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人を活かすためには「仕事」を定義する

久しぶりにnoteを書こうと思い立ちました。
最近ちょっと音声メディアにかかりっきりになってしまっていてほとんどnoteを書けていなかったのはちょっと気がかりになりつつも、アウトプットにかけられる時間がなかなかとれていない、ということもありサボっていました。


すごくどうでもいい事なんですが、僕は文章を書くことも話すことも好きなんです。2年くらい前からnoteを書き始めて、「文章で伝える」ということをずっとしてきたわけですが、最近音声メディアを使うようになって、直接声で伝える事と、文章を通じて伝える事、それぞれメリットとデメリットを感じてはいて、自分の中でその比重の置き方って結構考えるんですよね。


今はシンプルに物理的な時間、ということに差し迫られて結果的に文章を書く、という時間が取れないので省いてしまっていますが・・・。



すみません、余談で。


そんなこんなで久しぶりに少し時間が取れたので書いてみようと思います。




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福祉業だからこそ「仕事」の姿を明らかにする
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福祉業の中でマネジメントを行なっていく中で僕が大事にしているのはもう紛れもなく「人」です。
何度も繰り返し述べさせてもらっていますが、僕らの仕事は「人」がサービスを担い、「人」がその品質も担い、「人」の成長やポテンシャルの総量がそのまま支えることができる人の分母を決めるんじゃないか、というくらい「人」で成り立っています。


だからこそ福祉業のマネジメント、というのは「人」を中心に考えることになるんじゃないかと思っているんですね。


もちろん僕らはこれで飯を食っているので、収益についてもマネタイズについても考えなきゃいけません。
職業性から社会の動きにも敏感でなきゃいけませんし、それに合わせて事業を動かしていく、みたいなことも大事なマネジメントだとは思うのですが、ちょっとそれは後日また書かせていただくとして、やっぱり中心にあるのはどこまで行っても「人」なんですね。


人、というものを最大限に「活かす」にはどうしたらいいのか、ということがほぼそっくりそのまま狭義のマネジメントに直結すると思うのですが、その時にひとつ明らかにしておかないといけないことがあるな、といつも感じています。


それが何かというと「僕らの仕事って何なのか」ということ、そして「仕事の成果ってなんなのか」ということだと僕は考えています。



いや、福祉業で「僕らの仕事」ってそりゃ支援だろ、という声が上がるかもしれません。
確かにそうなんです。
支援現場においての仕事って「支援」のはずなんです。


でも実際に当事者の方への支援「だけ」を仕事としてやっている方はほとんどいないはずです。


少なくとも制度事業を行なっている限りは、記録だったり計画書だったり、その他いろんな事務的な業務があります。
そして事業体によっては外部の業者さん(仕事の依頼主だったりが多いかな)などとのやりとりなり手続きなどがあるはずなんですね。


もし僕らの仕事を支援「だけ」にしてしまうとこれらの事務業務はどうなるでしょうか?


もちろん誰かがやらなければならないことなので、そこで業務の分配を考えないといけなくなりますよね。


そうなると「支援」だけが仕事じゃない人が生まれます。




そして、もっと曖昧なのが「仕事の成果ってなんなのか」という問題です。


これはすごく僕の個人的な思いなのかもしれませんが、世の中のあらゆる「仕事」って必ず成果が明確になっていないとそもそも成立しないと思うんです。


福祉という仕事はなかなか成果設定がしにくい業態じゃないのかな、とずっと感じています。
正解もなければ一人一人全く違う道を進むもので、それが障害福祉であれ介護であれその他の支援であれ、一定した成果基準を設けるってとても難しい業態です。


それゆえに、その成果基準が「売り上げ」に置かれたり、業態によっては「一般就労者数」だったり「集客や利用率」みたいな数字に置き換えられたりすることもしばしば見受けられます。



そもそも何をもって仕事、というかはもちろん人それぞれ定義みたいなものは違うと思うんですけれど、僕にとっては仕事というのは「価値を生産すること」です。


これを福祉業に当てはめて考えると、「どれだけ人の人生を前に進める、ということにまつわる価値を生み出したか」というのが僕にとっての仕事の成果の概念ということになります。



人を中心に置いてマネジメントをしていくからこそ「仕事」というものの姿をまず明らかにしておかないと、そもそも人をどのように活かしていくのか、どのように動いて貰えばいいのか、ということが全く見えてきません。


