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私があなたを採った理由〜K編〜

なぜ彼らは伝説の一期生に選ばれたのか 第4話

夢を追う人

フーモアのビジョンは「クリエイティブで世界中に感動を」だ。
クリエイティブの市場を日本だけでなく、世界に広げることで、日本のクリエイターが活躍できる幅を広げ、クリエイティブで食べていける人を増やしていきたいと、本気で思っている。
クリエイティブで世界中に感動を与える可能性がある人、自分の力で感動を届けたい人を応援したい、僕はそんなフーモアが好きだ。

そんなフーモアの新卒内定者には自分自身も「世界中に感動を届けたい」と日々汗を流すメンバーがいる。

それがKだ。

彼女はある地下アイドルグループに所属し、週のほとんどをライブや交流会、レッスンに費やしている。
アイドルとしてある会場を満員にしたい、そこでファンに感動を届けたい。本気でそれをやり通したい。
彼女のその真剣な想いに会社として、一人事として何が出来るか、日々考えている。

その前に、なぜアイドルが内定者にいるのか、そこから話をするべきだろう。

夢を応援する人

きっかけはWantedlyのスカウトだ。

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この文章を見て、僕は彼女にスカウトを送った。
特に、早稲田にいてなぜ「学歴にとらわれない」という一文が気になった。

ほどなく返信が来て、すぐに面談をすることになったのだが、初見でも「プロだな」と感じさせる雰囲気があった。よく芸能人と会った人が「オーラが違う」と表現することがあるが、確かにそれはあるのだろうと思えるほど、どこか浮世から遠く感じた。

ふわっと芸能事務所に所属している旨は書いてあったが、詳細を聞くとアイドルをやっていると言う。過去を細かく書くと身バレの恐れがあるので割愛するが、なかなか苦労をして今のグループでやっていることがわかり、それなのになぜ就職活動をしているのか疑問を覚えた。

「私は大学に入ってからアイドルになったので、辞めても多分仕事は見つけられるのですが、ほとんどの子はもっと早くはじめて、20代になって引退したときには学もないし、当然学歴も無くて、だから夜のお仕事だったり、キャリアって概念がなくなっちゃうんです。私は、それを変えたいと思っていて」

なるほど。それで「学歴にとらわれない」なのか。
彼女は、だからこそクリエイターの仕事を増やすというビジョンを持っているフーモアでもっともっとクリエイターが活躍できるステージを創り、その先にアイドルのセカンドキャリアがそういった領域でも活かせるような事業がやりたいと語った。

僕は、そこに夢を見た。

新卒採用とは「会社の未来を創る人の採用」だ。
即戦力なら中途採用をたくさん続ければ良いのだ。
アイドルとしても活躍し、企業人としてもその先を見据えて活躍する人がこの会社から生まれたら、それは物凄い希望なのではないだろうか。

それに僕は伝説の世代を創ると言ったのだ。彼女を落とす会社はきっと伝説を創れない。

夢を描く人

後から知ったのだが、彼女は僕との面談から帰ってから「インターンの応募じゃなくて新卒採用だったのか!?」と気づいたらしい。凄い。

元々ライターのインターンでMVPを獲得したり、アイドルとして日々様々な発信をしているため、非常に文章が上手い。
文章だけでなく、様々な課題を器用にこなすため、他の内定者は常に彼女を意識し「越えたい存在」になっていった。

一方で彼女は既に2回留年しており、大学の単位を取ることが異常に苦手であった。
僕の大学にも似たような友人がいたが、そういえば彼は僕らの卒業式の日にあっさり中退した。

やりたいこと、出来ることは誰よりもこだわって、関心のないものはどうしたらいいのかもわからない。
その不完全さのある魅力が彼女をアイドルたらしめているものなのだろう。

そんな彼女は、アイドル活動が軌道に乗る中でさらに多忙になり、内定者課題などの時間が取れなくなっていた。僕としては、それは喜ばしいことだと思っていたのだが、彼女は苦しんでいた。
「このままだと中途半端な人間になってしまうので私、辞退したほうが良いのかもしれません」

夢を叶える人

僕は、彼女がアイドル活動を優先すべきだと考えているし、社長も同じ意見で内定を出している。
僕がLIVEをしても道の猫すら逃げ出すが、彼女は会場いっぱいのファンを熱狂させられる。そして、恐らくそれは永遠に出来るものでは無い。

それに、先述の通り、彼女は同期の目標でもある。
彼女の言うような「足を引っ張っている」事実など存在しないのだ。

僕は、出来るだけ言葉を選んで、彼女に事実と思っていることを伝えた。
随分長い時間話し、彼女は「わかりました。頑張ります」と答え、電話を切った。

彼女だけでなく、僕は内定者全員を尊敬しているし、本当に必要な存在だと思っている。それが迷うのだとしたら、間違いなく僕の伝え方が悪い。

フーモアの1期生は「伝説の世代」だ。
その道程は険しく、遠い。
叶えるのは随分大変かもしれない。だけど、その険しさを最も知るのは恐らくKだ。
彼女が今のところまで来るのに何年かかったか。どれほどの苦労や苦悩があったか。
それは僕にも知る由もない。
だが、そんな人が一期生に燦然と輝くのは代えがたい価値だ。

両立なんて無理だ。社会人を甘く見るな。
そんな声があるかもしれない。でも、そんな人よりも君は目の前の人を大勢幸せにしてきている。
その価値を持つ人がこの会社に入ることの価値を、僕は多くの人に届ける義務がある。

アイドルとして、小規模でもいいから伝説を創って欲しい。
そして、同期と本格合流してフルパワーで交わった時、フーモア1期生の伝説はようやく始まる。

大丈夫、君は夢を叶える人だから。

文責:採用責任者 西尾 輝

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