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2020年9月16日

ヘッダーの写真はアキアカネ。あんなに暑かった夏もふと気づくと姿を隠し、すっかり秋めいたように思う。

私は秋が大好きだ。読書の秋だ、食欲の秋だと騒いでいるうちにすぐに過ぎ去り、涼しい風が瞬く間に耳元を通り抜け、冬にその主導権を取って代わられてしまうような、そんな秋の儚さが。

研究室に久しぶりに行けたことが嬉しすぎて毎日通いつめていたらもっと遊んできなよと言われた。

研究室に行ける状況でなお遊ぶという考えにあまり至れず、学術書読んだり外に出るにしても植物を見に行ったり。今週末もバイトが入っていなかったから山に行ってこよう。勉強できる環境を与えられていることの幸せを今しみじみと感じている。

ここ最近は関東某所の大湿原や植物園に行って咲き始めの秋の花を見たのでまとめる。秋の花もこれまた儚い可愛らしさがある。

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○ツリガネニンジン(キキョウ科)
私の大好きな花の1つにホタルブクロという花がある。富士山麓などにいる花だ。それに似てるなぁと思ったら同じ科だったので納得。とにかく可愛らしい。写真で見るよる実物はチマっとしていてもっと愛くるしい。

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○ゲンノショウコ(フウロソウ科)
ゲンノショウコも大好きな花。これは花が終わって種子散布をする様子。右のように閉じてる状態から左のように跳ね上がる時に種子を飛ばす。同じ個体で2つの状態を見れたからすごく得した気分。動物や水、風の力で種子を運ぶ植物が多い中、これは自動散布という戦略を取っている。この跳ね上がりは乾湿の力を利用しており、要は閉じてる鞘が乾くと弾ける。

ゲンノショウコ

これがゲンノショウコの花

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○ウメバチソウ(ニシキギ科)
ニシキギ科は木本っぽいものが多いみたいだがこれは完全に草本だった。ずっと見たかった花。めちゃくちゃ可愛い。雄しべ雌しべのつき方が最高。と思いきやこの先端が丸くぷくっとなっている雄蕊みたいなものは全部仮雄蕊。これが蜜を出して昆虫を誘っており、本物の葯から出る花粉を柱頭につける。この個体は受粉が終わった個体のようだ。

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○サラシナショウマ(キンポウゲ科)
穂状花序(すいじょうかじょ)という形態で、無限花序の1つ。穂に小花がたくさんついた状態である。花弁と萼は咲いてすぐ落ちてしまうらしく、これは雄蕊雌蕊が残っている状態。

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○ツルボ(キジカクシ科)
サラシナショウマに似てるけどこっちは総状花序。総状花序が小花に柄有りで穂状花序が柄無しということみたい。ちょうど虫がきて受粉しているところだった。ハチかなぁ...。

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○ニラ(ヒガンバナ科)
これはまさにあの食べるニラ。小さい花が密集してついていて可愛いね。ネギとかソバなんかもこんな感じの花でとっても可愛い。と思ったらネギもヒガンバナ科らしい。ソバはタデ科。蓼食う虫も好き好きってやつ。

花って奥深くて知れば知るほど深淵にハマっていきそう。
深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのだというように花のことを理解して愛していきたい。

自分に取ってはヒトよりよっぽど花の方が愛せるし、その愛くるしい姿を見せてくれるだけで十分な見返りがあるし、ここに愛の形が完結してしまっているではないかと考えて、引き戻れなくなりそう。