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Barbra Streisand - The Way We Were / 追憶 - 1973

素晴らしいシンガーで、女優でエンターティナーとしても一流の彼女。とは言うものの、どちらかと言うと、あまり好きでは無くてっっ汗

なんでだろ…昔から、なんで好きになれないのかなあ?
きっと多分、決して美人では無いのに、美人がやるような役を演じて、カッコイイ男性たちのハートを射止めるような立場だった彼女に反感持ってたのかしら??

ええ、三枚目的と言うか、そういう不美人だけど、見た目でなくて中身が魅力的という事で評価されるって、普通は感情移入しやすく、誰もが共感するポジションなはずですけど。
彼女が演じる役柄の女性って、気が強くて生意気で、男性と対等にやり合う鼻持ちならない女性って、そんな感じだったから。

美人なら解るけど、ブスのクセに生意気!って、日本人からして反感買っちゃうような? 
その辺りは、淀川長治さんも書いてらっしゃいましたが…

いやさ、別にバーブラはブスでも醜女でもないです。バランスのよろしくない顔立ち(鼻が高すぎる)ってなもんで。

日本人が見た時に抱く、欧米の美女のイメージと違うって、そんな感じなのでしょうね。

なんかまー 天下の大女優、大物相手に、随分なモノの言いようだなあ、私。

でも、確かに欧米での評価に比べると、日本での人気度はイマひとつだったかも知れないですね、彼女。
映画はどれもヒットしてましたけど…

「Memory / メモリー」

さて、彼女はアメリカ在住のアメリカ人ではありますが、血筋としてはユダヤ系のロシア人。実の父が生後15か月の時に亡くなって、母親は再婚したわけですが…その義父との折り合いが悪く…

と言うか、継子イジメをいる父親だったんですね。
母親も娘に対しては冷淡であったことから、彼女は自分の存在、そして容姿にコンプレックスを抱くことになったそう。
このことは彼女がショービズの世界で成功してからも、ずっと精神的に彼女を支配し、悩まさせることになりました。

そういう幼少期の環境に育ったこともあり、とくに音楽や楽器など、英才教育と呼べるものとは無縁だった彼女。
その後の道筋を切り開いたのは、天賦の才能と努力の賜物だったと言えましょう。

高校で合唱部に所属したものの(ニール・ダイヤモンドとは同級生)、大学へは進学せず、ナイトクラブで歌手デビューを果たします。女優志望だったので、オフ・オフ・ブロードウェイの舞台に出演し、ゲイバーに出演したことで成功を納めます。

この頃、本名のバーバラをバーブラに改名。なんでもユニークさを出したかったとのこと。

実力から頭角を現したバーブラは、オフ・オフのブロードウェイからブロードウェィへと進出。1962年にミュージカル「あなたには卸値で」に出演し、シンガーとしてコロンビア・レコードと契約にこぎつけます。

「I Can Get It For You Wholesale」1962

「Pins & Needles」1962

結果、デビューアルバム「ザ・バーブラ・ストライサンド・アルバム」は、1963年に2つのグラミー賞を受賞することに。

「Who's Afraid Of The Big Bad Wolf? / 狼なんか怖くない」1963

「Cry Me A River」1963

オリジナルはジュリー・ロンドン。
ビートルズやロックバンドなどがチャートを占めている中で、彼女のアルバムのヒットは快挙と言われました。

「Lover Come Back To Me / 恋人よ、我に帰れ」1963

映画「Funny Girl / ファニーガール」1968

19世紀のブロードウェイで活躍した喜劇女優、ファニー・ブレイスの半自伝的物語なミュージカル。1964年にミュージカルで初演となり、舞台版に引き続き、映画でもバーブラが主演しました。

ファニー・ブライス

ちなみにこの「ファニーガール」は「あなたには卸値で」を見た、ジュール・スタインがバーブラのために制作したミュージカル。

「Don't Rain On My Parade」1968

「My Name is Barbra / マイ・ネーム・イズ・バーブラ」1965

こちら、彼女のために作られたスペシャル番組。

映画「Hello Dolly / ハロードーリィ!」1969

サッチモとのコラボがサイコ-でした。私はテレビ放映時に見ました。

「So Long Dearie」1968


さて、彼女はユダヤ系アメリカ人だったことで、政治的な姿勢を明確にしていたことから、脅迫行為を度々受けるようになっていたために、ミュージカルの舞台やコンサートを行うことを自粛し、主に活躍の場を映画やレコードに移していくことになります。

「Stoney End / ストーニー・エンド」1971

映画「A Star Is Born / スター誕生」1976 予告

「Evergreen / スター誕生-愛のテーマ」1976

この映画は最近、レディガガでリメイクされましたね。
ガガも大好きだけど、私の時代だとこっちかなあ…
でも、この映画も、もともとリメイクです。
オリジナルはジュディ・ガーランド。

「A Star Is Born / スター誕生」1937

内容はだいぶ違うかなあ…物語としては同じだけども、時代の差って奴でしょうか。

「A Star Is Born」2018

「Woman In Love / ウーマン・イン・ラブ」

ビー・ジーズのギブ兄弟、バリー・ギブの曲で新境地を切り開きました。世界的大ヒットとなりましたけども…
この曲をサザンがパクッてますよね。解るかな?

