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私があなたを採った理由~丹治集編~

なぜ彼らは伝説の一期生に選ばれたのか 第2話

勝つ人

どんなベンチャーでも、新卒採用初期に一人は採用されるタイプが「考えるよりもまず行動」の体育会系営業人材だ。
現在フーモアは制作サイドのメンバーが多く、営業は少数精鋭だが、今後商材が増え、あらゆる側面で営業の強化は必須だ。
「伝説の世代」を創るためにも、間違いなく「誰よりも売れる人材」は必須要素で、そんなパワー溢れる人材を日々探していた。

そんな時、DYMが主催する採用イベントで出会ったのが丹治集だった。

高い身長に精悍な顔つき、体育学科で日々身体を動かし、部活では日本一を経験。何よりも会話のテンポが上手く、これまでDYM経由で出会った学生の中で飛び抜けて魅力的だった。

話を掘り下げてみると、どうやら音楽系大手企業を熱望しているようで、それ以外ならエンタメで広く探していきたいということのようだった。

もしかしたら入社しないかもしれない。それでも、もしかしたらがあるなら、僕は彼が仲間に加わる可能性に賭けたいと思った。

勝ちへのこだわりと勝てるところへのこだわり

採用イベントで会ってから数日後、フーモアのオフィスで経歴について詳しく聞くと、勝つためにただ一つのことに打ち込んできたというタイプではなく、勝てるところを探して勝ってきたタイプだということが分かった。
成果を出すためにどちらがより利があるか嗅覚的に判断し、クレバーに立ち回るのは、ただの体育会系学生ではなく、本来の意味で「執念で勝ちを絞り出す」タイプであることがうかがえた。

ただ、同時に彼はどこかでその嗅覚に頼り、自身の能力を上げることにまだまだ余力を残しているように見えた。

大手音楽系企業に入ろうと、ベンチャーに入ろうと、今のままの彼ではそこそこに余力を残し、それなりに仕事もプライベートも楽しんで、それなりの社会人になっていくだろう。決してそれが悪いことだとは思わない。ただ、彼が目指しているものは「人を感動させることが出来る新たなサービスを生み出すこと」であり、そのためには、それなりでこなすようでは到底ダメだ、という思いとともに、そのポテンシャルの高さがもし、それなりで終わってしまったら、それほどまでに惜しいことはないと勝手ながら危機感を覚えた。

自分は日本一に到達したのだ、という誇りがあるだろう彼に、僕は一つの疑問を投げかけた。

「もしかしたら、君はまだ、自分の本気を知らないんじゃないか?」

彼は、少しだけ逡巡してから絞り出すように「そうですね...」と呟いた。
その後、ポツリポツリと、これまでもどこかで手を抜いたり、上手くやろうとして、必死で追い続けるよりも自分の強いところに身を置くことでなんとかやり過ごしてきた話をした。
ただ、これまでは恵まれた身体能力でカバー出来たが、恐らく社会でそれが通用するとは思えないという不安もある、と。

本気でやるのは誰だって怖い。
自分の底が知れてしまうことは、自分に対する期待が大きい人ほど、恐怖心も比例する。
彼は、物凄く期待しているのだ。自分に、自分の人生に。

「もしフーモアになったら、本気を見せてくれよ」

体育会系学生の苦悩と、活路

内定したあとは多くの採用イベントを手伝ってもらい、回を増すごとに器用に同い年の学生たちと話を広げていった。
特に、飲みの席では話を回し、広げ、盛り上げる。巧みな話術で学生に留まらず、他社の人事との交流会などでも大いに評価されていた。

彼は5月の終わりまで就職活動を続けており、大手酒類メーカーや商社からも内定をもらいながらも、本命である音楽業界を目指し続けた。
だが、最終面接で緊張しすぎて落選。
その日のうちにフーモアに内定承諾した。

「落ちた時、正直ショックで泣くかなって思ってたんですが、不思議と、ああそうか、これで俺フーモアかって思ったんです。あんなに行きたかったのに、思ったよりも前向きに終わったなと思いました」

ただ、その後彼は、内定者課題で大きく苦しむことになる。
これまで身体能力や、対面の技術で身につけたものが、タイピングや、記事考察、文章作成ではまるで活かすことが出来ない。
採用に関わる重要な任務だということは理解しつつも、思うような成果が出せない。次第に自信も喪失し、彼は最後のインカレに集中することで、その自信を取り戻そうとした。
だが、これは社会人であればわかることだが、仕事で失ったものは仕事でしか取り戻せないし、課題もまた然りなのだ。

ある日、彼は浮かない顔をしながら僕のデスクにやってきて「あの、noteを書く時間に大学の学祭に飛び込んで、連絡先を交換するってアリでしょうか」と聞いてきた。
彼の苦悩もまた、彼なりのやり方で活路を見出した。

学祭に飛び込むことを許可すると、次々と連絡先を交換し、時にその場で僕の電話に繋いできた。
また、学部のグループに宣伝をしてもらうように取り付けるなど、まさにその日が飛び込みで何かをやることの初日とは思えない働きを見せた。

売れる人

自信を取り戻した彼は、インターンでも營業同行の数を増やし、セールスでトップになりたいと宣言した。
同時に、フーモアを何かでまず、日本一にしたいと。

彼は、恐らく売れる人になる。
ただ、そこに至るまで、甘いことだらけではないだろう。
本当の頂点に上り詰めるために、彼はいくつもの壁を破らないといけないだろう。

ただ、僕は知っているのだ。彼の強さを。
同期も認めているのだ。その突破力を。

彼は、売れる人だ。
そして、勝てる人だ。

僕たちは彼に連れてってもらいたいと思っている。

まだ見ぬ、最も高い景色まで。


文責:採用責任者 西尾 輝

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