は控えておきましょう。大事なのは、今後はお互いが尊敬しあって、新しい伝統を築いていくことなのですから。

■考査について

・行動観察重視

 数年前の暁星のように、行動観察の比重が増えた印象です。学力重視最有力の洗足学園の両親面談がなくなり、二次考査でも行動観察を実施したのは象徴的です。

 これは、第一に受験家庭の多様性の受け入れと、入学後の円滑な学校運営の両立があるでしょう。あまり表には出て来ませんが、ここ数年の価値観の多様性は、学園運営に新たな混乱を招いていることも事実です。
 第二に、現在地(受験時の学力)と伸び代のバランスの変化でしょう。5歳・6歳児が対象の小学校受験において、現在地だけで6年後、12年後の学力を図るのは困難です。つまり、伸び代の見極めの比重が重くなったと考えるのが自然です。
 その伸び代を測るのが、「話を聞く態度」「ペーパーに取り組む姿勢」「協調性」などのいわゆる所作や性格であり、それらが最も顕著に現れるのが行動観察となります。
 某校の一次考査はペーパーだけなのに、先生がボード持ってうろうろしているのも、カンニング防止だけが理由じゃないと思います。

※まさに大岡理事も行動観察に言及してました。

・ペーパーが拍子抜け

 毎年言われることですが、「あれだけの量のペーパーをやったのに、出たのはほんの僅か」と、幼い我が子と必死に取り組んだペーパー学習の量を振り返るれば、ため息もつきたくなります。ただ、皆さまがくぐり抜けて来たように、範囲が広大な試験の本番はそんなものです。
 一方で、お子様への負荷を考えると、志望校に合った適切なペーパー学習で我慢することも必要です。「ウチのペーパーをやっておけばどこを受けても大丈夫」とは某教室代表の定番のセリフですが、まあやっぱり考え方は逆でしょう。
 急がば回れでも、ある程度の志望校を検討してから、どういった学習をしていくのか、どの教室にするのかを検討するのが、結果近道だと思います。

※「急がば回れ」を図解してます。

・自動車送迎

 電車通学の生徒が多い私立小学校も、学校周辺の地域の理解や支えがあってこその学校運営です。
 「住民の皆様のご迷惑になるので車での来校は厳禁」との学校の注意は、受験家庭の公共性を問うているのでなく、円滑な学校運営のための注意です。「面接は電車で来たことにして乗り切れば大丈夫かな?」は、考え方が根本的に違います。

 問題は、ギリギリのダブルヘッダーに挑むご家庭でしょう。タクシーや自家用車で次の学校に向かわなければ間に合わない時もあります。どうしてもの場合に限りますが、その際は、自家用車の場合は下見をしておいて、必ずコインパーキングを使用しましょう。タクシーの場合は、それなりの幹線道路などの常識的な場所から乗り込みましょう。

 さて、本件が話題になったのは別の要素もありました。24年以降の親御さんが下見に行き、タクシー横付けの受験家庭についてポストしたことです。事前に下見に赴く行動力は素晴らしいですが、他山の石とすれば良いだけで、ダブルヘッダーに挑むかもしれないご家庭に不安感を与える必要は無かったかもしれません(校門横付けは論外ですが)。

■お教室について

・教室からの推薦

 23年はリアタイ以外にも受験家庭を惑わせるポストが目立ちました。その一つが、お受験の闇に突然触れるポストです。
 元ツイ(元ポスト?)は分かりませんが、直前期に突如として教室からの推薦の有無が話題になりました。
 狼侍の私見はコラムで配信しましたが、いずれにしても合否を決定するものではありませんし、入門編を中心にお伝えしているお受験の本質をご理解頂いていれば、決して恐れるに足りません
 そもそも、そのようなお受験の闇が、SNSで解決できるはずもありません。悪気があるのか無いのか分かりませんが、時期を憚らずそのようなポストとするアカウントは、また直前期に爆弾を落とす可能性があります。火元が分かれば、早めに防衛をした方が良いかもしれません。

