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⭐️WIMednesday Interview⭐️    #22 : Utako Toyama

水曜日にお届けするWIMednesday (ウィメンズデイ)。

今回は遠山歌子さん。
イギリスに拠点を移し、大きな視点を持って音楽活動をされています。

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遠山歌子(とおやま・うたこ)

Utako Toyamaは多数のアワードと共に、ジョンレノン作曲コンテストで複数のファイナリストアワードを受賞した日本人初、そして唯一の作曲家であり、彼女のグローバルプロジェクト、SkyBridge(スカイブリッジ)の創設者で、Exceptional talent visa(格別才能ビザ)をアメリカとイギリス2カ国から受け取り、現在ロンドン在住中。 

彼女の人生の目的は、自身が1番役に立てるリーダーシップと作曲を用い、社会に還元することである。

バークリー音楽院に奨学金を得て入学後、世界中からの友達を音楽を通じて作る過程で、『これは音楽家だけではなく、誰しもが出来ることだ』と思い立ち、世界中の音楽家と、多様性・平等性・世界平和のメッセージを訴えるプロジェクト、SkyBridgeを始める。SkyBridgeの曲は彼女が全て作曲しており、現在までにグラミー受賞音楽家のVictor WootenやMark Walkerを含む、46カ国以上の音楽家と演奏活動をしてきた。

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1. あなたにとっての成功とはどういう意味ですか?

自分に与えられた能力や環境でもって、最大限に個人や社会に貢献すること。
キャリアにおいては、私は音楽とリーダシップが強みなので、ダイバーシティー、平等性、世界平和などのメッセージをもつ作曲や、色々な国の人とコラボレーションすることで、国、文化、年齢、宗教などのバックグラウンドの違いを越えたメッセージを発信することで貢献出来ると思っています。

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2. あなたと同じように音楽業界で働きたいと考えている女性に対してどんなアドバイスがありますか?3つ教えてください。

1つ目は、自分への質問を続けて、より良い質問の仕方を発見することだと思います。
“何故、音楽業界で働きたいのか”という問いは、”何をしたいのか”よりも自分の幸せに近づける質問だと思います。今、答えを持っている必要はないですし、答えが進化するのは大変良いことだと思いますが、常に自分に質の良い質問を問いかけることは、自分の人生において大きく左右すると思っています。

2つ目は、どういった理由であれ、働きたいなら、とにかく飛び込んでみることだと思います。飛び込んでから、何故働きたいのか理由を見つければ良い。逆に、飛び込まなければ、諦める理由さえ見つかりません。これは、私が高校生の時、音楽の道に進むか迷っている時、先生から言われ、ハッとさせたれた言葉です。

3つ目は、“女性だから〜出来ない”という声には耳を貸さないで良いということです。自分の声であっても、周りの声であっても、その声に対して攻撃するというより、耳を貸さないのです。その代わり、“女性だからこそ、出来ること”に焦点を合わせるのは建設的だと思います。
問題にぶちあったった時に、戦い方は様々ですが、壁に体当たりするだけが戦い方ではないな、と思います。壁が分厚く、自分が一人の時、壁を通り越したり、さらっと躱して目的地を目指すのも、1つの戦い方なのではないでしょうか。

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3. 仕事やプライベートでのどのような経験が今の成功に結びついていると思いますか?

人にナイスであることと、自分のしていることやしたい事をシェアすることは将来の可能性に向けて種を巻くようなものだと思っています。
人との繋がりが次の仕事やプロジェクトに繋がることは経験上かなり多いように思います。
実際、今このインタビューをケニアで書いているのですが、それも、学校で出会った友人の一人が私のスカイブリッジの活動を知っており、現地の学生に音楽ワークショップをしてくれないか?と頼まれたことで実現しました。
出会う一人一人に対して、誠実であり、ナイスであることで、プロジェクトに誘われたり、もしくはそういったプロジェクトをしている人に紹介されたりするのです。

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4. あなたが経験した中でも大変だった事を教えてください。

大変なのは、自分でコントロールの出来ないことです。ビザや、バンドメンバー の人生で起こったことによって、自分の活動が左右されてしまったり、周りの人に迷惑をかけてしまうことは、避けようとしても時々起こります。
日本ツアーでギリギリになってメンバーのうちの一人が来れなくなった時は、リーダーとしての信用や責任もありますし、精神的にかなり大変でした。

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5. その経験で得た一番の学びは何ですか?

日本ツアーで大変な時にサブとして助けてくれたのが、現地(日本)の友人であり、急遽色々な変更に対応してくれたバンドメンバーであり、また、演奏することになっていたライブハウス、学校、家族など、周りの理解とサポートでした。
周りに信頼出来る人が居ると、居ないとでは、結果は180度変わっていたと思います。
自分でコントロール出来ない問題に差し掛かった時、自分は小さな存在で、周りの支えがあって成り立ってるんだと思わされます。そのことからも、人との信頼関係を築くこと、仲間と呼べる人を周りに作り大切にし続けることが、幸せと呼べる人生に繋がっている気がします。

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6. あなたが今住んでいる地域で音楽に携わる女性達が直面している一番の課題は何だと思いますか?

