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時代を読む 社会を読む

僕は個人的に、福祉という分野って「社会の鑑(かがみ)」だと思っています。
社会の中で色んな意味で生きづらさを抱えた人を支えることや、生きづらさが生まれないようにインフラを整備したりすることが僕らの役割なんだろうなぁ、と思っていて、逆に今あるインフラや社会資源で用いれるものがあればそれは最大限に活用すべきだと思っています。
 
 
ちょっと穿ったものの見方かも知れないけれど、例えば今僕がいる障害福祉の分野において、当事者を取り巻く環境や社会情勢もどんどん変わっていってて、本来ただ障がい者を漠然と支援していればいいわけではないと思うんです。
家族のあり方、働き方のあり方、生活様態のあり方、景気、法律の動きなど、昭和と平成と令和ではもはやまったくもって価値観も常識も別物で、そんな風に変化をしていく世の中、社会の生き抜き方も当然変化します。
 
 
ひと昔前までは障がい者支援というのは「福祉という枠組みで擁護すべき」という考え方(あくまで僕の捉え方ですが)でしたが、現在では障がい者の社会参加や自立が謳われています。つまり、必ずしも福祉の枠に留めることではなくて、社会の中で生きていくことへの支援というベクトルに変わっていますよね。
 
 
これは時代が変わったからであり、社会自体が変わった事を受けて福祉制度のベクトルが変わってきたことの表れですよね。
 
 
 
昨年、コロナウィルスが猛威を振るう中、社会は一変しました。というよりも社会自体は変化を迎えていたものが、コロナが一気にその変化を顕在化させた、という方が感覚的には正しいような気がしています。
 
 
インターネットが世に出てもうすぐ30年が経ちますが、今やインターネットは情報を検索するだけのツールではなく、ZOOMだったりSNSなど人と人がコミュニケーションをとるためのツールだったり、Youtuberのようにオンライン上で職業や仕事になるツールになったりしています。
終身雇用が崩壊した代わりに、フリーランスという働き方が台頭するようになりました。
大きな企業が安定しているとされた時代はもう過去のものです。
電話は家と公衆電話、ではなくもはやカードのような大きさでもはやコンピュータという方が合っているかのようなスマートフォンが主流になりました。
 
 
社会はすでに圧倒的に変わっていて、望むと望まざるに関わらず最後には僕らはそこに適応するしかない状況だったことが、コロナによって強制的に持っていかれただけなんだろうな、と思っています。
 
 
 
よく言われる話ですが、コロナによって今までの社会の常識や正解はもはや吹き飛んでしまい、今日たとえ正解でも明日にはそれが変更するような目まぐるしい世の中になりました。
一見すると明日がどうなるかなんてもはやさっぱり分からない、不透明で不安定で、課題が複雑化しているような社会です。
 
 
そんな中を僕らは一体どんな指標で、福祉として対象者の支援を行っていくんでしょうか?
 
 
福祉制度はもしかしたらもうすでにこの社会の変化のスピードに構造上なかなか追いつけてないかも知れません。
それどころか、例えば「障がい者✕生活困窮」とか「社会的孤独感✕子ども」とか、「障がい✕不登校ひきこもり✕困窮」みたいな重複した社会課題が生まれたり深刻化したりしているんだろうと思います。
今まで通用していたスキルや知識や対応策が片っ端から通用しなくなるわけです。
 
 
これに対しての正解なんてあるはずもなく、正解を知っている人もいないんです。
でも多分間違いないことは、今までと同じことをしていたらダメだ、ということ。
 
 
最初に言ったんですが、福祉は社会の鑑です。
多分僕らは社会そのものをもっと理解しないといけないし、社会が向いている方向を知って、これから社会がどうなっていこうとしているのかを読まないといけないんじゃないかと思います。
そして時代が今までどんな風に変わってきたのか、コロナのようなイレギュラーな事態も含めて時代はどんな動き方をしているのかを読まないといけないんじゃないかと思います。
 
 
僕は自分の持論として、「福祉こそ福祉から離れないといけない」みたいなことを考えているんですが、これもそのひとつだと考えています。
 
 
日々支援現場に立っていればどうしても目の前の利用者さんの支援、目の前にある課題に手一杯になったりします。1日の現場支援だけでヘトヘトになるくらいです。
ただ、その支援の先にある利用者さんの未来の生活や人生を僕らくらいは見据えて動かなきゃ嘘じゃないですか。
 
 
もう少し僕ら福祉業は、社会の動き、時代の動きを読み取ることと、そこからどれだけ早めに動き出すか、という思考サイクルを持たないといけないなぁ、というお話でした。
 
 
なんかぼんやりした話になったような気がしますが申し訳ない。

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