※推薦がどれくらいの下駄になるのか。

・模試の順位は当てにならない

 こちらも本番が終わると実感を込めて散見される感想ですが、今回は「模試でトップクラスだったのになぜ…」の嘆きに多くの方が反応したようです。
 残念ながら、この事象については初期のnoteにて綴っております。一言で言えば下図の通り、「模試で判定されるのは先端の本人の部分のみ」であることが理由です。さらに言えば、その本人の判定すら実際の考査と比較すればほんの一部です。
 決してお子様が本番で力を発揮できなかったとか、親が失敗したなどと思わないで下さい。全てはこの三角形「全体」の相性です。

・服装

 お受験の戦闘服である紺服についても、終わってみての意見を見掛けました。そもそも、学校に赴く時以外に紺服を着る理由をご理解頂いてますでしょうか。
 その理由は、「親が紺服を着ている時は、いつもよりちゃんとする日」との意識付けです。「ちゃんとする」は定義が曖昧ですが、ニュアンスはお分かり頂けるかと思います。
 その意味では、一般的には模試以上が紺服なら十分でしょう。毎回の教室通いに、きっちり紺服である必要はありません。
 ただし、古今東西、先生に対しての礼儀は必要です。我が子が指導を受けるのに、短パンのお父様は論外ですし、ジーンズも避けましょう。
 先生は親の服装でお子様への指導に差はつけません。しかし、その佇まいから親の資質は評価されています。今後の親の指導(願書・面接)において、その期待値が低くなることは否めないでしょう。

・出願状況(100名減少)

 この話題を、なぜ教室のカテゴリーに入れたかと言えば、この第一報が吉祥寺を本拠とする某教室代表からの速報ポストからもたらされたからです。

 狼侍の私見は上記ポストの通りですが、知名度ある教室代表がXでこのようなポストをすること自体が興味深いです。インターネットでの情報の流通が、既存の受験産業も看過できなくなってきている証左でしょう。
 なお、当該代表については集客を睨んだポストが散見されますが、複数の内部情報もお寄せ頂いております。折を見て「#30 お教室を紐解く」もアップデートしたいと思ってます。

■志望校選び、出願戦略について

・埼玉、神奈川校の本命志望の増加

 昨年以上に埼玉・神奈川校への志望度の高さが窺えるポストが多かったように見えました。この辺は、今後倍率の検証などで明らかになるでしょう。
 これまで「練習校」や「都内の併願校」と位置付けられがちだった、同エリアの学校に対するポジティブな発言が増えたことは、小学校受験(初等教育)の本質を見極めるご家庭が増加したと捉えて良いと思います。
 受験産業はこの流れをしっかり見極める必要があるでしょう。

※手前味噌ですが、読み返すと「いいこと書いているな」と感じるnoteがあります。こちらもその一つでした。

・考査日が被った

 22年秋では「出願戦略の徹底により出願被りが減ったようだ」と書いたのですが、今年は一転して出願被りのポストが相次ぎました
 特に多かったのは、10月の神奈川校の考査と都内校の事前面談の日程被りと、都内男子の考査の日程被りです。
 前者は比較的面談範囲は広いにも関わらずの日程被りですので、運が悪かったとしか言いようがありませんが、ここでも神奈川校への志望度の高さが見てとれます。
 後者については、コロナ明けによる考査時間の変化(一組あたりの考査時間の拡大)があるかもしれません。24年以降のご家庭は、大手教室の考査時間レポートをしっかりと入手して、出願の際のシミュレーションに繋げて下さい。

※9月のポストです。予言してましたね…。

・中学受験回避

 公立小学校回避と中学受験回避。似ていますが両者はだいぶ異なっていて、どちらかと言えば前者は伝統的家庭の本音、後者は新規お受験層の小学校受験の動機と言えるでしょう。

 これだけ中学受験が過熱している状況では、教育へのアンテナの高い、共働き家庭を中心とした高学歴・経済力のあるご家庭が小学校受験に辿り着くのは時間の問題でした。冒頭の「新しい価値観の層」を形成するのが主にこのご家庭となります。中学受験偏差値に準ずるような受験倍率の上昇はご存知の通りです。

 一方で、中学受験もゲームチェンジが始まっている気配です。低学年からのSAPIXの席取りが不要になりそうなのは大きな象徴でしょう。
 そうなると、中学受験回避からの流入が今後どうなるかが興味深いところです。元々、学力思考と私立小学校の相性は良くありません。小学校受験で気付きを得た体験学習や家族の時間を大切にしながら着実に進めば、既存の中学受験層とは異なる歩みが見られるはずです。
 個人的には、速報値での出願倍率の低下はこの辺りにもヒントがある気がしております。今後の検証をお待ち下さい。