3ヶ月前にイギリスのアーティストビザを取得して引っ越したばかりなので、イギリスでの課題を述べるには、まだ日が浅すぎるので何とも言えませんが、日本で育ち、アメリカに9年近く住んで、色々な国で、様々な人と音楽をして思うのが、多様性と平等性のバランスをどこで取るんだろう、と考えさせられます。ジェンダーロールを、文化と感じるのか、不平等と感じるか、そして、それを口にすることことが出来るかどうかです。例えば、“女性は台所に立つのが、男性は外で働き、家族を養うのが仕事”というジェンダーロールがあるとします。アメリカやイギリスでは、大部分の人がそれを、不平等と扱います。そして、アメリカやイギリスに住む人も、そう生きることに、不自由を感じ、そう感じた場合は、それを口にすることが出来ます。次に、そのジェンダーロールを、文化と感じる国や人も居るのです。彼らは、不自由さを感じず、ジェンダーロールがあることを普通と感じ、特に不自由さも感じません。最後に、社会の設定したジェンダーロールに不自由さを感じながらも、発言できないもしくは、発言しても受け入れられない国や人も居ます。
私個人の意見としては、必ずしもジェンダーロールが不平等と扱われる必要はないと思います。別の文化や環境を知ることで不自由でなかったものを不自由に感じることはあるとしても、本人が不自由を感じていない場合はそれはそれで良いと思います。改善出来るのは、不自由を感じた時口に出来るかどうか、そしてそれを社会が受け入れるかどうかだと思います。
音楽家に限ったことで言えば、女性というだけで、機械的なことを知らないという前提で音楽プロダクションの話をされたりはたまにあります。あと、ミュージシャンは自営業の場合が多いので悩むのは、例えば妊娠した場合に、キャリアを一旦中止する場合が多く、その場合は給料が払われず、しかも復帰するのにも時間がかかる場合が多いということです。なので、妊娠をリスクのように感じてしまうのは、悲しいですし、誰しもが子供を生むという過程を安心して迎えられ社会になれば、特に人口減少している社会にとって、社会的にも、個人にとっても良い結果を産むと思っています。

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7. 誰からインスピレーションを受けますか?その理由は何ですか?

自分自身の物差しを持っていながら、自分とは異なる物差し(それが自身の国であれ、他の国であれ)のあり方を受け入れることが出来る人です。
音楽家であれば、Jacob Collierは、結果よりも、過程を楽しむことに重きを置いていて、 彼からは、より幸せに音楽や人生を送るヒントを沢山もらっている気がします。
作曲家では、戸田信子さんといって、ファイナルファンタジーやHaloといったゲームやアニメの音楽も担当されている、映画音楽家の方ですが、彼女はジョンウィリアムズが大好きで、同じくジョンの音楽が好きな人を、プロもアマチュアもひっくるめたオーケストラを作り、コンサートを行なっているのです。大変多忙な方ですが、その多忙な仕事の合間を縫ってでもボランティアで好きな音楽をする!というのが、音楽に対する愛がなせることだなぁと、強くインスピレーションを受けています。
どちらの人も、お金や社会の期待とは別に、自分の物差しをしっかり持っていて、それに忠実に生きていて、格好良いと思います。

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8. 来年の目標は?

イギリスに引っ越して3ヶ月、仕事や生活がセットアップできたので、年明けからはロンドンの音楽家とより繋がるのと同時に、国を越えたコラボレーションや創作活動に専念します。子供オーケストラの指導にもあたります。シングルやEPも来年リリースされます。それを引っさげ、秋に日本ツアーも企画しています。かなり盛りだくさんですが、全部好きなので、全部やってみます。笑

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9. どうしてWomen In Musicに参加する事になったのですか?

ボストン支部会長であったひなこさんから話を聞いて、趣旨も、ひなこさんにも共感するところが多いので、参加出来る時はさせてもらっています。
情報や人脈はパワーです。一人ではどうしようもない問題も、知恵や力を合わせ、共有出来ることを楽しみにしています。

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10. あなたの最終目標とその為の次のステップを教えてください。

最終目標はバジェットのサイズに関わらず、自分の信じるプロジェクトを音楽を通じ、貢献出来るようになることです。音楽を通じて、多様性・平等性・世界平和を促進する活動、そして、尊敬しあえる音楽家と共に仕事をし続けたいです。
その前の目標は、どこに居ても自分の活動や音楽で収入を得られるようにすることです。作曲家、そしてアーティストとして収入得るために、まずはソーシャルメディアでの発信を多く、コラボレーションをし、オーディエンスやサポーターを増やそうと思っています。

https://www.skybridgemusic.org/
https://www.utakotoyama.com/


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