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スーパーマーケットを引き寄せたぞ!

先日、知人からうれしいニュースを聞いた。
私が切望していた某スーパーマーケットが近々、市内にオープンするらしい。

やったー!「手近で美味しい鮮魚を買いたい問題」解決だー!

何がどういうことか説明すると、さかのぼること8カ月前。
現住所に引っ越してきた私は、市内をあちこち見て回って「上手い鮮魚を売っているスーパーがないこと」に激しく落胆した。

三陸の親戚から頻繁に海鮮が届いたり、どういうわけかいつも魚市場の近くや、漁港のある街など、美味しい鮮魚が当たり前に手に入る環境で暮らしてきたため、たぶん魚にうるさい方なのだと思う。

そして、もともと肉派でも魚派でもなかったが、年を取ってすっかり魚好きとなった今、美味しいお魚が手に入るかどうかは、私のクオリティ・オブ・ライフに関わる大事な問題なのだ。

で、この街にもスーパーマーケットはたくさんあるが、なんだか鮮魚が微妙。それなりにお金を出せば、まあ無いことは無いが、それでもキラッキラでプリップリに輝くお魚にはあまり出会えない。
切り身にしてしまえば鮮度は分からないと思ってるでしょ?分かるのよ!
マグロさえ並べとけばいいと思ってるでしょ?近海魚好きもいるのよ!

むしろ、スーパーより小さな鮮魚店が頑張っていて、ほれぼれするような包丁さばきで芸術的な刺し盛りを作ってくれるお店はある。
ただ、残念ながらその店は旧道沿いにあって、ちょっと行きにくいし、閉店時間も早いので普段使いはしにくい。

この街には他にも超絶美味しい精肉店や焼き鳥屋、新鮮な野菜が並ぶ産直所、天然酵母の美味なるパン屋などがちらほらあって、休日のお店巡りなら楽しいが、時間がない平日は足を向けにくいのだ。

つまり、この街の問題点は「専業主婦のお母さんが昼間、時間をかけて一店一店回ってお買い物をして、暗くなる前にご飯を作って……」という昭和の家族モデルのままいろんなことが運営されていて、ガッツリ働いている女性には、めっちゃ使いにくいこと。

だからこそ、スーパーには頑張って欲しいのだが、そのスーパーに美味しい魚が並んでないってどういうことよ⁉ 魚好きとしては看過できん。

では、周辺エリアも含めて「上手い鮮魚が並ぶスーパー」は無いのかと言えば、そんなことはない。ある。水産業者から発展した鮮魚に強いスーパーや、こじゃれた「高品質な鮮魚も青果もある成城石井」みたいなスーパーもある。左の隣町にはその両方が、右と上と下の隣町には片方がある。

ただ、うちの我が市には無いのよね。チーン………。
聞いた話によると、市政と業者の癒着もあるらしくてさ。

仕方なく私は近隣市町村の鮮魚推しスーパーまで通っていたが、やっぱり遠い。そして、このことを両親や、こちらで出来た知り合いに愚痴ったところ、やはり多くの人が「スーパーの魚が美味しくない」と不満をもっているらしい。

そこで、先の鮮魚推しスーパーに、ホームページから出店依頼メールを送ってみた。単刀直入に「うちの街に出店してください」と。

市内各スーパーの鮮魚売り場がダメ過ぎてツラい。この街のスーパーはほぼA社とB社系列だが、それしかないから使っているだけで、市民がこれらのスーパーに満足し、歓迎しているわけではない。品質と品ぞろえが良く、価格も納得のスーパーがあれば、そちらに通うだろう……と。

まるで陳情書で、送られた方は驚くだろうが、そんなこと気にしていられない。

ひとしきり残念な現状を述べた上で、市の人口推移データや、転入者の年代グラフや不動産業者のアンケート結果に見る世帯構成の推測や、この街を選ぶ人たちの特徴、「おそらく隣町の●●店の客層と似てますよ」という私の推測もくっつけて、ピロッと送ってみた。
「出店してくれたら地元用のSNSで盛大に盛り上げます!」と書き添えて。

しかし、お返事はなかった。
そりゃそうだ。こちらの勝手な要望を一方的に送り付けただけだからね。

そんなこんなでメールを送ったことすら忘れて4カ月がたった先日、私の「魚愚痴」に共感してくれていたセラピストさんが「知ってます?スーパーの▲▲がこの街に出店するらしいですよ。出店用地取得したんですって。▲▲で働いてる人から聞きました」と教えてくれた。

なんと!!!!!
その▲▲こそ、私がメールを送った「鮮魚推しスーパー」だよ!

ありがとう▲▲。めっちゃ対応、早くない⁉
と思わず小躍りしたが、生鮮食料品に強く、価格もほどよい▲▲はパンデミック禍でも順調に業績を伸ばし続けているので、おそらくうちの街も出店計画に入っていたのだろう。

でも、本社の人たちが「D店とE店、どっちを先に出店しようか?」と迷った際には、私のメールが出店を早める一押しぐらいにはなったはず。グッジョブ、私!

というわけで、私の最大の懸案事項「上手い魚を手に入れたい問題」は解決。すでに出店予定地も見つけたので、今は施工工事が始まるのを楽しみに待っている。

さて――自慢を続けてしまうが――実は私が自分の身の回りに「欲しいお店」を引き寄せたのはこれが初めてではない。
以前、仕事帰りにいつも買い物をしていたショッピングモールにも「美味しい鮮魚店」を引き寄せたことがある。

引っ越してきて、そのショッピングモールに通い始めた時、出店構成がそこの主要顧客である周辺マンション群に住む人たちのニーズと全然かみ合っていない気がして、Googleマップのクチコミに感想を書いたことがあった。

ここには、どの郊外のショッピングモールにも入っているチェーン店しかなくて、賑わっているのは近隣人気店の総菜やパン、地場野菜を集めたローカル市場くらい。この周辺は鮮魚店が全然ないけど、みんな美味しい魚が欲しい時はどこで買っているんだろう?と。

すると、たちまち5000ビューを超え、いいね!も付き、数カ月後にそのショッピングモールは店舗の約4分の1が入れ替えになった。そしてイートイン付きの鮮魚専門店(しかも高くない)が入り、レストラン街の回転寿司はワンランク上の店に替わり、私も大好きだったローカル市場の総菜&弁当の品ぞろえはますます拡充。

つまり、私にとっても、おそらく周辺マンション群の皆さんにとっても、より好ましいモールに生まれ変わったのだ。ブラボー!
ほどなくしてコロナがやってきたが、そこが日々のグローサリーとしてパワーアップしてくれたおがけで、我々のテレワーク生活はかなり満ち足りていた。ありがたいことだ。

まあ冷静になれば、この一件だって、ちょうどショッピングモールの店舗見直し時期と重なっただけだったかもしれないし、デベロッパーの人がクチコミを読んだかどうかさえ分からない。

だけど、それはどうでもよくて、私が言いたいのは
「こうなって欲しいなぁ……こうなるといいなぁ……」と願っているだけだと、なかなか『引き寄せ』は起きないが、そこにちょっとアクションを加えると、知らぬ間に運命の輪が回り始めて、いつしか魔法のように叶うケースが多いってこと。

ほんとに「え、マジで?うれしい。やったー!」という簡単さで叶っちゃうから面白い。

宇宙の力を借りると、あり得なさそうなことがあっさり起きるのだ。
陳情に行くより早くない?

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