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The Brothers Four - The Green Leaves Of Summer / 夏の青葉 - 遥かなるアラモ - 1960

ブラザーズ・フォアって、フォーク・グループになるんですけど、日本のダークダックスとかデュークエイセスとかの、
コーラスグループのルーツなグループのような気がする。

…っていうか、歌ってる曲の系統が似てるってだけか。

そして、彼らはグループ名がブラザーズといいつつ…
兄弟ではありませんのでした。

なんてかー 
仲間とか同胞(同士)って意味合いで、付けたそう。

彼らの代表曲と言うと、

「Green Fields / グリーン・フィールズ」1960

これって、音楽の教科書とかにも載ってなかったっけ?
違ったっけ?

オリジナル曲ですが、スタンダードな、昔からのフォークロアな印象の曲ですよね。

まあフォークって、そもそも…そういう曲だから当然か。

そして、この曲。

「The Alamo / 遥かなるアラモ」1960

昔読んだ情報(たぶん、ライナーノーツ)なので、
うろ覚えなんですけども…
この曲は作曲者ディミトリ・ティオムキンが監督から、
「こういう感じの曲を作って欲しい」と、リクエストされたものの…

ディミトリ・ティオムキン

なかなかイメージ通りのものが出来ずに煮詰まっていたところ、とあるウ〇ライナ民謡を聞いて「これだー!!」と閃き、ほとんどそのまんま使ってしまったということです<盗作ぢゃねーか

当時はソ連に属していたウ〇ライナですが、何しろ北の国ということで夏が短い。その短い夏に対する現地の人の想いが、この原曲である「夏の青葉」の歌詞なんですね。

※でもね、ウ〇ライナ民謡「夏の青葉」で探しても、該当する曲が出てこないのですよ。眉唾かいな!

乾いたテキサスとは真逆の土地特有の風土から生まれた曲が、この映画のメインテーマとして使われて、映像にぴったりはまっている。なんともな不思議…

夏の青葉

刈り取りの時 種撒く時
夏の緑の葉が 私を故郷へ誘う
若くあることはとても良かった
豊かな季節の中で
あの時ナマズが跳ねていた
空ほどに高く 

ちょうど植えるための時
そしてちょうど耕す時 求愛する時
娘を授かる時 若くあることはとても良かった
大地に寄り添うようにあって
そして、妻の傍らに立ち
あの誕生の瞬間に

刈り取りの時 種撒く時
夏の緑の葉が 私を故郷へ誘う
若くあることはとても良かった
林檎の甘い香りがして
あの松の木でフクロウが ウインクしていた

刈り取りの時 種撒く時間
ひたすら生きていくための時
死ぬ場所で
若くあることはとても良かった
大地に寄り添って
今、夏の緑の葉が 私を故郷へ誘う

若くあることはとても良かった
大地に寄り添うようにあって
今、夏の緑の葉が 私を故郷へ誘う

https://magictrain.biz/wp/

Dimitri Tiomkin「The Alamo Original Soundtrack」

でもって…
ブラザース・フォアのオリジナルより、
私はこっちの男女混声合唱団バージョンの方が好きです。

Marty Robbins「Ballad of the Alamo」

同じ歌のフランキー・アヴァロンのバージョン。

ちなみに私、この「アラモ」って映画がもうすごく好きで、見るたびに泣いてました。リメイクされた方ではなくて、
ジョン・ウェインがデイビー・クロケットだったやつ。

ジョン・ウェインが演じました
役者としてはいい味出してたし好きだったけど
人種差別主義者だったしタカ派だし
原題では嫌われものな俳優さんにっっ汗

西部劇がもともと好きだというのもありますが、
あの絶対に勝てないとは解っているのに全滅する覚悟で、
それでも男のプライドで闘う、テキサス義勇軍たちに感情移入しちゃって、もぅ(T^T)

なので、いつかアラモ砦に行きたいって、ホントそう思ってました。戦国武将や三国志のファンがかの地に巡礼したがる感覚ってのかなあ…

うん、曲聞くだけで泣けるもん。

「七人の侍」と同じ男のロマンってのが、ある映画です。

この映画も血があらぶりますなあ…

「皆殺しの歌」

※戦闘シーンで流れてました。リオ・ブラボーでもお馴染みの曲。

「Rio Bravo / リオ・ブラボー」1959

そういえば…昔っていうか~出来た頃のディズニーランドに、「デイビー・クロケットのカヌー探検」と言うアトラクションがありました。けど、カヌー漕ぐのが運動不足の現代人には結構苦行で…早々と無くなってしまった印象がありますww

腕が筋肉痛になります
もし松岡修造がこのアトラクションのキャストだったら
ピッタリであろう

そうですね、ひと昔前はデイビー・クロケットは、アメリカ人にとっては国民的英雄ですが、もはや現代となっては過去の人になってしまったなあ。

テキサス州では今でも英雄、な人かも知れませんが・・・

そしてテキサス、アメリカの英雄を出すなら、メキシコ側の英雄も出しておかないとねっっ

歴史って言うのは、片側からの意見だけで判断してはいけないし、視点を変えて、もう片方の側から見ると、まったく違った意味を持っていたりするから。
まあ、アメリカがサンタ・アナ将軍を主役とした映画を創ることはまずないだろうなあ…その他の国にキボンヌ。

「The Alamo /
 アラモ」予告編 1960

日本語のが見つかりませんのでした 英語のみ

どうでもいいトリビアですが、アラモ砦の戦い(テキサス独立戦争中の出来事)は1836年で、アメリカとメキシコの確執はその後も続き、このアラモ砦でのくすぶっていた火種が10年後に勃発。戦争へとなだれ込みました。

その時に、あの「ドナー隊の悲劇」が起きたのですが、ちょうどこのアメリカメキシコ戦争へとカリフォルニア州の男性たちが駆り出されていたがために、捜索隊の人出が足りず、救出が遅れてしまった…というような背景があったりしました。

んで、この戦争の直後に「カリフォルニア・ゴールド・ラッシュ」が始まったりするのでした。

戦争と悲劇の前後には好景気と不景気が交互にやってくると言うのは、不快で認めたくない事実だけれども、必ずな時代のお約束だったりするのでありました。

んで…このあたりの歴史を調べていると、懐かしの西部劇で出てきた地名とか色々出てくるから、西部劇ファンとしてはワクワクするのでありますよ。
「カリフォルニア・トレイル」「ソルトレイク」(ヤングライダー)とか「ララミー砦」(ララミー牧場)「リオ・グランデ」(リオ・グランデの砦)とかとか。

「Rio Grande / リオ・グランデの砦」1950

まあ、それはそれとして。
今もリアルタイムで起きているウ〇ライナの悲劇を思う時、大国vs小さな地域(小国)との構図ということで、この負けると解っていても名誉ある戦いに準じた人々のことを思い出しますし、そのメインテーマとなった曲が、眉唾だとしてもその土地の民謡と言われていたことが何とも…と思ってしまうのでした。

やがていつか、彼らが故郷に帰った時、荒廃したその様相を見て、この歌の歌詞にあるように、自らも若く、美しかった故郷の姿を思い出し、懐かしむのでしょう。


F2blogに書いてあるものを、訂正・加筆・リンク修正の上、こちらに再度マガジンとしてまとめてUPしています。

「My Favorites〜音楽のある風景」
 2020/10/25 掲載記事より転載


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