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身の周りのステークホルダーたちの意見に思いを馳せる パート①

誰しも自分のことは自分で決めたいとは思いつつも、よほどのお立場でなければ、必ず周りには避けては生きられない『ステークホルダー』な方々がいますよね。
おそらくだいたいの場合、家族と上司です。

僕はそれ自体は別に普通のことであって、むしろお互い大事な存在だからこそ真剣に意見を言ってくれている、しかもそれは間違っているわけではないと、ほとんどの場合そう思えます。

ただし、何と言いますか、『間違ってはない』ということと『違う、そうじゃない』という感想、というか感情は両立しますよね。
悩ましいですね。

あんまり愚痴っぽくなると良くないですが、最近の個人的な体験と考察をば・・・。


大尊敬する上司

いまの職場におられる外科の名誉院長がめちゃくちゃすごい人で、この年代で臨床家としての実力と人格のいずれも大尊敬できる人は、なかなか出会えません。

日ごろ直接指導もいただきつつ、世間話もお好きでお若いころからの仕事や趣味のご経験をよく話してくれます。
おそらく周りの誰よりも技術を磨き、息をするように論文を読み書きし、海外留学や学会発表もたくさん経験され、もちろん専門領域界隈では大御所で、教授はつまんないからならなかったというような感じ。
それでいて多趣味で、若いころから現在まで遊びも目いっぱいやってる人です。

とにかく経験の豊富さと密度がハンパない、あと記憶力が異常。


そして、医者たるもの、また夫・父親たるもの『こういう風にせんばいかん』ということもよくおっしゃります。


・家で手術のビデオ編集をやってたから、娘は手術のビデオを観て育った。
・子供の運動会なんか行ったことない(多分、趣味の料理以外の家事育児もほぼ負担したことない)。
・自分の仕事で食ってるんだから、仕事を最優先することが当たり前である。
・奥さんには、仕事しすぎて「そろそろ普通のお医者さんに戻ったらどうですか」と言われていた(今は「学会にでも行かれたらどうですか」と言われるらしい)。
・奥さんを教育せんといかん。
・英語の清書と論文の内容がゴールデンスタンダードであって、日本語の教科書は間違いばかり。


圧倒的な知識と実力で有用性が証明された考え方であり、個人的にこのいずれも同意はするものの、先生の歩んできた時代とは何もかも違うので、まぁ少なくとも僕には無理だす、とついつい思ってしまいます。


昔は英語の文献しかなかったでしょうが、先人たちが積み重ねた知識と経験から作られた日本語の教科書のクオリティを僕は信じていますし、インターネットからトッププロが発信する情報にアクセスできます。

あと、昔は男親は仕事だけしてればよかった時代ですし、何なら仕事さえしてれば遊びも自分だけ楽しんでOKだったでしょう。
その感覚のまま成功された方は、たまたま奥様が内助タイプか強靭なタフネスで、捨てず病まずでサポートしてくださったという、一種の成功者バイアスだと思います。
いまの我々男親の難易度は、昭和から平成前期の比ではありません。


いまの50-60代以上の先生方は、従来のキャリアのまま確固たる地位と収入と子育て終了の余裕から逃げ切れる世代ですが、我々は真剣にキャリアプランや収入や家庭のことを考えなければならず、必ずしも医師としての専門知識や技術を向上させれば良いといった状況ではありません。
(そんな中でも、愚直に専門知識や技術を極められている一部の先生方を、僕は心から尊敬しています)


仕事で収入を得ることは当然として、『家事育児 しない男は 人でなし』と言わんばかりの時代です。
勤務医の収入は今も昔も実はそんなに高くないですが、今は税金や社会保険料の実質負担が激重で、日常生活や子育てにかかるお金も増大しています。
あとうちもそうですが、医師の家庭は奥様も医師でない限りは結構シングルインカムの割合が高いです。

そんで何か知らんけど、専業主婦の要求は福利で増えます。


そんなこんなで、実際に先生のお話はだいぶ参考になりますし、そもそもチャーミングで自分の価値観を言いはするものの決して強要はせず、時代の変化や部下の言っていることにも共感してくれる、そんな上司なので全く苦ではなく、ポジティブに自分の環境や考えとの違いについて分析するきっかけになったよというお話でした。


なんの参考にもならないでしょうが、すいません。
他の人たちのことも書こうと思ってましたが、もう遅いのでパート①ということで。
ではまた次の機会に!






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