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川越少刑で学んだ勉強することの大切さ

勉強に目覚めるまで

私は川越少年刑務所に逮捕後一年が経過してから入所しました。

それまで裁判員裁判で裁判までの時間が長く、弁護士の都合などもありここまで時間がかかったのです。

刑務所に行くまでの間は現実逃避で小説を読んだり、ラジオを聞いて必死に今後の自分の人生と向き合うことを避けていました。事件については裁判が近づくにつれ準備をしなくてはいけないと自分から向き合うことができましたが、なかなか自分自身の今後については考えらえれませんでした。

裁判で判決が言い渡されたとき、
「6年が消える…」
そう思いました。

しかし同時に、
「期間は決まった。これからは出所に向けて自分に出来ることをしよう」
そう思えました。

ここから本格的に出所に向け勉強などを始めました。

資格のおかげで今がある


一つ自慢をします。

私は合格率8%の国家資格に出所後1回目の受験で合格しました。


この資格のおかげで現在は大卒がほとんどの環境で中退ながら正社員として働けています。

この資格を持っていると転職活動でも
「この資格を20代で持っているなんてすごい」
「一発で取ったんですか!?」
「努力のできる方なんですね」
など
ものすごい評価が上がり、実務経験必須の会社以外は全社内定をもらえました。

この資格がなければ正直、転職は難しかったと思います。
出所後からお世話になっているハローワークの職員さんにも

「この資格は並大抵の勉強量ではとれない。それだけひでさんが刑務所の中で頑張ったってことなんですよ。これは自信を持っていいことです」

と言ってくださいました。

資格一つで、大学中退、日雇い、飲食(履歴書にはこんな感じで書きました)のみの男が内定をいくつも勝ち取れたんです。

最高年収は390万でした。
未経験のこの経歴ではかなり良かったと思います。

しかし自分のスキルを身に着け将来的に技術を身に着け転職や独立をしたいと思っていた私は現在の少し年収の低い会社に入りました。

こういった目標や将来を選ぶことができるようになったのも刑務所内で勉強をし続けたからだと思います。

刑務所内で努力できた理由

他の受刑者がテレビを見ていたりマンガを読んでいる横で私は食事後、就寝時間である9時までの4時間のうち3時間は勉強に充てるような生活をしていました。

もちろん色々な職業訓練を受けていたり、共同室で邪魔される、息抜きでテレビを見る、そんなこともありずっとではなかったですがこの生活スタイルで過ごしていました。

刑務所の中では勉強することは推奨されるべきことですが必要な道具を変えないこともあります。

私が取得した資格は電卓が必須になる難しい計算があるのですが、その電卓を手に入れるためには簿記クラブに入る必要があったり、担当職員に認められなければいけません(お前は生活態度がいいからいいよ的な)

職業訓練を受けていて訓練優先と言われたり、入ったばかりで生意気だどいわれたりしてなかなか買ってもらえませんでした。

しかし私は有効数字6桁同士の掛け算などをノートを使って地道に行い時間をかけ行いました。

ここまでできたのは、漠然とした将来への不安以外にも周りにいる人たちが原因だと思います。

周囲の受刑者は

「知り合いの会社に入る」
「前働いていたところに戻る」

ほとんどがこれでした。もちろん建設関係ばかりでしたが出所後の仕事の約束があるのがうらやましかったんです。

その人たちはその不安がないからか資格の勉強などはしていませんでした。


でも私の場合は違います。働いたことがない。家族・知り合いに頼れない。友人なんていない。

私には何もなかったんです。

唯一の私の救いは家族が現金の差し入れを拘置所まではしてくれたこと、祖父の相続金を弁護士経由で差し入れしてもらえたことでした。

上記については割愛します。

この相続金が入るまでは参考書なども一種類しかなく、勉強もなかなか進みませんでしたがまとまったお金がはいり、毎月参考書を買いました。

周囲からは
「また買ったのか?」
「どうせやんないだろ」
「職員へのアピールに金使うな」

など色々言われましたが私は自分の将来のためと思い自己投資として買い続けました。

参考書代だけで2万円以上、刑務所では大金です。

でも出所までになにか武器を手に入れなくてはいけない私は目先のお金よりも、今の余っている時間が大切だと思えたんです。


平均以下が平均に行くための近道が資格勉強

私は上の様に思います。
刑務所にいた人、理由があって働けない人、働き方が制限されている人色々な方々がいます。

でもその条件があったとしても年収を上げて環境のいい職場で働くことができる。それが一定の資格を取ることだと思います。

簿記やFP、英検などはないよりはいいですがやはり仕事に直結しない資格です。

最短で目指すのであれば、①独占資格(その資格を持っている人しかこの業務はやってはいけません)、②必置資格(この資格を持っている人を社内で用意するか外注して)

こういった資格を取るべきでしょう。
例としては

①司法書士、税理士、会計士、電気工事士etc
②衛生管理者、危険物取扱者、エネルギー管理士etc

こういった資格です(私と同じ業界にいる方なら上の例で私のとった資格がわかると思います)

この資格は会社内で取らせようとしてもほとんどの社員はめんどくさがったりしてなかなか取りません。

そこに資格手当もないのに勉強にプライベートの時間を使ってきた人間が現れれば会社としては評価してくれます。

人生・キャリアプランに迷っている方こそ資格を取ろう。


現在の年収が低い方、会社でスキルが積めていないと感じる方、ほかの業界に行きたい方

まずは資格を取りましょう。

そうすれば本気度が伝わります。
ある程度信用されます。
(職歴は多少もれますが、勉強した結果はもれません)


「仕事ができるかわからない。でもこの資格を取るほど勉強しているなら努力はできる人、勉強はできる人(頭がいい)なんだ」

と思ってくれるでしょう。

入ってからの努力は必要ですが、入る前からの努力も必要なんです。


まとめ

私でも転職して未来を少しづつつかめています。

ここまで出所してから1年強。
かなり順調だと思います。

私の経歴でもまともな社会人にはなれました(余裕はないのでこれから転職して年収を上げていく予定です)

これからさらに将来を明るくするため、将来家族を持ちたいと思ったときに可能になるように、努力しつづけたいとおもいます。


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