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起業家必見!広告・仕入れに積極投資で事業成長を加速させる「AD YELL」「STOCK YELL」とは?

スタートアップの融資を支援しているINQの若林( @wakaba_office )です。私はStartPassという会社のCOOもやっております。

また、スタートアップ投資TVというYouTubeチャンネルで、スタートアップ向けに投資に関する情報を発信しています。
https://www.youtube.com/@Startup-TV

本記事は「起業家必見!広告・仕入れに積極投資で事業成長を加速させる「AD YELL」「STOCK YELL」とは?」という動画の内容を書き起こしたものです。

Gazelle Capital 株式会社の近藤絵水さんを司会に、株式会社バンカブルの髙瀬大輔さんをゲストに招き、バンカブルのサービス内容や、サービスの対象となる企業などについて語っていただきます。

髙瀬さんおよび株式会社バンカブルの紹介については、こちらの記事をご覧ください。

「AD YELL(アドエール)」と「STOCK YELL(ストックエール)」について

近藤さん:「AD YELL」と「STOCK YELL」は、どのようなサービスなのでしょうか。

髙瀬さん:私たちはBtoB事業を展開しておりまして、主なお客さまは、ECやD2Cと呼ばれる業界や、BtoB SaaSを提供する企業などです。各社とも広告費を先に投じたり、事業が伸びていけばいくほど、仕入れを加速させるための仕入費が必要になったりします。しかし、先行投資によりキャッシュを痛めてしまうことも、少なくありません。「投資できれば、もっと事業を伸ばせるのに」という企業の悩みを解決するために、広告であるアドと仕入れのストックに対して、私たちが審査をさせていただき、問題なければ全額立て替えをする。それが「AD YELL」と「STOCK YELL」です。先にキャッシュアウトせず、どんどんアクセルを踏んで事業を成長させ、その代わりに私たちが立て替えた広告費・仕入費は、あとで分割でお戻しいただくというサービスを提供しています。

近藤さん:成長している企業のほとんどが、「AD YELL」と「STOCK YELL」を使っていると聞いたのですが、本当なのでしょうか。

若林:本当なんです。
広告や仕入れは、売上が立つ手前でお金が出ていきます。例えば、広告費をかけて見込み顧客が集まり、実際にお客さまへ転換してSaaSの課金が始まるとか、広告費をかけて自社サイトへお客さまを誘導しECで売れていくとか、費用が売上よりも先に発生します。仕入れも同じです。そのため、手元にキャッシュがないと広告・仕入れのアクセルが踏めず、事業を伸ばしたくても伸ばせないという現象が生じるのです。エコノミクスが合っていたとしても生じます。ならば、「銀行から借入すればいい」という話にもなると思います。しかし、急成長しているスタートアップ企業では、前期の決算書が赤字になっていても、今期になってエコノミクスが合ってきた、伸びてきたということがあり得ます。このような場合、銀行は支援したくても、なかなかできないケースがよくあるんです。前の借入から期間があまり空いていなかったり、債務超過であったり、二期連続赤字だったりすると、なおさら銀行は貸しにくくなります。けれど、事業は伸びていてトラクションもしっかりあり、きちんと売上を作れている場合に、まさにバンカブルを利用するというケースが、私の周りだけでもたくさん増えてきています。

苦しいスタートアップ企業を助けてくれるサービスや、次のファイナンスまでブリッジしてくれるファイナンス手法を提供する企業もあるのですが、バンカブルが提供する「AD YELL」と「STOCK YELL」は、どちらかというと伸びているスタートアップ企業がブーストしていくときに活用する手段だといえます。

髙瀬さん:おっしゃる通りです。

「AD YELL」と「STOCK YELL」の違い

近藤さん:「AD YELL」と「STOCK YELL」の違いは何でしょうか。

髙瀬さん:分割の後払いを対象とする課目が、広告宣伝費なのか、在庫や原材料の仕入れに使う仕入費なのかという違いがあります。前者が「AD YELL」、後者が「STOCK YELL」です。

近藤さん:「AD YELL」と「STOCK YELL」はどのフェーズのどういった企業に使われているのでしょうか。

髙瀬さん:フェーズでいうとシードよりも少しあとのプレシリーズAくらいからトラクションが出てきてPMF(プロダクトマーケットフィット)もしている状態。、「エコノミクスが見えてきた。これは踏むべきだ」というグロースフェーズに入ってきた企業に、主に活用していただいています。

若林:広告や仕入れに「このくらい投資をすると、このくらいの売上のリターンが期待できる」という計算ができる状態。エコノミクスが成立しているといえそうなフェーズにある企業が利用しているということですね。

髙瀬さん:まさにその通りです。

GMV(流通取引総額)200億円突破の背景

若林:先日*、GMVが200億円を突破したとうかがいました。どのくらいの期間で200億円を突破したのでしょうか。

髙瀬さん:バンカブル自体は2021年4月に事業をスタートしているのですが、最初の1年間は立ち上げ準備とPoCだけで終わっているんです。そのため、正式なローンチは2022年5月で、そこから2023年9月までの1年4ヶ月でGMVが200億円を突破しました。