※24年12月26日現在、募集停止は白金高輪の新3.4年生のみ

・親の志望校と子どもの志望校

 アレルギーゆえにお弁当の学校を志望しているご家庭で、お子様が「給食の学校がいい!」と言っても決断は難しいでしょう。大学受験はさせたい教育方針のご家庭で、「こないだの大学生のお兄さんがいた学校がいい!」と言われても、それもまた意思決定には直結しないでしょう。
 何なら、小学校入学後に「ぼくは英語嫌いだから勉強しない」と言っても、それをお子様の希望だからと簡単には取り下げたりはしないはずです。
 当たり前ですが、自分で物事を判断できる年齢でないから親が判断するのであり、親御さんも迷いのない判断なら「子どもの希望」は持ち出しません

 小学校受験での「子どもの志望校」とは、迷っている親御さんのもう一人の姿なのだと思います。迷うことは仕方ありません。教育に正解は見えませんから。
 ただ、いつかどこかの場面で、それを「あなたが行きたいって言った学校でしょ」とだけは言わないようにお願いします。少なくとも、中学受験までの決断は親の覚悟ではないでしょうか。

 確かにお子様の直感も重要です。「この学校なんか良い(嫌だ)」も、しっかりと絞り込みの要素に入れておきましょう。一方で、5歳・6歳児が言う「この学校の〇〇が好き」は、数年後にはすっかり忘れていたりします。
 繰り返しですが、志望動機とは「今の姿でなく、将来の姿」です。迷いを受け入れて大いに悩みましょう。

※このnoteも、偉そうですがなかなか痛いところを突いております。

・「出願なくしてご縁なし」と「受けない勇気」

 22年から激減した「志望度の低い併願校の出願が面倒」との嘆きは、23年も引き続き影を潜め、むしろ日程被りを見込んで多くの出願をしたとポストを多数見掛けました。
 ややもすると「節操がない」と揶揄されがちな多数出願ですが、日程が被ってしまって受験できなければ本当に元も子もありません。志望度の低い学校も、それなりのテクニックで願書は十分に組み立てられます。

 一方で矛盾する話ですが、「受けない勇気」も必要です。23年全体の傾向として、ご家庭の志望が明確になって来たと感じますが、出願にもその影響はあるように思えます。すなわち、「合格して悩む可能性があるなら受けない」覚悟です。
 Xでの出願数アンケートを22年に実施してなかったのが悔やまれますが、もしかしたら、今年の一家庭あたりの出願数は減っているかもしれません
 速報値で出願数が減っている要因は、こちらも作用しているかもしれません。

■願書・面接について

・備考欄の話題

 こちらも突如タイムラインを賑わせたテーマでした。それも9月下旬、もはや出願済みだったり清書も終わらせた頃だったりと、困惑したご家庭も多かったかもしれません。
 ただし、こちらについても、小学校受験にて属性を伝える意義をご理解頂けていれば、動揺する話題ではなかったかと思います。
 これまで何度もお伝えしていたテーマですが、メンバーの方には改めてコラムにて配信させて頂きました。
 それにしても、昨今のX(Twitter)は匂わせ的な投稿も随分と増えました。 SNSで情報収集は、これまで以上に惑わされないメンタルをもって臨む時代になってきたように感じます。

・親の受験

 模試の話の続きになりますが、親が子供の仕上がりに一喜一憂してしまうのは、やはり受験産業のミスリードにあると言っても過言ではないでしょう。
 以前より願書や面接対策も手厚くなっているようですが、それでもおまけの印象は拭えません。小学校受験が家庭とお子様の両輪の考査であることは、もっと周知されて然るべきだと思います。
 下図も初期のnoteにて用意したものです。

 小学校受験の「親の受験」とは、単に親のサポートが必須なことを意味するのではありません。親自身が合否の対象となる受験なのです。
 そもそも私学は、それぞれの教育方針が独自であるのが特色ですから、ご家庭の教育方針への理解は不可欠です。合わせて、子供の伸び代を図る上でも、親の教育観を学校は見極めたいと思ってます。
 もうそろそろ、受験産業の皆様は、はっきり言って頂きたいと思います。島村先生だけが属性を語るのは少々おかしい構図ではないでしょうか。

※上記と合わせてセットでご覧下さい。

・願書の内容は聞かれない?

