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アンメット最終話 私はいつまで何を覚えられるだろう

ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』の最終話が終わった。

このドラマは本当に凄かった。
何が凄いかというと、ドラマの内容はもちろん、杉咲花ちゃんと若葉竜也さんの演技が素晴らしかった。

最終話の最後のミヤビの涙が溢れるシーン、
九話の残り10分の2人のシーン、
は名シーンすぎて語り継いでいきたい。

主題歌のあいみょんの
『会いにいくのに』の歌い出しにある、
「冷蔵庫の中には食べ損ねたラブレター」の意味が最終回で分かるなんて、そんな伏線ばかり仕組まれているなんて。



ドラマの内容は、主人公のミヤビ演じる杉咲花ちゃんは記憶障害がある脳外科医である。記憶が一日しかもたないため、毎日の出来事を日記に残して、毎朝自分の書いた日記を読み返して今までの記憶を覚え直す。

病院を舞台にした医療ドラマではあるが、医療よりも記憶とは何かを描いている。

記憶そのものをこんなにも丁寧に描くドラマは他にあっただろうか。



そんなミヤビが日記に書いた、
「私はいつまで何を覚えていられるだろう」
という言葉がある。

少しずつ記憶障害が良くなったり、悪くなったりしながら自分の大切な記憶を残しておこうとひたすら日記を書き続けるミヤビ。

記憶というのは今まで培ってきた自分であり、それが今日を生きる活力になる。

そしてその今日の記憶が明日に繋がっていく。

「わたしの今日は明日に繋がる。」
そうミヤビは日記に書いていた。



ミヤビの言った言葉である、
「私はいつまで何を覚えてられるのだろうか」を私自身に問うて記憶について考えてみた。

自分のこと、夫のこと、家族や友人のこと、大切なものは覚えている。
旅行に行って見た美しい景色、美味しかった料理、ドラマや映画を見て感動したシーンなど、心が覚えているものは忘れない。

ただ1週間前に食べたもの、受験前に必死に覚えた暗記事項、覚えたはずなのに間違える中国語のピン音。

記憶というのはシンプルで、覚えていたいものは覚えているし、特に重要と判断されなかったらどんどん記憶の淵に追いやられて忘れていく。

私はいつまで何を覚えてられるのか。

永遠に全てのことを覚えておくことは不可能だ。

きっと今日の晩御飯もいつかは忘れるだろう。



いつまで何を覚えてられるのか、それはわからないけれど、私は大切なことはずっと覚えておきたい。

自分にとって何が大切なのか、
自分の大事にしたい人生観、自分の大切な人、そんな人との関わりの中から生まれた思い出など、何が大切なのかをしっかり理解して忘れたくない。

だから私は、大切にしたいものを忘れず記憶できるように書き続けていきたい。


そうか、だから私は書いていたいんだ。
自分の書く理由が分かった気がした。


書き続けることが大切な記憶を残しておける方法の一つだと思うし、今私にできることである。

その記憶がきっと明日に繋がっていくはずだと信じている。


私の記憶に刻まれたこのドラマから、私はまた書く勇気をもらえたのだった。

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