ウルフガー

映画を中心に感想を書いていきたいと思います。

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マガジン

  • レクイエム映画譚

    2020年代は映画最後の10年だと思うんですよね(私見)。その鎮魂の意味を込めて勝手な感想を書いていきます。

最近の記事

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

 先日、やっとのことで映画館で観てまいりました。「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」でございます。本当は公開初日に行きたかったのですが、いろいろ事情があって出遅れたという感じです。しかし特にネタバレを目にすることもなく、無事100%楽しむことができました。そうです。もう結論を言ってしまいますが、凄い作品でした。というか凄い映画体験をしました。これ単体でということでなく、今まで観てきたエヴァンゲリオンという一連の作品の締めくくりとして、想定していたこちらの期待を大幅に上回る内

    • クリスティーン

       また懐かしい80年代のホラーですが、スティーヴン・キング原作の「クリスティーン」です。監督はあのジョン・カーペンターさんで、私はこの人に「ファイアスターター」(「炎の少女チャーリー」)を監督して欲しかったのですが、こっちの監督になりました。  キース・ゴードン演ずる青年が、ポンコツの58年型プリマス・フューリーを見つけて、それをレストアして溺愛するのですが、実はその車は呪われた車だった……、てな感じのストーリーです。車が勝手に動いて人を殺していくという、誰でも考えるような

      • 暴走機関車

         いつも私の趣味で偏った映画ばかり紹介していますが、本日もマイフェイバリットな一本「暴走機関車」です。よく月曜ロードショーでやっていましたのでそちらをご覧になった方もいるかもしれません。黒澤明さんが原案で、ロシア出身のアンドレイ・コンチャロフスキーさんが監督の骨太アクション映画であります。  ジョン・ボイト扮する主人公マニーは刑務所内でカリスマ的存在の囚人で、刑務所長から目の敵にされていじめられています。ついに囚人を使って殺されそうになったので、エリック・ロバーツ扮する若い

        • ピラニア3D

           これは劇場でやっているときは気にはなっていたのですが何故か観に行かず、その後良い評判が聞こえてきたのでいきなりブルーレイを買って観ました。「ピラニア3D」でございます。ブルーレイは「ピラニア」というタイトルになっているのですが、「ピラニア3D」の方が正式タイトルのようですね。3Dで観ていなくても3Dなのは変ですが仕方ありません。そもそも3Dがつかないと、ジョー・ダンテさんの「ピラニア」と区別がつきません(他にも同タイトルの映画はありますが)。  監督さんはアレクサンドル・

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        記事

          もののけ姫

           先日、映画館でジブリの四作品がリバイバル上映されているということもあり、未見だった二作品(「もののけ姫」と「ゲド戦記」)のうち、「もののけ姫」を観に行きました。ジブリ作品、というか宮崎駿監督の映画は大好きなのに、何故「もののけ姫」を公開当時観に行かなかったかというと、いかにも「風の谷のナウシカ」の焼き直しですよ、といった印象があって、まあそれでも観てもよかったんですが、確かあの年は洋画もかなり充実していて、優先順位的にそれほど上位になくて、なんかタイミングを逃して観なかった

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          ハードキャンディ

           本日は2005年のサスペンス映画「ハードキャンディ」の感想を書きたいと思います。これが全編密室の二人きりだけの濃密なサスペンスで、こういうものは脚本、芝居、演出が全てちゃんとしてないと興ざめするものですが、この映画は見事でした。出会い系サイトで知り合った男と少女が会うことになり、少女は意気投合して男の家に行くところから映画がスタートします。そこに至るまでかなり会話が長いのですが、セリフがよく練られているのと、顔のアップを繰り返す異様なカット割りで飽きさせません。  もしこ

          ハードキャンディ

          トラ・トラ・トラ!

           本日は第二次世界大戦を描いた戦争映画の傑作「トラ・トラ・トラ!」について書いてみようと思います。トラ・トラ・トラとは暗号で「我、奇襲に成功せり」という意味でして、それから分かる通り、この映画は日米開戦前の緊張から、真珠湾攻撃までの一連の流れを、史実に沿って真面目に描いた作品となっています。  以前「ラスト・ラン/殺しの一匹狼」の項で書いた通り、私の家にはこれの8ミリソフトがありまして、フィルムを8ミリ映写機にかけて壁とかに投影して見ることが出来る物だったのですが(音はカセ

          トラ・トラ・トラ!

