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心地よい服が、あなたを心地よい場所へ連れて行ってくれる

雨。

書くことが思いつかなかった私は、散歩にでかけた。書きたいことが何か思いつくかもしれないと期待し、スマートフォンも時計も持たず、自宅の鍵だけ持って。

クラゲの形をしたお気に入りの水色の傘を広げて、いつもは娘と一緒に散歩していた道を1人で歩く。娘を連れている時には「かわいいですね」などと近所の人が話しかけてくれることもあるが、今日は私1人なのでそういうこともない。ご近所さんに出会ったときは、不自然に思われないよう「こんにちは」と元気に挨拶をした。先手必勝。ご近所さんも「こんにちは」と返してくれた。

子どもを連れていると散歩をしているのは不自然じゃないのに、私くらいの年齢の大人が1人で散歩をしていると「怪しまれないかな」という不安に駆られてしまうのはなぜだろう。誰だって散歩くらいしてもいいものなはずだ。堂々としていればいいのに、こんな雨の中1人歩いているのはなんだか少しやましい気持ちもしてくる。

クラゲの傘は、2年前に挙げた結婚式の前撮りで小道具として購入したものだ。ポップでかわいらしいビニール製のものなのだが、結構高かった。3本セットだったうちの1本は姪っ子にねだられたために譲り、1本は骨の部分が折れてしまった。今はこの水色1本しか残っていない。

1人で散歩をする時に気をつけていることがある。

それは「オシャレをすること」である。

オシャレといっても、ヒラヒラのワンピースにヒールなんて服装はしない。もちろん、動きやすい服装であることは大前提である。しかし、ただ散歩をするだけだからといってヨレヨレのジャージを着ていってしまったら、それこそ「怪しい人」認定されかねない(と思っている)。いや、ヨレヨレのジャージでも別に悪くはないんだけれど、たとえ散歩するときでも自分の納得のいく服装でいたいというのが私の正直なところだ。

今日は生成り色の麻のワンピース。足さばきがよくなるように、下にカーキのズボンをはいた。清潔感も意識して、長い髪の毛はお団子にまとめた。他の人から見てオシャレかどうかは定かではないが、私なりに心地よい服装になったと思っている。

斎藤一人さんの言葉で、

自分の服装は相手のために着るんだよ
だから明るい色の服を着なきゃだめだよ

というようなものがあった。うろ覚えなので、一言一句あっているとは言えないが、大まかな意味はあっているはずだ。

オシャレは自分のためでもあるが、周囲の人へのプレゼントでもある。あなたが明るい色の服をきることで、周りが明るくなるんだよ。そのようなことを言っていた。この言葉を聞いてから、私は黒い服を着る頻度が減り、白などのあかるい色の服を着るようになった(単純にそっちの方が似合うからという理由もあるが)。

また、以前手相占いに行った時のことをこちらの記事で書いたが

その時に占い師の女性から言われた印象的な言葉がある。

「あなたが思う理想の自分を思い描いて。
その自分はどんなことをしている?
どんな服を着ている?
どんな気分でいる?
まずは理想の自分が着ている服を着てみたり、やっていることをやってみたらいい。いつの間にかそれが当たり前になっているから。」

理想の自分に近づくために、まずは服装や習慣を変えることが必要だと彼女は教えてくれたのだった。この言葉は私の心の中にスッと入ってきた。それからは、理想の自分がどんな服を着ているか具体的にイメージを膨らませ、できる限りイメージに近い服装をするように心掛けている。

以上のことに気を付けながら、毎日着る服を真剣に選ぶようになると、自分の好みに加えて似合う服も分かるようになってきた。そして見た目も着心地も納得のいく、自分が心地よくあれる服装で毎日を過ごすことが増えた。そうすると、毎日が幸せに感じられるようになり、自分のことが好きになれた。

そして、着ている服に納得がいくと「今日の私の格好、いまいちだな……」などと思いわずらうことがなくなるため、ほかのやりたいことに集中できる。さらに、鏡に映った自分をみて「今日もいい感じ♪」と気分も上がる。そう、いいことづくめなのだ。そういった少しの変化の積み重ねが、日々の幸せへとつながっていく。

どんな服を着ていても、尊い価値のある自分であることに変わりはない。しかし、やはり着る服の力は絶大だ。自分の心地よい服を真剣に選ぶことは、毎日の暮らしを豊かにしてくれる。

私はファッション業界にいるわけではなく、ただのオシャレが好きな一市民なのだが、そうした特別ファッションに精通している人でなくても、このように着る服を変えるだけで日常が好転していくという例になるのではないだろうか。

散歩をしながら理想の自分について考える。
毎日、着心地のよい好きな服を着て、美味しいコーヒーを淹れて、緑が見える窓辺で鳥のさえずりを聞きながら、好きなことを書く。それを誰かに読んでもらう。そしてそれが、誰かの役に立ったり、何かを感じてもらえたりしたら、こんなに嬉しいことはない(もちろん、そうやって書いて誰かの役に立つことがお金になればなおよいことは、言うまでもない)。

まずは心地よい服を選ぶことからはじめて、少しずつ理想の自分に近づけていこう。



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