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「『愛は勝つ』の歌詞分析の論文を書きました」と、やっと胸を張って言える

 約2年半前、noteで以下の記事をアップした。

 それから約1年後、2021年12月になんとか論文を書きあげることができ、翌年の2022年3月、修士の学位を頂くことができた。
 だけど、自分の中で何となくモヤモヤが残っていた。
 正直なところ、論文の出来に納得がいってなかった。もう一年、大学院に残って研究を続けようかとも思った。でも、無理に1年延ばしたとしても、成果を出せるかどうかは分からない。また個人的な事情もあり、論文の出来よりも最短コースの2年で修士課程を修了することを選び、力技でなんとか書き終えた。

 それから約半年後の夏、大学院時代に指導してくださった先生からメールを頂いた。大学から発行されるオンラインジャーナルへの、投稿者募集のお知らせだった。
 「修士論文をもう一度やり直したい」と考えていた私に、チャンスが来たと思った。
 オンラインジャーナルには、書きあげた修士論文を自分で要約した文章を載せていただくことができる。応募できるのは「修士研究報告」(A4用紙8枚分の文章)と「修士研究短報」(A4用紙4枚分の文章)の二種類から選べた。私は迷わずA4用紙8枚を使って書くことができる「修士研究報告」の方を選び、投稿者として手を挙げた。そしてご依頼を頂くことができ、執筆を始めた。

 修士論文はA4用紙70枚程度だったから、それを8枚分にまとめ直すことになる。文字の大きさは、論文が12ポイントでジャーナルに載せる文章が9ポイントだから差異はあれど、それでも大幅に文章を削り、論旨のエッセンスを取り出す必要がある。
 構成を組み換え、論文では使わなかった引用や参考文献を取り入れた。新たな気づきがあれば盛り込んだり、論文内で長々と語った部分を思いきって削除したりした。指導してくださった先生に何度かチェックを入れていただいたおかげもあり、最後には自分でもやっと納得が行く出来となった。
 これなら堂々と公の場に出せる。そう自信を持って、編集担当の方に原稿をお送りすることができた。

 そして先日、その編集担当の方から、私が寄稿したオンラインジャーナルがウェブサイトにアップされたとのお知らせを頂いた。

 そこに掲載された自分の文章を見て、「やっと完結した」という気持ちになった。
 やっと、この論文を「書きました」と胸を張って堂々と言える。納得のいく論じ方ができた上で、学外の方々にも読んでいただける場に出していただけた。
 ようやく「やりきった」という気持ちになれた。

 二年半前に冒頭のnote記事をアップした際、記事の中でツイートを引用させていただいたSEIさんにその旨をご連絡したところ、ご快諾いただいたどころかご自身のツイートで私の記事を紹介してくださった。

 しかも、そこにたくさんの方々が「いいね」を押してくださり、またリツイートしてくださる方々もいらっしゃった。そして、私のnote記事にも「スキ」を押してくださる方がたくさんいらっしゃった。
 そのSEIさんをはじめとする皆さんに、何とか恩返しとして、立派な論文を仕上げてその報告を堂々とお伝えしたかった。

 でも実際は、自信のないまま研究を進めていた。迷いも不安もたくさんあった。
 私がさせてもらっていた研究は、データに表された数字の分析や、インタビューの内容をまとめていくなどといった一般的な研究とは異なるものだった。一つの楽曲の歌詞に対する解釈は人それぞれ異なって当然だ。
 だから、求められたのは「自分はなぜこのように解釈したか」ということを、誰にでも客観的かつ論理的に理解できるように説明することだった。その説明に一点でも曇りがあれば、説得力はガタ落ちする。
 振り返れば、いつもおっかなびっくりで研究を進めていた。どんどん締め切りが迫ってきた頃は、「とりあえず締め切りに間に合わせて提出しないと今年度に卒業できない」と焦りながら書き上げた。出来上がった内容も、論文として完璧であるとは言い難いと思う。

 だから、ずっと後ろめたさを感じていた。修士課程の修了が決まった際も、SEIさん方、応援してくださったKANさんのファンの方々に堂々と報告ができず、申し訳ないと思っていた。

 でも、今、このような形で論文を世に出すことができた。
 本当にありがたいし、同時に、やっとこのnoteの場で、SNSを通じて私の研究を応援してくださった方々に、堂々と感謝の気持ちを伝えられると思った。

 SEIさん、SEIさんのツイートに「いいね」を押してくださった方、リツイートをしてくださった方、そして私のnote記事に「スキ」を押してくださった方や嬉しい感想をくださった方、本当にどうもありがとうございました。
 おかげでやりたかった研究をまとめ上げることができ、自分でも納得いく結論を出すに至ることができました。

 ちなみに私の論文のタイトルは「レトリカル批評を用いて検討する『愛は勝つ』の歌詞の多義性 ─『 どんなときも。』の歌詞との比較を通して ─」といいます。
 オンラインジャーナル内での私の文章は以下のリンクから直で行けます(学外の方も自由に閲覧できます)。ご興味があれば読んでいただけると嬉しいです。

https://oujjas.com/wp-content/uploads/2023/02/OUJJAS_2022_02_120-128.pdf

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