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【1分で読了。即興小説】ストーカー

【お題】


ストーカー


【本文】



憎きストーカーをついに捕らえた。
こいつは私の個人情報をどういう手を使ったのかわからないが抜き出し、プライベートを盗み見ていた。

私はまずこいつを椅子に縛り付け、右目にグーパンチをかました。
のた打ち回るストーカー。しかし、どこか喜んでいるようにも見える。少しニヤついている。
腹が立った私は、ニヤつく余裕がないように手の小指を折ってやった。
痛がる素振りは見せたが、私に折られたことが一生の思い出として体に刻まれるとかなんとかほざいたので、近くにあった鉄パイプで横っ面をぶん殴ってやった。
しかしまだ喜ぶ余裕があったので、いよいよ再起不能にして後悔させてやろうと思い、両眼に熱湯を浴びせた。

少しずつ弱ってきてはいるが、謝罪する様子もない。何をしてもありがとうございますと感謝される。命乞いをする様子もない。私のイライラは頂点に達し、とうとうガソリンをぶっかけて燃やしてやった。
こうして彼は絶命した。



しかし、私の瞼の裏には、やつのニヤついた顔が張り付いて忘れることができない。
結局私は、一生、やつのストーカーの相手をすることになってしまったのであった。

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