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リーガルデザインを考える

どうも。こんにちは。ウィルです。

先日「法のデザイン」という本を読みました。とても興味のひく内容でして記事を書いてみました。名著です!


私は元々法律に興味があり法学部を卒業しました。

ですが、以前記事でも書いた通り、法学部の授業は「時代に合わせてルールを作ろう」ではなく「こういう決まりだからルールを覚えよう」だったり、50年前のルールを無理やり解釈しようとするアプローチが多く、肌に合いませんでした。
(※私の環境と主観による見解です!きっとそうじゃない講義もたくさんあるし、ここ数年で法律改正も進んでおります。)

結局、時代に合わせて課題解決できる可能性が高いのは法律の世界ではなく、ITの世界だと当時判断したのですが、

一方で、法律をうまく設計できたらもっと世の中がよくなるのにとも思っていました。


リーガルデザインとは

「リーガルデザインとは」
「リーガルデザイン(法のデザイン)」とは、法の機能を単に規制として捉えるのではなく、物事や社会を促進・ドライブしていくための「潤滑油」のようなものとして捉える考え方である。

どうですか?
法律とは解読不能でめんどくさいものと思っている方も多いと思いますが、世の中をよりよくするために設定するものと捉えることができれば世界が変わる気がします。

僕は本書の中で法律が現代のビジネスを加速・減速させている事例に注目して読みました。

加速事例:初音ミク

初音ミクは権利を一部オープン化させることで二次的利用が加速して一定の地位と収益を産みました。具体的にはオープンにしているのイラスト部分で、音声のシステムは権利をきちんと整備してマネタイズするというビジネスを加速させるために法律をうまく設計した事例です。

減速事例:JASRAC

先人たちの音源のサンプリングで業界が発展していくものですが、権利保護の観点でJASRACは著作権の利用を管理する団体です。

これは私の主観ですが権利者保護と文化活性化の折り合いがうまくいってないのではないかと思います。JASRACが管理する著作権に対しては個人の利用まで制限がされていて、結婚式での利用などの場合もフィーを徴収したりします。これからの時代は音楽家のスタンスに合わせた柔軟な設定(「観賞」「音楽業界の発展」「フリーミアムモデル」)などを考慮した整備が必要だと思う。勉強不足なのでもう変更されてるかも!

そのほかたくさんの事例があるので、ぜひ一読してみてください!

企業においても大事なリーガルデザイン

時代を作ったGooleやFacebookは古い法律をうまく解釈して、積極的なロビー活動を行い今のサービスを作り上げました。もちろん賛否あると思いますが、今こうしてフリーでGoogleのサービスを利用したり、FacebookやInstagramなどでいつでも連絡を取れるのはリーガルデザインが成功したからでもあります。

色んな企業の方とお仕事をして、法律があるから無理。社内ルールなので。みたいな形で何かを諦めるケースを目にしてきました。

僕はリーガルデザインとテクノロジーを信じて大義をなすことを重視していきたいです。

例えばタイミーは「一人一人の時間を豊かに」という大義を達成するために「タイミーは空いた時間に働きたい人とすぐに人手が欲しい店舗・企業をつなぐスキマバイトアプリ」をリリースしました。

働く人(ワーカー)はすぐにお金を貰いたい、企業側は賃金精算に手間がかかる。という誰でもわかる課題がありましたが、これを解決するIT企業はありませんでした。手間暇と労働基準法に抵触する恐れがあるため。

しかし、タイミーはユーザーの課題解決することを重視し、早い段階から丁寧な確認を行い、晴れて適法として国に認可されました。


コロナでようやく動く

コロナで産業構造が大きく変わり、国民の生活の危機があり、緊急性の高い内容については法律にも即時反映されてきています。

今まで絶対動かないと言われていたオンライン診療などが一気に法整備されました。

AirbnbやUberなどリーガルデザインに成功した常識を覆す企業はリーマンショックの時に設立された企業です。

このコロナショックでリーガルデザインをする企業が増えて、法律が規制としての側面ではなく、世の中をよくするための潤滑油になるといいですね!


end

著者の水野さんのnoteは必見です!


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