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懐かしのまるぼーろ。

実家のお仏壇によく置いてあった、丸ボーロ。
子どもの頃によく食べていた。

丸ボーロとはお菓子のことだ。名前の通り丸い見た目の焼き菓子。底の面は平べったく、上は丸く膨らんでいる。外側は、サクサク、中はしとっりというか、ふわっというか、、、。茶色の見た目に、素朴な味。
とにかく、丸ボーロは他のお菓子にはない美味しさがあった。

これが、私の大好物だった。
小学校の頃、学校から帰宅し、母にお腹減った。お菓子!と訴えると、「そこに丸ボーロあるやろ。」と言われ、よく食べた。丸ボーロと聞くだけで、私はご機嫌になった。

丸ボーロと名前の似ている、たまごボーロ。こちらも口どけがよく大好きだ。年の離れた妹のお菓子を、よく食べさせる振りをして自分が食べていた。母に「私も食べたい。」と言うと、「そのお菓子は○○(妹の名前)の!あんたのじゃない。」と言われるので、悪魔でも、食べさせながら、ちょっと分けてもらっていた。好きなんだから、別に私が食べたって良いじゃいないか。と思いながら。

話は戻り、丸ボーロ。
大人になって、急に丸ボーロが食べたくなることがあった。「そういえば、長いこと食べていないな。」と思い、近所のスーパーなどを探し回ったのだが、どこにも売っていない。売っているのは、「蕎麦ボーロ」「たまごボーロ」。ボーロ違い。見た目も全然違う。試しに似たようなものを買って食べてみたが、食感も味も全く違ったのだ。

一体、あの丸ボーロはどこにあるんだ!!と思い、調べてみると、なんと佐賀の名産品の様だった。

そういうことか。

私の中で何かが一致した。
母が九州の方の出身だったので、よく送られてきていたものだったのだ。
どうりで探してもないわけだ、丸ボーロ。

そんなことを知ったので、九州物産展がやってくると、探しに行った。
こんなところに、あるじゃないか。丸ボーロ。
食べてみると、やっぱり美味しかった。「これだよこれ。」

それからというもの、近くで九州物産展があると、丸ボーロはあるかな?と確認しに行く私なのである。



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