はい、サビのメロディが「愛の言霊」まんまです。

まあ別にいいけど、パクりは日本人の専売特許?とりあえず、きっとサンプリングだよ…ということにしておくか…

この程度はよくあることです。

&Donna Summer「No More Tears / ノー・モア・ティアーズ」1979

ドナ・サマーとのコラボ。これもまた素敵です。

この頃のバーブラはノリに乗っていました。全米でもっとも成功したシンガーで、とにかくアルバムが売れに売れ、プレスリーとビートルズに並んで、音楽評論家のスティーヴン・ホールデンに「フランク・シナトラ以来、最も影響力のある米国ポップ歌手」と評されるほど。

映画「Yentl / 愛のイエントル」1983 予告

なんと映画監督にも挑戦。この映画見てないのですが、彼女自身が主演・脚本・監督・製作をしましたね。音楽つーか、ミュージカルスコアを担当したのはミシェル・ルグラン。

内容としては、女性の教育が許されてない時代に、タルムードを学びたくて、男装して入学した女性の物語デス。
お約束に同級生と恋に落ちるって話だったかと…

「Papa Can you Hear Me?」1983

ミュージカルなので当然、歌うシーンあり。

スティーヴン・スピルバーグやフェデリコ・フェリーニらには絶賛され、アカデミー賞で作品賞と監督賞は受賞しましたが、作中で描かれているフェミニズム思想により、批判や酷評など、反発もたくさん受けた作品だったり。

「The Prince Of Tides / サウス・キャロライナ-愛と追憶の彼方」1991

パット・コンロイの小説『潮流の王者』を原作とした恋愛映画です。こちらでも主演・製作と監督を担当。ミュージカルではなく普通の映画ですね。

けれども、80年代は政治活動のために音楽活動は休止状態に。1993年になってようやく、ずっと中断されていたライブや27年ぶりの全米ツアーが開催されることに。この時のチケットはまさにプラチナチケットで、すべてのチケットが1時間未満で売り切れ。「世紀の音楽イベント」とタイム誌に書かれるほどに騒がれました。

2000年のライブ オープニング
Barbra Streisand - Timeless - Live in Concert - Opening, You'll Never Know & Something's Coming

「I've Dreamed Of You」2000

映画「Meet The Fockers / ミート・ザ・ペアレンツ2」2004 予告

ロバート・デ・ニーロ、ダスティン・ホフマン、ベン・スティラーと共演したコメディ映画です。

& Tony Bennett「Smile / スマイル」2006

トニー・ベネットとのデュエット。自宅でレコーディングしたそう<自宅にスタジオとはさすがです

さてさて…

映画「The Way We Were / 追憶」1973 予告

この映画ねー ロバート・レッドフォードがもう素敵で💛 
なんで、相手役がバーブラなの?って納得できなかったの、当時はwww 
その時点で、ライバルを見る目線だったのかなあっっ汗

「The Way We Were / 追憶」1973

確かこの曲も珈琲のCMに使われた気がする。
良い曲です、染みます。

そう、愛しているんだけど、愛だけでは一緒にいられないんだよね…好きだけで、それだけでいいならいいんだけど。

生活と言うか人生を共にするとなったら、思想とか趣味とか、色んな事すり合わせていかないといけない。

その過程で愛が接着剤になる場合もあるけど…人としての方向性の違いは、愛だけで埋められない。どうにもならないことがあるって、そんなことを思い知らされる映画。

私だったら、レッドフォードが旦那様になってくれるんなら、もうそれだけでいいじゃん! 他のこととかもう棄てちゃっていいよって、そんなことも思っちゃうけど…
そうはいかないのが人間。

人としてのポリシー、それが対立し合い、正反対であったとしても、自立した生き方やその在り方に魅力を感じて、互いに惹かれあったんなら、なおさら曲げられないものがある。

そして、一度掛け違ってしまったボタンは、もうどうにも収まらない。

こういうのって、男と女でままあるよね。
恋愛と結婚、生活していくことと人としての在り方は別‥
譲り合えないものってあるもんです。
心と思想は別物だし お互いに別々の人間で、何もかも一緒と、相手に合わせられないことも多々ある。

てなわけで切ない映画です。そんなこの映画の物語を、
この曲がめちゃ盛り上げてまんなー

結構最近?のですけど、ライオネル・リチ男いやさリッチーとデュエットしてるのを公式で発見。

「Pure Imagination」(Live 2016)

そうですね…そんな感じで昔は好きでなかったのですが、
大人と言うか~BBAになった今では、彼女の良さがよく解るようになりました。

やはり上手いシンガーだし、それだけでない魅力がありますよね。決して劇場型ではないけど、抑えた繊細な表現力がある人で…美人ではないけど…コケティッシュな存在感と言うのかなあ。無視できない何か、がある人だと思うし。

そんな風に外見では無く、歌や表現力、実力で評価する。ある意味では公平とも言えるショービズの世界の在り方。それが日本や韓国の見た目重視の芸能界や、エンタメ業界との大きな違いですよね。

そして人権を無視して、歌手やアイドル(タレント)を商品として扱う市場で、事務所の力関係での出来レースでも、加工された商品でもなく…
実力一辺倒の厳しい世界とは言え、その人そのものが評価されるのが欧米の業界の良い点かなあ…

でもって、そんな厳しい世界でずっと第一線を走り続けてる、バーブラってやっぱすごい人なんだって、改めて思うのでした。

「People」


F2blogに書いてあるものを、訂正・加筆・リンク修正の上、こちらに再度マガジンとしてまとめてUPしています。

「My Favorites〜音楽のある風景」
 2021/11/16 掲載記事より転載


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