ワインは葡萄が見た夢
搾りたての果汁の
匂いと味には
畑で収穫している時の
太陽と風
湿度と温度
ブドウと葉と土
すべてがある
口に含んだ瞬間
畑の中に立っている
文字通り
グラスを持って
気がつけば 畑にいた
「あぁ やっぱり ここの匂いだ」
当たり前なのだけれど
安堵感に包まれる
1年間共に過ごしてきた
畑にある それらすべてが
ワインには詰まっているのだ
ブドウは畑で受け取った
さまざまなエネルギーや情報を
身に纏ってやってくる
そして
見事に調和した液体へと昇華する
「ワインは葡萄が見た夢（ヴィジョン）」
私たちには
ブドウが見た夢であるワインを
彼らが過ごした日々や畑の情景に
想いを馳せながら
味わえる喜びがあるのだ
目の前にいる
そのワインの故郷を想って
会話をするようにグラスを傾ける
まるで旧知の友人と語り合うように
搾りたての果汁を片手に
アルバリーニョの畑に立って
ふと そんなことを 思った
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