 願書で聞かれていることも面接で聞かれることも、突き詰めれば「身元確認」「志望動機」「教育方針」のいずれかです。つまり、設問が異なるだけで聞かれていることは同じです。
 願書には「当校に期待することをお書き下さい」とあり、面接では「当校を知ったきっかけは何ですか」と聞かれるから戸惑いますが、聞いていることはどちらも「志望動機」です。
 さらに言うなら、やっぱり面接は願書がベースです。例えば、願書から読み取り、「通学に時間が掛かるようですが」「共働きのようですが」など、志望家庭のウィークポイントを攻められたと思いたくもなる質問が飛んでくることもあります。それらも原則は上記3点についてであり、それ以外は純粋に心配していることがほとんどです。
 本番の面接は、想定を超える聞き方をされる時が多いです。決して慌てないようにしましょう。

※多くのお父様が読んで覚醒したと言われるnoteがこちらです。

■学校について

・11月前半での終了報告

 こちらも今年の特色でした。埼玉・神奈川校の本命家庭が増えたのと同様、まだまだ大学附属校の考査が残る中で、女子校志望家庭を中心に11月初旬のお受験終了宣言も目立ちました。まだ大学附属の結果がほとんど出てない時期です。
 総じて言えるのは、各ご家庭から、それぞれの進路への強い意志を感じることです。中学受験回避の偏差値志向もあり、早慶附属を中心に回っていた小学校受験ですが、その波の変化が感じ取れます。

・共働きは不利論

 結論から言えば関係ありません。本件については、該当するご家庭の一部が過剰反応しているように感じます。
 例えば、共働き家庭に対する「放課後はどうされますか?」の質問。「やっっぱり来た!」と身構えがちですが、学校は安全面を純粋に心配してます。もう一つはお子様へのメンタルのフォローについてですが、詳しくは下記noteをご覧下さい。

 また、附属幼稚園に対する「共働き家庭に否定的だ」とのご意見もちょっと違和感があります。
 第一に、現在は多くの附属園がアフタースクールを開校しており、共働き家庭への配慮は見られます。
 第二に、そういった対応のない旧態然とした附属園もありますが、それはその教育方針であるとしか言いようがありません。
 原則として私学は多様な教育方針があることが存在価値であり、その教育方針に賛同するご家庭が門を叩く場所です。共働き家庭のために保育園があるのなら、専業主婦(主夫)家庭でそれを望む家庭のために保育時間の短い幼稚園もあるでしょう。
 ご自身が望む環境の附属園が、専業家庭でないと対応できないような運営方針だからと言って、「時代遅れ」と叫ぶのはちょっと筋違いかと思います。

※お母様に対する仕事の質問が重なるのはなぜか。その答えもこちらに。

・光塩女子幼稚園の話題

 幼稚園の実名を上げて不満を吐き出しているブログがシェアされて少し話題になりました。まあインターエデュを見れば、各学園の悪口はそれなりに散見されますから、特に驚く話ではありません。ブログだと発信者の特定リスクは高まりますが、匿名ですからエデュの発言と大差ありません
 さて、ブログで発信することの良し悪しは置いといて、これをもって「お受験の世界は信じられない」「附属園怖い」、ましてや光塩女子幼稚園に対して先入観を持つのは早計でしょう。
 むしろはっきりしてよかったと思います。だから「お受験は相性」なのです。相性が悪かったご家庭からしてみれば、苦痛以外の何者でもないでしょう。それが私学を選ぶリスクなのです。

 また、年末のポストに白百合幼稚園の写真の話題もありました。あれを見て、違和感を抱くどころか、心落ち着くご家庭もいらっしゃいます。カトリック女子校を少しでも知る方なら、軍隊のような規律が無いこともご存知です。
 いずれにしても、違和感は個々の価値観ですからあって然るべきです。別の教育方針の私学をご覧頂くのがよろしいでしょう。

