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Mark Lindsay & The Raders - Indian Reservation / 嘆きのインディアン - 1971

実のところ、マーク・リンゼイとレイダースのことはよく知らないんだけど…この曲だけは知っている…って感じなのですよww

Mark Linsey of Paul Revere & the Raiders

ていうかー たぶん日本では、この曲しかヒットしてないと思う。日本語のウィキページにも説明ないですしね〜
(アメリカのページにはありますが)

「Tighter」1967

「Just Seventeen」1970

「Let Me」1972

「Indian Reservation / 嘆きのインディアン」1971

原題の「Indian Reservation」というのは、「インディアン居留地区」という意味。タイトルまま、歴史的にインディアンの人たちは、本来はアメリカの先住人であるというのに、後から来た西洋からの侵略者たちに土地を奪われ命を奪われ、人権や様々な権利、文化や風習をも奪いつくされました。

(昨今ではネイティブ・アメリカンとも言われるけれども、彼らはネイティブと言われることを嫌っていて、インディアンと呼ばれることの方を好みます)

インディアン居留地区とは、アメリカという国を作り上げた侵略者側が、先住民を追いやった、ユダヤ人にとってのゲットーのような場所です。

「あなたたちはここでしか生きてはいけません」と、住むところを勝手に決められてしまったわけです。

伝統的なお祭りも禁じられ、遠くの、見ず知らずの土地に何日も何日も徒歩で歩かされて、何も持っていくことが出来ず、身一つだけの旅を架せられて…その姿はさながら殉教者か奴隷(捕虜)のようでした。

この歌はその先祖代々の土地を奪われて、死への旅路を何キロも歩かされた、チェロキー族の「涙の道」のことを歌ったことです。

インディアンの悲劇はこの出来事だけでなく、南北のアメリカ全土で起こりましたけれども…彼らの子孫ではなく侵略者側である、白人たちのバンド、マーク・リンゼイがこのことをテーマにして歌ったことに、意味と意義があると言えるのかも知れません。

実は知り合いで白人だけれども、某インディアンに育てられた人(居留区にて)がいまして、その人は亡命して日本に住んでいるのですけど(だから日本語達者)。インディアンの時の生活様式を基本としながら、動物保護をしながら山奥(だが関東)に住んでいるので、電子機器を使わず、連絡がほぼ取れませんっっ汗

彼女の本
私は彼女のことをタシナさんと呼んでます

そして彼女はアメリカのインディアン政策の犠牲者でもあり、正義の国アメリカの名の下の法により、避妊手術を受けさせられた一人(インディアンの人数を抑制するためのふざけた法律)。そんな彼女の傷はとても深いです。

気高く誇り高い戦士ですが、過去の出来事のため頑なでもあるかなあ…

アメリカという国において、黒人の人種差別問題に関してはヒステリックな位に過敏なんですが、そうではない国、難民であるメキシカンやヒスパニック系に対してやインディアンに対しては無視されているというか結構残酷です。置き去りにされている問題というのかな。

リンカーンも黒人奴隷解放には熱心に尽力しましたけど、インディアンには討伐命令や虐殺命令とかも出している<この矛盾

そして長いこと西部劇(時代劇)では、インディアンは必ず悪として描かれていて、彼らの存在や歴史的事実を肯定的にかつ尊重してメディアが伝えるようになったのは(湾曲せずに)、僅かここ近年のことだったりします。

けれど、そこをきちんと真正面から見据えると、アメリカ国民すべてが略奪者の子孫ってことになってしまい、アメリカの建国そのものを否定することになってしまうから(アイデンティティ)、それは出来ないってな問題になってしまうのかなーとは思います。

それでもインディアンに与えられた冤罪は晴らしてほしいぞーと、思ったりするのです。

童謡「Ten Little Indians / 十人のインディアン」1868

とはいうものの、たぶんもしかしたらですけど、アメリカ独立戦争のときに一部のインディアン部族たちがイギリス側について後方から攻めてきたって事実があるので、そのことを根に持っているというか、それが背景にあるかも…

なんですよねー どうなんだろう?

でも、それって当然じゃん?って思ったりする。インディアンの人たちからしたら、約束守らないし、理不尽な侵略者たちなんだから<アメリカ政府は

映画予告「They Died with Their Boots On / 壮烈第七騎兵隊」 1941

さてさて…ネイティブ・アメリカンと言われるのを嫌う、インディアンの彼らについて、正しい見識で描かれているドラマや映画は少なくて、ケビン・コスナーの「ダンス・ウィズ・ウルブス」も賛否両論でしたよねー

私はあの映画好きだけども。

映画予告「Dances with Wolves」1990

映画予告「Geronimo」1993

とはいうものの「ダンス・ウィズ・ウルブス」がヒットしたおかげで、こんなんも作られることになりました。ジェロニモとはアパッチ族の伝説的な酋長で英雄です。

石森章太郎先生の「サイボーグ009」にジェロニモ(005)というキャラが出てきますけど、髪型がモヒカン族なので色々と顰蹙かっちゃいましたですっっ

そりゃ、アパッチ族の英雄の名前を他部族に描かれたキャラに付けられた日には、怒っちまいますよね。日本だったらば、中国人のキャラに昭和天皇とか、韓国人キャラに坂本龍馬って付けられちゃうようなものだし。

