二人の日本人セラピスト/カウンセラーのご紹介、最近思うことなど

既に皆さんご存じかもしれませんが、私がとても良いなと感じたお二人のカウンセラー/セラピストをご紹介します。

お二人とも、日本人のトラウマ専門のセラピスト/カウンセラーで、動画等を発信しています。

山口修喜(のぶき)さん
オフィスPomu
https://pomupomu.info/

服部信子さん
【心理士トーク】by 服部信子
https://www.youtube.com/channel/UCqZLtvRalUOmEygPO0zCr3w
https://drnobuko.com/

お二人とも、主にセラピストに向けて発信しておられるようですが、クライアントの立場で見ても、学ぶことが色々あると思います。

すごくつらくて苦しんでいるときは、まず休息が必要だし、セラピストに向けた話を聞くのも大変だけど、少し元気になってきたら、自分が自分のセラピストになってみよう、という気持ちで色々なセラピストの動画等を見るのも、とても参考になると思います。もしも、自分が自分のセラピストになることができたら、それが最強だと思うから。

山口さんはメルマガも発信されていて、私も読んでいます。
山口さんは、男性の性被害専門のカウンセラーとして、現在問題になっている芸能界の性被害の問題でBBCの取材を受けて報道番組に出演されています。

服部さんは、著書(今すぐ使える 誰でもつかえる フラッシュバック対処と予防: アメリカ発 トラウマのプロが教えるフラッシュバックのすべて )があります。この本は、セラピストのためにも、クライアントのためにも書かれたもので、フラッシュバックへの具体的な対処法等が記載されています。ただし複雑性PTSDについては、治療法について現在研究が進んでいるとの記載に留められており、筆者の動画の方が最新の知見を得られると思います。

・・・・・・・

私が最近考えていることは、トラウマの被害者への支援やその方法は、欧米で取り組んでいて研究も進んでいることが分かったけれど、加害者への支援というか、加害者をどう止めるのか、というのは本当に難しい問題のように感じます。

現在問題となっている性加害者のこと、またそれは日本だけでなく、海外にも同様の問題がありますが、被害にあった子供が声をあげるまで、時間がかかることがある、またそれが社会問題化されるまでも時間がかかり、その間、被害者は被害を受け続け、また被害者の数も増えていきます。

加害者が、自分がやっていることがまずいことだと気がついて、自分にもトラウマの問題があることを認識し(トラウマは世代間連鎖であることが多い)自分自身の傷の癒しに取り組むことのハードルの高さを感じます。

家族に暴力暴言をふるい続けた父も、父自身にもトラウマの問題があったと今の私はよく分かりますが、父が自分の行ったDVの罪深さに向き合って父自身の癒しに取り組むことは一生涯ありませんでした。

BBCの報道を見ながら、性加害者を問題視してこなかった日本の風潮に報道者が疑問を呈する場面が繰り返されていましたが、それを文化的?差異のようにも感じました。性加害者を許してしまう被害者たちを信じがたいと報じたBBCの報道者からみたら、父を悪者にしきれなかった私の家族や親戚も同様に、彼らには信じがたいことなのではないか、と感じます。

加害者をどうしていけばよかったのか、今の私にも分かりません。ただせめて事実を知らなかったはずのない周囲の大人たち(うちの場合は親戚)に止めて欲しかった、と思います。加害者と被害者が止めることができない時、それを止められる可能性があったのは、周囲の大人たちだったのではないか?

今の私は、自分の癒しに取り組むことと、その情報を発信していくことが、ささやかでも、今の自分にできることだと思っています。今後このブログで紹介するのは、見る機会が少ないかもしれない役に立ちそうな海外の動画や、私自身の体験も含めて、トラウマ治療に関する本などを紹介していきたいと思っています。

私自身の癒しに役立つことや、過去の自分がこんな情報が欲しかったと思うことが、どなたかの役に立てばいいと、そして世の中から少しでもトラウマの苦しみやそれを引き起こす出来事が減っていけばと思います。

戦争も多くのトラウマを引き起こす、そしてこれも現在進行形です。
自分にできるのは祈ることだけかもしれない、世界中の祈りが届いて欲しい。「周りの人々に止めて欲しい」というのは、戦争に巻き込まれている人々も、きっと同じ思いのような気がするから。