・在校生家庭からのヒアリング

 この話題はお受験終了後でしたかね。話題を見た瞬間にこのnoteを思い出しました。私立小学校出身者の比率を全体の1%とすると、確率的に言うなら、10人の身近な人にさらに10人当たってもらえば、何かしら私立小学校に縁のある方に辿り着く可能性はあるでしょう。
 ここでのポイントは二つです。一つは、周囲にお受験に挑むことを言うか否か。これは下記noteをご覧下さい。もう一つは、志望校に拘らず、「私立小学校の保護者」と網を広げることです。
 ご存知の通り、私立小学校に関わる方はその周囲にも同様の方は多いです。まずはお一人です。そこから志望校に広げて行きましょう。

■家族について

・成長を見せるパパと相変わらずのパパ

 22年よりも、お父様を称賛するポストが増えたように思えました。「noteのおかげで夫が覚醒しました!」との嬉しいご報告も頂くなど、お父様の成長は何よりです。
 と感動した矢先に、ユンボが登場しそうになるなど(お受験クラスタでは、お父様がやらかすと「埋めたい」との発言の流れでユンボが登場します。)、まだまだ前途多難のようです。

使いやすい!小型ユンボ
「Komatsu」HPより

 また、お父様のお受験アカウントも増えました。いろいろ思うところはありますが、一つだけお伝えするなら、「匂わせない、ドヤらない」を徹底されるとよろしいのではないかと思います。

・相変わらず子は尊い

 それに比べて、お子様は常に尊いです。グズグズする時も、反抗とは別の話。気分がのらないだけです。本人もコントロールできません。
 タイムラインに溢れたのは、「考査と共に成長を実感」「母を励ます子」「考査で成長した姿」「なぜそんなにフィードバックできる」「早生まれでも戦い切った」などなど。ただただ、親を信じて親に従うお子様。キラキラした目で考査に行ってきます、ただいまと帰ってくる姿が目に浮かぶようでした。。

 子供の成長はあっと言う間ですから、是非目に焼き付けておいて下さい。このかけがえのない時間、今そこにいてくれる存在だけで、小学校受験の結果など小さなことだと思います。
 彼らの人生は始まったばかり。小学校などで人生は決まりませんし、そもそも今後は親の思い通りの人生にはならないでしょう。
 今だけの、この瞬間を大切にお過ごし下さい。

■'23受験総括

・お受験は何のため?

 お教室移動の最中に、身を潜めながら軽食を食べさせた出来事からお嬢様への想いを綴られたポストを拝見しました。
 「一体何をやっているのだろう?」「我が子にこんなコソコソさせるお受験は本当に正しいのだろうか?」そんなお母様の葛藤をよそに、お嬢様はただただ親を信じて従う…(あくまで狼侍の読解です)。

 拝見して胸が詰まらされました。
 お受験の闇を紐解き、お子様に負荷を掛けない受験を推すものの、そこは受験の舞台です。残念ながら、ある程度の理不尽や非合理的な場面をお子様に強いてしまうことは多々あります。
 お受験に向き合う親御さんの誰もが幾度となく思うことでしょう。「こんなことをする必要があるのか」と。

 ただ、小学校受験の唯一の救いは、負荷が掛かるのはせいぜい年長の一年間。そしてお子様が5歳、6歳なので、細かいことはまあまあ忘れてくれます。
 「駅のホームでおにぎり食べたりしたね」「え?そんなことあったっけ?」のレベルです。
 その幼心に甘えるのは厳禁ですが、あまり親御さん自身を追い詰めるのもやめましょう。より良い教育環境を目指して、親御さん自身が文字通り身を粉にして過ごしている日々に、胸を張ってよろしいかと思います。

・残念でも胸を張っての終了ポスト

 22年、23年の特徴の一つに、結果は不本意だったものの、胸を張って終了宣言をされるポストの多さがあります。これはなかなかできるものではありません。現実と向き合って乗り越える姿には頭が下がります。
 「全落ち」が揶揄されがちですが、セーフティネットが確かな小学校・中学校受験において、本当の全落ちはありません。ご家庭としての明確な線引きと、お受験で得られるかけがえのないもの。これらがあれば、お受験は全く怖くありません。

・附属幼稚園受験の増加

 23年秋にひっそりとポストが増えていたのが、附属幼稚園受験の報告です。以前は少なかった幼稚園受験関連noteの閲覧数も増えました。
 ただし、幼稚園受験は、そもそも幼少期早期に気付く必要があること、幼稚園のカテゴリーとして家庭に負荷が掛かることが前提ですので、突然に志願者が激増することはないでしょう。
 一方で、小学校受験以上に未知なる世界であり、親の受験です。よろしければ下記をご覧下さい。

