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何を以て「プロ」なんだろうか?

多分ごくごく偏見です。こんな事言っちゃ身も蓋もない話です。
でも、ひとつの見方ではあると思ってます。
「これが全てを指している」なんて言うつもりもありません。

何か結論が出てくる話じゃないですが、ひとつの例だと思って読んでもらえたらありがたいっす。

 
 
 

介護職時代、足の筋力が低下して、多少バランスを崩しやすい利用者さんと「自転車に乗る」練習をしてました。
全くと言っていいほど乗れなかった自転車に、まっすぐと緩いカーブくらいの道なら乗れるようになりました。もちろん実用性は30%くらいだと思いますが。

 
 

会社の取り組みで始まった「旅行リハ」みたいな活動に、要介護4(めっちゃ重度とされてる)で麻痺はあるし身体もめちゃくちゃ固い方に参加してもらってました。杖でガッツリ歩いていただきました。(もちろんすぐ座れる体制はとって)

 
 

障がいの分野に移って、会社の方針というか、理念でもあったと思うんですが、いわゆる脳卒中によって片麻痺がある方を、就労継続支援A型やB型に受け入れて、ジャンジャンお仕事をしてもらいました。
どうやって身体を使ったらうまく作業ができるか、一緒に考えながら仕事を組み立てていました。上手く機能してたかどうかは分かりませんが。

 
 

60歳を越えた当事者の方の一般就労を、関係機関のスタッフに力を借りながら、A型から2名送り出しました(お一人は僕が退職する境目だったので、最終的に託した形にはなりましたが)。

 
 

今うちの法人の事務方の中枢に、片麻痺がある、でも事務のスペシャリストを引き入れて普通にがっつりと雇用してます。

 
 

脳性麻痺のために、麻痺がある若い利用者、支援学校の時は屋外は絶対車椅子、屋内でも歩行器の使用が絶対ぐらいの方だったけど、今うちでは20mくらいなら、筋緊張を利用して何にもつかまらずに1人で歩いて移動します。電動車椅子は、家から事業所まで片道2時間弱を自力で通所するために使ってるくらいで、歩行器も使う事ないから持って帰ったぐらい。
介助なし、バランス崩してコケることもあるけど、うまいコケ方を身に付けてるから、特に手助けもしません。

 
 

制度サービスじゃない「住居支援」、シェアハウス型の実費サービスを始めました。小規模ですが。
基本的にはほとんど彼らに生活をお任せしながら、お金の管理とか、契約や手続き関係の支援とかしてます。
今日は連休中に何故か何も困っていなかった携帯をMNP契約させられていて、なんならWi-Fiルーターまでご丁寧に持たされていたので、きちんと元の携帯のプランと、MNPされた携帯+Wi-Fiルーターのプランの差や、双方のコストやメリットデメリットをきちんと説明した上で(元携帯営業してたんです)、やっぱり元の携帯がよかった、という結論を一緒に出して、その上で「道端やお店の片隅でアンケートとか声かけられても絶対に近寄らない事」っていう話をしてきました。
こんな風に毎日の生活を、「経験」を通じながら学べるように出来る限りタイムリーに対応しながらほどよく放任してます。

 
 

特性的にいわゆる「障がい者雇用」であてがわれる作業内容では、張り合い?負荷?が足りずむしろ不安定になってしまう利用者に、オンラインを使っての「プチ自営業」を提案して、そのために資格を取ること、オンラインツールを覚える事などを伝え、働く意味を「生活の糧」と、「張り合いややりがい」に完全に切り分けて、自分の仕事を自分で作る、っていうコーディネートをし始めました。(まだ始めたばかりでどうなるかは分かりませんが)

 

 

 
 

どれをとっても、例えば医療から見たらリスクかもしれません。
福祉の従来の観点から見てもツッコミどころは満載かもしれません。言われるのは「それで何かあったら責任もてるの?」です。

 
 

多分、いわゆる制度や法律に乗せたとき、これは管理責任や場合によっては賠償責任に発展する事かも知れません。
「たまたま」大きな事故や失敗に繋がっていないから、運がいいのかも知れません。

 

 

 

 

これって福祉ですか?支援ですか?

 

 

 

 

本人はもとより、ご家族からもクレームをもらったことはないんですが、こんなリスキーな事を支援としてやってます。
こんな事を支援として受けているご本人は、最初恐る恐るだったりしますが、大体途中から楽しそうだったりイキイキした表情で過ごされているようには見えてます。陰口でも人伝いでも「こんなことやらされて」とは今んところ言われてはなさそうです。
 

 
 

 

もしこれが福祉でも支援でもないのだとしたら、

 

 

 
 
 


何が福祉なの? 

そして、

僕らは何を以てプロなの?

 

 

 
 

僕は知識は決して広くはないかも知れません。大した資格も持ち合わせていません。法律にもそんな明るくないし、そういうものを上手く運用もできていないかも知れない。

 

でも、それが出来ることがプロだとは思いません。

 
僕にとっての「プロ」は、具体的に当事者の人生を前に進めることで、福祉業としてきちんと社会の中で生きれるように、環境や機会を提供したり、その中でやっていけるためにあらゆる発想を総動員させながら、それを叶えていく事だと信じています。

 
 

生きていく事って、障がいとか年齢とか多分関係なくいつだってリスクはどこかで伴っていて、何かを前に進める事と若干なりと引き換えにしているはずなんです。
 
 

 
それも踏まえた上でリスクをとっていって、それでもなおかつ真似できない結果を追っかけて出すのがプロなんだと信じてやっています。
まだまだクオリティは低いのかも知れないし、甘いのかも知れないですが。
 
 
 

利用者さんの人生をいっとき一緒に背負って、リスクに対しての責任も具体的に背負って、その上で結果が出せるかどうかがプロの仕事なんだと思ってます。

 

 

 

僕がいつもやってる事は、福祉なんでしょうか?支援なんでしょうか?

 

 
 

そんな事をずっと自問自答しながら、僕なりにプロの姿を追いかけてます。
いろんな試みをしながら、トライ&エラーをしながら、そこへ近づけたらと思ってます。

 

 

 

こんな僕がいまやっているオンラインコミュニティ、読み物や支援者の対談コンテンツ、すごくローカルでやってる活動記録など、ちょっとずつ中身が出来てきてるので、もし興味あれば覗いてみてください。来年4月からは有料のコミニュティになりますが、今は試運転中です。
(BASEで会費決済ができますが、現状は無料なので、Facebookで『ふくし会社margin』で検索して、参加申請をしていただくだけで大丈夫です。決済が発生するのは来年度からです)

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