映画予告「Soldier Blue」1970

インディアンはたくさんの部族があって、名前で部族がわかるようになってたりもするし、山のインディアンと森のインディアン、平地のインディアンでは、文化とか宗教的儀式とか習慣とか、多少似通ってはいても異なる部分があります。気質も異なりますしね、言葉も違うし。 

映画予告「Little Big Man / 小さな巨人」1970

して、仲の悪い部族、良い部族色々…好戦的な部族。平和な部族。カラーも異なります。ちなみに、シャイアン族とかはとっても好戦的な部族だったり。

「Dr. Quinn Medicine Woman / 大西部の女医ドクタークイン」1993

このドラマの中では、インディアンの人たちのことを彼らの意見を尊重した上で(アドバイザーとして採用して)制作しているので、わりと評判がいいです。

「ヤング・ライダーズ」という南北戦争時のドラマでは、インディアンと白人の混血であるがゆえに、どっちつかずのアイデンティティに悩む、バックというキャラも出ていましたね。

「The Young Riders」1989

内容は、えっと実在した大西部の飛脚物語って感じですww ビリー・ザ・キッドやバッファロー・ヒルなど、アメリカの西部開拓史を語る上で忘れられない人物たちも出てきて面白いですよ。南北戦争やアラモ砦のこととか、色々歴史的な事件も出てきますし。

映画予告「Wind River」2017

でもって、インディアンたちのDNAはモンゴロイドで、もしかしたら彼らの祖先は北海道から樺太そしてシベリア、アラスカ、カナダを経由して、北米大陸に渡った縄文人(日本人)かも・・・という研究結果もあるらしいですね。そういう番組が確かあったカナ。

映画予告「Broken Arrow」1950

なんか北米と南米のインディアンたち、彼らも平和遺伝子(D型染色体)を持っている…そんな部族が多いらしいので。

だとしたら兄弟って感じですよね。そして同じ平和遺伝子を持つチベットも中国に侵略されちゃったなあ。なんか平和的民族はやっぱ駆逐されちゃうのかなって、悲しいぞって思う。

チェロキーは森の部族であり、とても穏やかで友好的かつ平和的な部族でした。

ちなみにこの本「リトル・トリー」ですが、チェロキー族であるフォレスト・カーターの自伝になります。とても素晴らしい本です、大好きな愛読書です。チェロキーという部族がどういう部族だったのか、よく解ると思いますので、機会があったらどうぞ読んでみてください(学校推薦図書にもなっているそうです)。

でもって、なぜか、前に紹介したボン・ジョビが一方的にライバル視していたスウェーデンのハードロックグループ、ヨーロッパ。彼らもチェロキー族のことを歌っていたりするのですよ。

Europa「Cherokee」1986

♪Cherokee, marching on the Trail of Tears♪ という歌い出し。まさに「涙の道」のこと。アルバム収録曲ではなくて、シングルカットされましたが売れませんでした<この曲

うーん どうして彼らが?? 信念つーか信条というか、何か思うところあってのこのテーマなんかい??

「嘆きのインディアン」もチェロキーだし、この歌もタイトルからして「チェロキー」チェロキー族、大人気ですww

Iron Maiden「Run To The Hills / 誇り高き戦い」1982

私の大好きなメイデンも、インディアンの戦いをテーマにした歌を歌っていまして<「丘へ走れ」とはヨーロッパ人の侵攻から命を守るために丘へ逃れる、スー族のブラックヒルズの戦いでのこと。

でも、シャイアンもアパッチもホピもナバホもスーも、ブラックフットもチョクトーもカイオワも、もっともっとたくさんいるですのにね。

「涙の道」「塩の道」を辿り渡った部族はたくさんたくさんいます。

そして、どうでもいいことなんですけど…純粋なネイティブの人たちから世界的な知名度のあるロック・バンドって生まれないなあ…いやさ、いちおう活動している人たちはいて、CDも出ているんですけど。日本では手に入らないって感じかも。そういえば、昔もらいましたわ。

レッド・ウィングってローカルなバンド。

ネイティブの血を引いているって俳優やミュージシャンはいることはいるけど、ああ「コンドルは飛んでいく」も南米インディアンのフォークロアですね。出稼ぎ的に駅前で路上ライブやっている人たちいたっけ…そういえば。警察がくると撤収してたけど、池袋や巣鴨でもよく見かけたものです。

おまけ

「American Indian spirits」

「イーグルダンス」


他blogに書いてあるものを、訂正・加筆・リンク修正の上、こちらに再度マガジンとしてまとめてUPしています。

「My Favorites〜音楽のある風景」
 2020/10/30 掲載記事より転載


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