※代々のご家庭には「幼稚園受験を戦略化するな」と怒られそうなnoteです。

■おまけ(Xの行末)

・X(Twitter)に溢れる愛

  直前期にタイムラインに溢れた魔法の飴プラシーボ効果)のお話。たくさんの工夫や体験談が寄せられてました。参考になったご家庭も多かったでしょう。これだからXはやめられなくもあります。
 とはいえ、Xからの情報収集は一つの時代を終えたかもしれません。そこで得られるのは、このような愛のあるTIPSくらいになりそうです。
 もちろん、これまで通り、戦友のような仲間や、苦しい時に励ましてくれる先輩方も声も助けになるでしょう。しかし、これだけ多様な情報が溢れると、安心やお役立ちどころか、不安や混乱の方が大きくなりそうです。
 顔の見える安心できる方をフォローしつつ、常々申し上げている通り、情報収集の軸足はお教室にすべきでしょう。

※SNSに頼らずとも情報は集まります。

・リアタイの行き着く先

 23年のトレンドはリアタイでしたが、行き過ぎたリアタイはやはり垢消しの道を辿ることになるでしょう。
 発信のタイミングで学校は相当絞り込まれます。教育方針や前後のポスト、今後のイベントなどで学校バレは時間の問題です。その際、世間的な身バレの可能性は低いかもしれませんが、学校の同学年の間では「あれ、あの人じゃない?」とすぐに噂になります。そのご家庭との距離を置くのは明白です。
 せっかくの同じ価値観を持つ家庭が集まる私立小学校です。つまらない承認欲求で人間関係に足かせをはめるのは勿体ないと思います。

※なお、来年以降はこのアプリにより、リアタイは簡単に絞り込めますのでご注意を。

■おわりに

 こうして考査が終わったあとの景色を紐解くと、ほとんどが初期のnoteに綴っていたことに帰結しているように思えます。それくらい小学校受験には不変性があるのでしょう。

 一つだけ偉そうに申し訳ないのですが、直前期・受験期を中心に話題になることは、もうだいたい狼侍がどこかで言及してます。上記の項目それぞれに過去のポストやnoteのリンクがある通りです。
 心穏やかでないポストを見た時は、狼侍のポストやnoteを検索してみて下さい。正しいかはさておき、一つの解は導けると思います。

・勝者も敗者もない

 お父様が出願を忘れたとか、親子面接にお子様を連れて行くのを忘れたとか、実務的な悲劇も確かにありますが、小学校受験の最大の悲劇は子供への過度な負荷でしょう。

 年末に「小学校受験は早熟レース」とのポストを拝見しました。その通りだと思います。半年経てばみんなが当たり前に出来ることを少しだけ早くやれるかどうか。たまたま発達が考査に間に合っただけとも言えます。
 逆に言えば、出来なかったとしてもそれは本人の能力不足でも親の指導不足でもありません。発達がちょっと間に合わなかっただけです。

 合格で将来が約束されたわけではないし、ご縁がなくてもお子様やご家庭を否定されたわけではありません。ましてや、小学校で人生が決まるはずもありません。
 小学校受験に勝利も敗北もないでしょう。お子様の長い人生は始まったばかりです。

※世代のバレる選曲。「勝利も敗北」のフレーズはここから来たに決まってます。

・狼侍とは?

 本noteでも、多くのnoteをご紹介させて頂きました。メンバーの皆様には再確認のきっかけになればと思いますし、初見の方には、今となっては有料への導入となるので心苦しいばかりですが、お悩み解決のきっかけになれば幸いです。
 X界隈において、「有料note」という括りはネガティブな印象で語られることが多く、温かい言葉を掛けていただくものの、noteをまるっと批判するポストを見掛けると、それなりに凹みます

 さて、noteを開始して2年半。おかげさまで記事も増えました。24年、25年以降の方は、狼侍のnoteとはどんなものか?と思われる方も多いようです。そこで改めて、狼侍のnoteを紐解いてみました。
 よろしければ下記noteをご覧下さい。狼侍がなぜこのような活動を続けているのかもご理解頂けるかと思います。

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