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100万円栄枯盛衰記

100万円は大金である
こどものほら話で
「嘘ついたら100万円」が
1億円になって久しいが
インフレがすすんでも
100万円は大金だ。

かつて100万円は

自動車も買える
ローレックスも買える
大豪遊できる
そんな金額だった。

今でも100万円で
軽自動車の廉価な車種や
ローレックスの一番安い時計は
買える・・・売ってくれれば。

カタログに載っているものは買える

昔の日本はまじめで
カタログに載せている以上
どんなに利幅が薄くても
企業の矜持として最廉価版の商品でも
注文すれば確実に買えた。

現在は・・・カタログ商品でも
その販売価格が
表示価格通りではない!
そんな商品が存在する・

日本のウイスキーは高級品

かつては
サントリーの響
ニッカのキングスランド
どちらも酒屋へ行けば
標準小売価格以下で買えるのが
当たり前であった

ウイスキーの国内醸造メーカーは
所詮二流という低評価の中で
長い年月をかけてその地位を向上させ
気が付けば・・・
お金を余分に出しても手に入らない
希少なウイスキーブランドに
その価値を引き上げた。

もはや神様ではない

お金を出すものが偉い!
商人もお客も道徳にとんだ日本では
「お客様は神様の地位に安住していなかった」
たとえ神であっても
威張り散らしたりクレームをつける
ことは「みっともない」
こととして子供のころから
「お金を出して商品が手に入るのは売ってくれる人がいるから」
その感覚だけは忘れないように
厳しく教育された。

米騒動・マスク・トイレットペーパー

いくらお金を持っていても
商売人が売ってくれなければ
「そこまで」だ

飢餓が蔓延し飲食店の立場が強くなったら戦後の食糧危機と同様に・・・
売り手市場となる。

カスハラが成立するのは
需給より供給が上回る場面だ。

「インフレとはお金の価値が下がり商品の価値が上がる状況だ」
インフレという当たり前の経済状況を知らない庶民が
日本人の半数近い・・・

平気でカスタマーハラスメントを繰り出すお客が存在できる・・・
その理由はあまりにもデフレが続いたせいだろう。

「出禁」を申し渡される

インフレを30年以上経験していないから
「こっちは客だぞ!」そんな意識を持って平気でいられる。

バブル全盛期には
「タクシーもつかまらない」
「予約が取れない店が続出」
「宴会で騒いだら出禁になった」
そんなことが・・・・日本中で頻発していた。

小生は自衛官だったのでボーナスは少額だった

小生のボーナスが30万円だった平成元年
同級生のとある一流メーカーに勤める者には
「ボーナス100万円」が支給された。
当然有頂天になっていた。

小生は
「高級なワイン」を同級生にご馳走になった…負け犬だった。
六本木の高級イタリアンに
「彼と彼女(複数の同級生が一流メーカーに就職していた)のおごりではじめて繰り出し…高級な生ハム=ハモンセラーノはさほど旨くなかった」

だが…立場が低い時期が続き…一生超えられないと思った当時だった。

小生のボーナスが100万円を初めて超えるのに…それから32年間時間を費やした。

親戚は「なんで自衛隊に入ったの?」と笑っていた

鋼は釘にしない!
まともな人間は自衛隊なんて行かない・・・
地元の親戚の評価である。

そして・・・
バブルははじけ・・・
口の悪い親戚は
「守はいいところに就職したね!」
と手のひらを返した。

キャンティーをご馳走してくれた同級生には
海外の高級なウイスキーを土産にして
「口が肥えている君には合わないかもしれないけど」
とセリフをお見舞いした。

高価な香水を多用していた同級生には…世界一高価と評判であったオマーンのアモアージュの香水を土産にワタシ
「気にっていた香水より安物だけれど」
と・・・精一杯の皮肉を込めてお返しした。

100万円で手に入る自動車

100万円の自動車は安物だ。
しかし・・・
値段に比して頑丈で壊れない。

簡単に手に入る
トリスやブラックニッカは
「飲み方次第では十分おいしい」

ウイスキーの味が値段だと言っている
偽物ウイスキー評論家には
ブラックニッカの価値は一生わからない…でいて欲しい・・・

高級とは・・・日本銀行が決めるわけではない。
銀行券の多寡は・・・誰かが決めた価値でしかない。

ニッカやサントリーの
技術者は
「トリスやブラックニッカ」と
「山崎」「響」「竹鶴」の原材料は別物
だと決して言わない。

値段の差は
「手間と暇 」に由来するからだ。

100万円の価値

は確かに低下した・・・・
しかし現金100万円は
結構なインパクトがある。

ほんの数年銀行へ勤めたので
お札を数える「さつかん」を経験したが・・・
100万円の重みは
現金だと結構重い。

価値とは?

自分尺度でしかない
孫正義さんイーロン・マスクさんは
「100万円なんてはした金」
というだろうか・・・

彼らは「100万円の価値」知っているのではないか?
そう思う。

買えるモノの価値は
「売り手と市場が決める」
みんなが欲しいと願うものには
それなりに価値が生じる。

顧客だから。。。。
上司だから・・・・
金持ちだから、、、、、
知事だから×××××
その地位で好き放題ができると
思うから感謝する気持ちが薄まる。

酔っぱらうとノンアルコールビールもおいしい

風呂上がりに。。。
カラカラののどをいやすノンアルコールビールや
さんざん飲んだ後のノンアルコール飲料は
「なぜかおいしい」

からだは「ある意味で正直な生体反応」を生じる。
飢餓や・・・水を何十時間も飲めない者には
安物のパンや水道水だって極上品である。

お金を払っても
分けてくれる人がいない
100万円は
「ただの紙切れか・・・電子装置の画面に表示された数字」だ。

そのお金に価値を付加するのも・・・
無価値に散財するのも
個人の感覚だ。

普通の大人が
「月給100万円」に到達するのは
まだ未来かもしれないが・・・
100万円の真価を受け止め・・・
その価値を目いっぱい使う消費者は
「カスタマーハラスメント」とは無縁だろう。

価値の判る大人にならないうちに・・・
初老を迎えた小生には・・・
100万円はいつまでたっても大金だ!

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