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uraright
【1分で読了。即興小説】空を見上げる
【お題】
夜空
【本文】
空気が澄んでいる。
冷たい夜。
人々が至るところで、夜空を見上げている。
いつもは絶えず人々が流れているこの場所も、今は皆立ち止まり、じっと動かない。
私も人々につられて、空を見上げる。
いつもどおりの夜空だが、なぜだか今夜は魅入ってしまう。
周りの人々も、ずいぶん長いこと夜空を見上げている。
雪が降ってきた。
私達はこれを待っていたのだろうか。
大して感動はないのだけれど。
しばらくして気づいた。
私達はこの雪に興味はないのだと。
私達は相変わらず夜空を見上げている。
私も見る。
あなたも見る。
彼も見る。
彼女も見る。
みんな見ている、一つの夜空。
それぞれの場所、それぞれの時間、
同じものを見て、きっと私達は安らぎを得ている。
夜空を介して繋がった人々の、
少し不思議な時間だった。
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