          Mr.&Mrs.スミス

           さてアルフレッド・ヒッチコック監督の「スミス夫妻」のリメイクかと思ったら全く別物の「Mr.&Mrs.スミス」の感想をついでに書いていきましょうか。この映画、かなり公開するまでかなり楽しみにしていました。予告がよく出来ていたのです。ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが夫婦で戦う? しかも監督が「ボーン・アイデンティティー」のダグ・リーマンです(今はダグ・ライマンでしたっけ)。面白くならないわけがありません。夫婦が戦う映画と言えば「クレイマー・クレイマー」や「女と男の名

          Mr.&Mrs.スミス

          ヒッチコック

           本日は、タイトルの通りサスペンスの巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督を題材にしたノンフィクション映画「ヒッチコック」について書いてみようと思います。物語は「サイコ」撮影時の裏話に絡めながら妻のアルマとのドラマを描くことに集中しています。よくあるその人物の半生を描いたものというわけではありません。なので良くも悪くもあっさりしたテイストと言いますか、重い作品にはなっていません。洒落たセリフとそれほど深刻にはならない人間ドラマを楽しむ感じです。  まずヒッチコック劇場の音楽がか

          ヒッチコック

          ドライヴ

           公開された時けっこう話題になったのですが、それに乗り遅れてしまい後日ケーブルテレビでやっていたのを録画しておいて観ました「ドライヴ」の感想を今日は書いてみたいと思います。監督さんはニコラス・ウィンディング・レフンさん、主演はライアン・ゴズリングさんで、私は当時どちらもあまり知らない方で、この映画で知った感じでしたかね。  ライアン・ゴズリングさんは犯罪者を逃がすことを請け負うドライバーを演じます。「ザ・ドライバー」やさらに昔には「ラスト・ラン/殺しの一匹狼」など、探せばも

          ステルス

           本日は近未来戦闘機アクション超大作「ステルス」の感想を書いてみたいと思います。と仰々しく形容しましたが、もちろん真に受けてはいけません。ちょっといろいろツッコミどころの多すぎる映画なので、その辺を注意して観ないと痛い目に会う映画なのです。  監督はロブ・コーエンさんで、私はその前に観ていた「ワイルド・スピード」が気に入っていたので、ちょっと期待してました。予告もよく出来ていましたし。最新鋭のステルス戦闘機の訓練シーンから映画は始まり、三人のパイロットを紹介しつつ、凄まじい

          バトルシップ

           さて本日はユニバーサル映画100周年記念作品「バトルシップ」について書いてみたいと思います。これ公開時、そんなに観るつもりはなかったんですが、ちょっと絶賛の声がちらほら聞こえてきたので、こりゃ観なきゃ駄目だな、と思い直してやっぱり映画館に観に行きました。  なぜ観るつもりがなかったというと、製作中からなんか不評の声があがってたり、ジェイムズ・キャメロン監督が批判していたり、この作品が「海戦ゲーム」の映画化だということを知って、なんじゃそりゃ、と思ったりしていたからで、観て

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          ミス・アメリカン・コンテスト

           もう35年くらい前でしょうか、テレビ東京系でお昼くらいにやっていた映画「ミス・アメリカン・コンテスト」について発作的に書きたくなったので書いてみます。私の記憶ではミスアメリカコンテストというタイトルだったような気がするのですが、ネットで調べたらどうも微妙に違っていたようです。あとどうもTVムービーだったようですね。またキャストにスーザン・アントンやファラ・フォーセットもいたようです。全く印象になかったので意外でした。  確か勉強か何かをやっていて、たまたまテレビがそこにチ

          ミス・アメリカン・コンテスト

          アルタード・ステーツ/未知への挑戦

           またまた脈絡も無いのですが、ケン・ラッセル監督の異色SFサスペンス「アルタード・ステーツ/未知への挑戦」について書いてみたいと思います。これは特殊メイクとかSFXだとかが流行り始めた頃に、そういった流れの中の一つ、つまりエンターテインメントSFアドベンチャーか何かのように公開されたものですから、それを期待して観に行ったら、妙に真面目に、そして地味に一人の科学者の実験を追ったSFだったので、ちょっととまどいました。これを劇場で観た時は私もまだ子供だったと思うのですが、それでも

          アルタード・ステーツ/未知への挑戦

          ビートルジュース

           また今日も懐かしい洋画について書かせていただきます。ティム・バートン監督、マイケル・キートン主演の「ビートルジュース」です。これは公開したときは観られなくて、後にビデオをレンタルして観たのですが、字幕を見ようと思ったのに間違えて吹き替え版を借りて来てしまい、初見が西川のりおバージョンであったという貴重な体験をしました。ティム・バートンと言えば、私にとっては映画の観方の幅を広げてくれた人なのですが、この時はまだ一風変わったホラーコメディという印象しかありませんでした。  お

          ビートルジュース

          インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

           せっかくなので現時点でのシリーズ最終作「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」の感想も書きましょうか。今回の感想はいくぶんヘビーになります。この映画が好きでネガティブな意見を聞きたくない方は読まないことをお勧めします。あと完全ネタバレしますので未見の方も読まない方がいいです。  さて物語の舞台は1957年、つまり前作の公開から経った年月と同じくらいの年月が作中でも経った設定です。インディもすっかり歳を取り、なんだかアクションももっさりしています。例によって007

          インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国