やっぱり空島はあったんだ!都内から2時間足らずで行けるワイン天国
今回は、昨年の7月末日にお邪魔した98WINEsさんについてお話したいと思います。
大学卒業時からワインを飲み続け、好きが高じてサンフラシスコにワイン留学までした僕ですが、ここまで洗練した味わいの国産ワインに出会ったのは初めてで、心から感動しました。
僕なりのテイスティングコメントも下にまとめておりますので、最後までお読みいただけると嬉しいです。
98WINEsについて
まずは簡単にワイナリーのご説明から。
98WINEsさんは、山梨県甲州市塩山の福生里の地にて、2018年7月にスタートしたワイナリーです。
2019年にファーストヴィンテージのワインをリリースされました。その名も種(TANE)。
代表であり醸造家である平山繁之さんは、フランスのワインの聖地ブルゴーニュでブドウ栽培と醸造を学び、大手国内ワインメーカーであるメルシャンや勝沼醸造でワイン造り携わり、現在の98WINEsを立ち上げました。
テイスティング当日
まず、僕たちをお出迎えしてくれたワイナリーからこの景色をご覧ください!
テイスティングスペースから見る景色がこちらですよ?天国と違いますか?
塩山の澄んだ空気と心地よい風に漂いながら、飲む絶品ワインは至福の一言に尽きます。
続いては醸造スペースを見せて頂きました。
ここで平山さんからワイン造りの哲学をお聞きしました。特に印象に残っているのが、海外からマスターオブワイン(※)の保有者の専門家が訪れた際のお話です。
※世界最高峰のワイン資格。世界に340人程度しか保有者がいない。
ぶどうをワインにする最初の過程で、ぶどうを潰し、果汁を絞る作業があるのですが、それを98WINEsさんでは、外で直射日光の元、素足で行っているとのこと。
それを見たマスターオブワインの方は、この日光の元で行って大丈夫なのか?とても驚いたそうですが、完成したワインを飲むと、それはそれは とんでもなく上品なワイン!かなり不思議がっていたそうです笑
このような常識に囚われない様々な工夫がこの深い味わいを生み出してるのだと勝手に確信させて頂いております。
僕なりのテイスティングコメント
勉強して欲しいから という有難いお言葉に甘え、冒頭でも説明したファーストヴィンテージシリーズ「種(TANE)」の、白・ロゼ2種ずつ、計4種を飲ませて頂きました。
<白ワイン>
霜(SOU)と芒(NOGI)の2種があります。
国産ぶどう品種・甲州から生まれる白ワインは無色に近い色合いとキリッとした日本酒のような味わいが特徴なのですが、
98WINEsさんの甲州でつくる白ワインは、ほんの少しイエローがかった色合いに、柑橘類特にレモンやグレープフルーツのような味わい。ミネラルもしっかりしており、格付畑のシャブリを思わせる複雑さを感じました。
二種の違いを簡潔に言うのであれば、霜(SOU)の方がシャープな酸と後味の苦味を感じました。この酸と苦味は間違いなく和食、特に少しレモンを絞った山菜の天ぷらに合うだろうなと妄想してしまいました。芒(NOGI)は比較すると、より果実味があり柔らかい印象がありました。どちらも個性があり、この甲州というぶどうの可能性にワクワクしました。
<ロゼワイン>
僕が98WINEsさんのファンになったのは他でもないこのロゼです!
ロゼも同様、霜(SOU)と芒(NOGI)の2種があります。どちらも、先ほどの白ぶどう・甲州と黒ぶどう・マスカットベリーAの2種のブレンドで造られます。
籠いっぱいに摘まれた野イチゴのようなジューシーさ、キャンディーのような優しい甘みが印象的です。後味は甲州由来の酸味が支えてくれます。
比較すると、霜(SOU)はより野イチゴやイチゴのニュアンスがあります。ただフルーティーさだけでなく、後味が酸で締まりバランスが素晴らしいです。対して、芒(NOGI)はフルーツのジューシーさや甘みを主軸に、どことなくミントのスーッとしたニュアンスがあります。
甲乙つけれませんが、二本とも間違いなく、ここ数年飲んだ中で Best of ロゼ です。
ちなみに、霜(SOU)は僕が訪れた際、既に完売でした!
書いていて、また飲みたくてしょうがなくなってしまいました…ヨダレ
4種全てに個性があり、グラスを回すたびに色々な香りが飛び出します。それでいて、この価格…。出来るだけ食中酒として日常のものとして飲んで欲しいという想いからだそうで、完売になるのも納得です。
あの景色とあのワインの香り、味わいが恋しいですが、今はステイホームですからね。我慢我慢…。
事態が落ち着きましたら、是非またお邪魔したいと思います。非常に勉強になったワイナリー訪問でした!
現在、2020年5月現在、ワイナリーでは全商品完売のようで、お取引のある酒販店さんが98WINEsのInstagramにまとめられておりましたので、ご参照ください。
次回は、僕がワインにハマったきっかけを詳しく説明します。