見出し画像

幼少期の原体験に接点を。 ~インテリア事業部のこと~

インテリア事業部【koyukino】

弊社はもともと、今から遡ること35年以上に渡って障害者雇用をやり続けている製造業の会社が母体である。
そこから分社化して独立したのが株式会社With Youだ。
就労支援の会社なので働くトレーニングとして製造業の仕事(作業)を提供しているわけだが、ここ数年は製造業以外にも挑戦している。
その中でもとりわけ際立っているのがインテリア事業部【koyukino】。
2019年末に輸入卸売業を行う株式会社koyukinoを設立した。
そこから商品を仕入れて販売するのが株式会社With Youのインテリア事業部【koyukino】という建付けになっている。
株式会社koyukinoは、10年くらい前から妻がやっていた個人事業の輸入インテリアショップを法人化させたものだ。
個人事業の頃からヨーロッパのインテリア雑貨や家具など、日本未入荷品を多く取り揃え、コアなファンも多かったのだが、妊娠出産を機にラインナップが子供向け商品にシフトしていった。
そんな中で今回紹介したいのが、今まさにグングン伸びてきている【TRYBIKE】である。

コンセプトは『さいしょの相棒と、はじめの一歩』

TRYBIKE JAPAN

自転車大国オランダ発のブランド【TRYBIKE】は、三輪(トライク)から二輪(バイシクル)へ、子どもといっしょに成長していく『はじめてののりもの』である。
ペダルはなく、足で地面を蹴って進むバランスバイクで、二輪だとストライダーなどが有名だろう。
TRYBIKEは三輪なら1歳半くらいから乗り始めることができ、子どもの成長に合わせてサドルやハンドル高さを変えたりホイールベースや車高を調整することが可能で、3歳~4歳くらいからは二輪に組み替えて乗ることが出来る。
二輪でバランス感覚を養うことが出来るので、6歳くらいから自転車に移行する際はスムーズに移行できる。
自転車に移行後は三輪に戻してきょうだいや親戚の子どもに譲ったりして、長く乗り継ぐことが出来るし、極端な話、飾っておいても絵になるデザインである。
やや太めのチューブタイヤや、しっかりとしたフレーム、デティールの細かさやシャビーで絶妙なカラーリングなど、『子どもにも本格的な自転車を』と言う、自転車好きのオランダ人兄弟、ピムとアレックスの思いが詰まったプロダクトだ。
我々koyukinoは、これを日本で展開する【TRYBIKE JAPAN】を運営している。

コロナ禍での挑戦

2019年の夏に初めてTRYBIKEを日本に上陸させた。
実車を見て、我が子を乗せてみて、イメージが膨らんだ。
これを絶対に日本でヒットさせる!と意気込んでいた。
しかし、その約半年後にTRYBIKEを含むインテリア事業は大打撃を受けた。
未曾有の疫病で世界中がパニックになり、輸入や製造自体もストップし、事業の存続も危うい状態になった。
が、このインテリア事業やTRYBIKE JAPANの運営で、どうしても描きたい絵図があり、追求したいシナジーがあり、負けるわけにはいかなかったので、イベントやオンライン展示会など様々な手段を使って、どうにかこうにか乗り越えたのだ。

幼少期の原体験を軸に事業構想を練る

冒頭に書いたように、弊社の根幹は製造業である。
それが何故に輸入業やインテリア、雑貨などの販売を行うのか。
ビジネス的に『枝葉の事業』としての意味ももちろんだが、障害者の就労支援事業として業務内容に幅を持たせたかったということもある。
そして何よりも【世界観】だ。
私自身の幼少期の原体験がそうであるように、幼い頃の日常の記憶に障害者を含む多様な方との接点を持つことは将来の考え方に多かれ少なかれ何かしらの影響を与える。
当然、なるべくなら楽しい思い出の片隅にそれがあると尚良い。
つまり、TRYBIKEを通じた様々なシチュエーションに障害者が関わり、そんなTRYBIKEで楽しい時間を過ごした子どもたちの原体験(記憶)に潜在的に障害者との関わりが残ることになる。
子どもたちは当然その時は何も感じないだろが、成長の過程や自らが大人になった時でも良いが、どこかでTRYBIKEの背景やストーリーを知った時に、多様性について少しでもポジティブに考えてもらえたらな  と思っている。
子どもの頃に乗ったあの自転車、メンテナンスに来てくれていた人ってちょっと変わってたけどいつも楽しく話してたよな~
とか、
近所の公園に貸出用で置いてあって、乗り方教えてくれたお兄さんって、少し変だったけど優しくて面白かったよな~
とか。
まだまだ広がり始めたばかりだから、そこまでの事業規模じゃないけど、TRYBIKEにはそんな展開への期待を持っている。
TRYBIKE JAPANを運営する弊社が就労支援の会社であり、着荷検査や発送準備などで利用者の仕事が発生している時点で、TRYBIKEが日本のどこで売れても少なからず障害者の賃金に繋がっている。
乗らなくなったTRYBIKEを回収して、部品交換やメンテナンスを行い、シングルマザーの団体や放課後等デイサービスなどに寄付も行っている。
TRYBIKEと就労支援のシナジー効果を高めることで、子どもたちの多様性を育んでいきたいのだ。

ようやく広がり始めたTRYBIKE

2019年の初仕入れから、コロナ禍突入と円安地獄で苦しんだが、2022年に転機がやってきた。
都内の展示会に出展していた中で、BEAMS さまからの取引依頼があったのだ。
それまでもいくつかのショップさんと契約を結んでコツコツと販売していたが、田舎のベンチャー的な福祉の会社では発信力が弱く、苦戦していた。
そんな中でのビッグネームからのラブコールに心が踊った。
中学生の頃、あのオレンジ色のナイロンショッパーにどれだけ憧れたことか。
何度かの打合わせを重ね、2022年春からビームスでの販売がスタートした。

そして今年(先日)、蔦屋書店などを運営するCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)さまからもラブコールを頂き、ライフスタイル提案型商業施設【T-SITE】でのプロモーションイベントも決定した。
来年は本格的に忙しくなるだろう。

TRYBIKE 子どもたちの笑顔とWith Youイズムを乗せて全国を駆け回れ!

この記事が参加している募集

SDGsへの向き合い方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?