若林:月間のGMVはどれくらいなのでしょうか。

髙瀬さん:クオーター合算でIRを出しているのですが、直近だと40〜50億円くらいになっています。

若林:バンカブルが立て替えて後払いの対象となった金額が、1年4ヶ月で200億円を超えたということですね。

髙瀬さん:おっしゃる通りです。

*2023年9月末時点

若林:取引した社数はどれくらいですか。

髙瀬さん:今まで150社前後にご利用いただいている状態で、ありがたいことに毎月新規のお問い合わせを多数いただいています。

「AD YELL」と「STOCK YELL」を使い始めるシチュエーション

若林:「AD YELL」と「STOCK YELL」を使い始める具体的なシチュエーションを教えてください。

髙瀬さん:どの程度広告費を投資したら、お客さまがモノやサービスをどの程度ご購入いただけるのか、BtoB SaaSにご契約いただけるのかが見えてきている。ならば、広告投資を強化しようといっても、足元の財務状態を勘案すると、当然無尽蔵に投資をするわけにはいかない。けれど、ここで投資のアクセルを踏んだらもっと成長できる。そんなタイミングで売上を伸ばしていくために、足元の運転資金を継続的に増加させていく必要がある。そんなシチュエーションにあるときに弊社を知っていただき、お問い合わせくださる企業が多い傾向にあります。

若林:BtoB SaaSの場合、どうしてもキャッシュアウトが先行していくなかで、ブリッジしていかないといけないとなったときに、伝統的な融資がついてこない。そんなときに「AD YELL」を活用すればキャッシュの支出は抑えることができて広告を出稿できるけれども、先行するユーザー数や売上を積み上げて、それがバリュエーションにヒットしていって、というような形で次のラウンドを迎える。そのような活用の仕方が理想的ですよね。

髙瀬さん:はい、その通りです。

「AD YELL」「STOCK YELL」利用の諸条件

近藤さん:ターゲットとなる方々が、「AD YELL」や「STOCK YELL」を導入したいときに、諸条件や手数料の部分は検討する観点だと思うのですが、どういった形なのでしょうか。

髙瀬さん:サービス利用開始にあたって、大きく分けて三つの情報を提供いただき、審査をします。一つ目は、基本情報として扱っている情報でして、どのような会社で、代表はどなたで、といった内容です。二つ目は、財務情報。三つ目は、広告の出稿実績データ、もしくは在庫の仕入れ状況に関するデータを、非財務情報として提供していただきます。

この三つの情報を、私たちのロジックに組み込んで審査をしています。足元のスナップショットの財務諸表だけでなく、今後の成長余力に担保を見出そうというロジックを作って、審査に通った場合に支援させていただいています。

手数料は、支援させていただく金額を100とした場合、3.0(税込)です。

若林:実際に「AD YELL」を活用したいと思った場合、申し込みをして審査を経て合格したら、支出する広告費を立て替えていただけるということですよね。その翌月から分割で、何回で返済するのでしょうか。

髙瀬さん:4回です。

若林:仮に1,000万円を立て替えてもらったとしたら、その1,000万円に対して3.0のサービス手数料がかかるので、1,030万円を返済するということですね。

若林:広告で効果が出たら「AD YELL」をまた活用したいと感じる企業が多いように思うのですが、実際はどのような使われ方をしているのでしょうか。

髙瀬さん:企業によって異なるのですが、年間平均利用回数は、多い企業だと9〜10回、ならすと平均で6回以上はお使いいただいていることが分かってきました。ただ、サービスの設計として、1回だけのスポットでの利用も可能です。

若林:年間で平均6回利用するということは、2ヶ月単位で利用する企業がほとんどということですよね。返済回数の4回を返している間に積み増すみたいな形で活用する企業が多いという認識で合っていますでしょうか。

髙瀬さん:そうですね。それから、季節性がある事業になると、繁忙期前に投資の強化をされて、落ち着いて、次の繁忙期や期末に改めて強化するというような形でご活用いただいている企業もあります。

若林:人材系の企業だったら採用シーズンの手前とか、BtoCだったらクリスマス前やバレンタイン前とか、旅行系だったら夏のハイシーズンに向けてとかは広告の強化しどころですよね。そのタイミングで、「AD YELL」を使い、売上にはヒットさせるのだけれどもキャッシュの出は緩やかにしていく。美しい仕組みですね。

若林:ロットを増やすとボリュームディスカウントが効いて、結果的に粗利に効くということが起こり得ると思います。そのような賢い活用方法もありますよね。

髙瀬さん:結果的に得られる効用は当然ありますし、最後の期末で広告宣伝費をしっかり強化されて、当然費用計上はされますが、先出しは私たちが立て替えるので、BS側に未払い計上されたうえでキャッシュは残ります。そのため、期末に締めた後の財務諸表は、すごく良化するんですよね。翌期のデッドファイナンス材料として起用するなど、意図して健全に成長される企業もあると思います。

「AD YELL」の会計処理

若林:「AD YELL」を活用した場合、会計処理上どのように扱われるのでしょうか。

髙瀬さん:広告宣伝費自体の費用計上はした方がいいので、PL(損益計算書)は変わりません。ただし、キャッシュアウトは1回ではなく、4分割でお戻しいただくことになるので、BSの未払いのほうに1回計上し、4分割ずつ未払いを削っていく財務処理になると思います。

若林:短期の借入金には入らないのでしょうか。

髙瀬さん:入りません。貸金という形式をとっていないがゆえに、私たちのサービスをご利用いただいても借入という扱いにはならないんです。

髙瀬さんから起業家の皆さまへメッセージ

近藤さん:最後に、起業家の方々にメッセージをいただければと思います。

髙瀬さん:私自身スタートアップ企業にいましたし、今もデジタルホールディングスグループにおいて、スタートアップ企業を経営しています。それぞれのスタートアップ企業がビジョンを掲げて、そこに向かっていくなかで、想定外のことが多々起きるでしょう。困ったら、
に沿うかを軸に意志決定をしていく。もし、起業家として何かを興した方がすでにいらっしゃれば、最初に設定した旗であるビジョンや理念や自分の想いをぶらさずにやっていただければと思いますし、私もそうしていきたいと思っています。


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最後までお読み頂きありがとうございました。


注釈

本記事は執筆・公開時点で発表されている情報を解説したものです。以後制度が変更になる可能性があります。

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