意外と福祉業、特に支援事業所なんかは性質自体は明確なので「何が仕事なのか」「仕事の成果って何か」ということを議論しなかったりします。


ただそうなると必要な事務的業務がおざなりになってしまったままになることも起こりますし、業務の分配もひどく偏ったものになります。
そして成果の姿が曖昧になると各々の感覚値の成果基準で仕事が測られるようになったり、成果の定義を誤ると「売り上げ志向」になったり「制度報酬志向」になったりというちょっと本末転倒な運営の姿になってしまうんじゃないかな、と思います。




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業務を分配しないことと生み出す価値を
可視化する
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多分マネジメント、というのはどこまで行っても概念だったり考え方、という類のものなので、「これ!」という方法論の正解を提示することは難しくて、あくまでコンパスのようなものだと思ってその概念や思考を汲み取ることが大事だと思っているので、方法論としては参考までに、という範囲で書くんですが。


僕が受け持っているのは決して大きなチームではありません。僕は自分で大きな組織というのは支援をしていく上であまりしっくりこなかったので小さなチームを選んでいるのでそれを踏まえて、ですが、支援現場の中でついついやりがちになってしまうのは「業務で仕事を分配してしまう」ということなのかもしれないな、と思うんです。


業務で仕事を分配してしまうと、その業務を完遂することが仕事の成果、というふうに置き換えられることがあってあまり僕は好きじゃありません。


支援というのはチームアプローチだと考えている、という根本的な思考があるのはあるんですが、だからこそ現場をコーディネートする時には業務じゃなく「役割・役回り」で考えています。


元々僕が今の職場に配属した時には全く人が足りていなくって、ほとんどのところを僕が担っていた、というところから端を発したのはあるんですが、業務だけこなせてもそれ自体が仕事の成果なわけでもなければ、人が育っていく動線を考えた時にも、どう考えても業務がとびきりできる人よりも何かの役割を丸っと持てる人の方がキャリアプランは明るいような気がします。それが例えば就労の部分であってもいいし、メンタルケアの部分であってもいい。


そして役割で分配していくと、チームを構成する際に「どんな人材が必要なのか」というのが切り出しやすくなります。


そうなってくると現場はいろんな分野のスペシャリスト的な人たちの集まりになるので、みんな視点もさまざまになってくるので面白くなります。



その上で、仕事の成果、というものを定義していきます。


業務で割るのではなく役割で割っていくと、それぞれの仕事、というのは結構明確になってくるのですが、役割で分配することの良さは、この仕事の成果設計がしやすくなる、ということかもしれないと思っています。


現場を運営していく中で、賛否あるとは思いますが、役割を担ってもらうということは「欠けちゃいけない人」になるわけなので、自ずと果たしてもらうものが生まれてきます。


それが全て数値化できればいいんですが、流石に業態的には全て数値化はできません。
その代わりに果たす役割とその水準について可視化します。


もちろん数値化できるものについては数値化するんですが、数字を達成することが成果になってしまうと「人の人生を前に進める価値」とはズレてくる事もあるので、場合によっては利用者さんのレスポンスなども僕は評価感覚の中には入れています。


やるべき役割とどこまでのことを担い切るのか、具体的なアクションとして何をするのか、みたいな行動成果みたいなものを主に置くことが多いと思います。
数値化されるものよりは確かに分かりにくい部分もあるかも知れませんが、小さなチームだとぶっちゃけ1人の担う役割ってほぼ専従的な役割なもので大きいんです。
なもので、否が応でも事業の運営自体に関わるものになるのでマネジャーとしてもそりゃ必死で見ていますし、サポートもしているのでわりと明確に評定できやすいものだな、と思っています。



とまぁ、ざっくりではあるんですが、こんな感じで「人」が行う仕事の姿をクッキリさせることで「人」の活かし方を構築していく、というようなことを普段はやっています。


久しぶりに書いたらどえらい文量になってしまったんですが、日々のマネジメントをしていく上では、見えやすい業務を割り当てて、分かりやすい数字をとりあえず指標にする、というのではなくって、小さいチームだからこそですが人でしかできないところについては思いっきり属人性を高めていくようなマネジメントってなしではないな、というようなお話でした。


これはこれで人材の循環、という課題もあるんですが、それはまた別の機会に書かせてもらおうと思います。






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