坂爪真吾

NPO法人風テラス+ホワイトハンズの創業者です。著書多数。 性(セクシュアリティ・ジェ…

坂爪真吾

NPO法人風テラス+ホワイトハンズの創業者です。著書多数。 性(セクシュアリティ・ジェンダー)に関する新書の書評、イベントレポートや新刊情報などをアップします。 お仕事の依頼はこちら shingosakatsume1981 アットーマーク gmail.com

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  • セックスワークサミット2020春

最近の記事

ゲームのリメイクと体験格差・・・書評『体験格差』(今井悠介・講談社現代新書) 

近所のスーパーに買い物に行くと、ついつい子どもの頃に集めていたビックリマンチョコの新作を買ってしまう。 昔は1個30円で買えた記憶があるが、発売から39年経った今では、1個128円まで値上がりしているところに、時代の流れを感じる。 休日になると、マインクラフトやフォートナイトに熱中している子どもたちを尻目に、自分が10代の頃にプレイしていたFF7のリメイク版をコツコツやっている。 ストーリーもエンディングもないゲームが主流になっている今の時代の子どもたちから見ると、RP

    • 【7/29(月)開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『体験格差』(今井悠介・講談社現代新書)

      <今回の開催日> 2024年7月29日(月)20時~21時00分 オンライン開催(ズーム) 課題文献:『体験格差』(今井悠介・講談社現代新書) 課題文献を読んで、60分間、みんなで感想や意見を出し合います。ゼミ生以外の一般参加も大歓迎です。 *課題文献の著者・共著者・担当編集者の方は、無料でご参加頂けます。チケット「著者参加」枠でお申し込みください! ⇒お申し込みはこちら

      • 【6/17(月)開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『なぜ東大は男だらけなのか』(矢口 祐人・集英社新書)

        2024年6月17日(月)20時~21時00分 オンライン開催(ズーム) 課題文献:『なぜ東大は男だらけなのか』(矢口 祐人・集英社新書) 課題文献を読んで、60分間、みんなで感想や意見を出し合います。ゼミ生以外の一般参加も大歓迎です。 *課題文献の著者・共著者・担当編集者の方は、無料でご参加頂けます。チケット「著者参加」枠でお申し込みください! ⇒お申し込みはこちら <坂爪ゼミとは?> ゼミの課題は、「一人一冊、本を書き上げる」こと。 新しい「性の公共」をつく

        • 【書評】『弱者男性1500万人時代』(トイアンナ:扶桑社新書)

          必要なのは、弱者男性の「通訳」 私は男性の立場で、風俗の世界で孤立・困窮している女性の支援を行っている。女性支援の世界は、支援者のほぼ100%が女性によって占められている世界である。講演や研修、行政の委員会などの場では、参加者の中で私のみが男性、という、紅一点ならぬ「黒一点」状態になることが多い。 そうした中で、同じ男性として以前から気になっていたのが、弱者男性の問題である。困難を抱えた女性の背景には、多くの場合、同じように困難を抱えた男性の存在があることが少なくない。暴力

        ゲームのリメイクと体験格差・・・書評『体験格差』(今井悠介・講談社現代新書) 

        • 【7/29(月)開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『体験格差』(今井悠介・講談社現代新書)

        • 【6/17(月)開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『なぜ東大は男だらけなのか』(矢口 祐人・集英社新書)

        • 【書評】『弱者男性1500万人時代』(トイアンナ:扶桑社新書)

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        • セックスワークサミット2020春
          5本

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          【5/27(月)開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『弱者男性1500万人時代』(トイアンナ・扶桑社新書)

          開催日:2024年5月27日(月)20時~21時00分 オンライン開催(ズーム) 課題文献:『弱者男性1500万人時代』(トイアンナ・扶桑社新書) 課題文献を読んで、60分間、みんなで感想や意見を出し合います。ゼミ生以外の一般参加も大歓迎です。 ⇒参加申込はこちら!

          【5/27(月)開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『弱者男性1500万人時代』(トイアンナ・扶桑社新書)

          書評『訂正する力』(東浩紀・朝日新書)

          訂正する力とは「一貫性を持ちながら変わっていくこと」である、と著者は延べている。 NPOの世界では、すべての団体は「ビジョン」と「ミッション」を掲げて活動している。ビジョンは「自分たちが実現したい社会」を言語化したものであり、ミッションは「ビジョンを実現するために、自分たちがやるべきこと」を言語化したものである。 ビジョンは不変だが、ミッションは時代の状況に応じて、柔軟に変化する。社会情勢が変わっていく中で、過去のミッションにこだわってしまうと、ビジョンは実現できないから

          書評『訂正する力』(東浩紀・朝日新書)

          【4/22(月)開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『訂正する力』(東浩紀・朝日新書)

          <今回の開催日> 2024年4月22日(月)20時~21時00分 オンライン開催(ズーム) 課題文献:『訂正する力』(東浩紀・朝日新書) 課題文献を読んで、60分間、みんなで感想や意見を出し合います。ゼミ生以外の一般参加も大歓迎です。 ⇒お申し込みはこちら!

          【4/22(月)開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『訂正する力』(東浩紀・朝日新書)

          4月11日(木)~13日(土)、都内でインタビュー協力者募集

          現在、「風俗で働く女性のセカンドキャリア」をテーマにした新書を執筆しております。(2025年前半に刊行予定) 風俗で働いていた女性たちが「脱ぐ」仕事をやめたあとの生活やキャリアを追いながら、彼女たちが風俗の世界で得たものを活かし、失ったものと向き合いながら、「脱がずに生きる」=社会の中で自立して生きるために必要な条件を探る、というテーマになる予定です。 先月取材協力者募集の記事をアップして以降、おかげさまで、全国からご協力のお申し出を頂いております!(大感謝) 今週11

          4月11日(木)~13日(土)、都内でインタビュー協力者募集

          これから「障害者の性」問題に関わりたいと考えている人へのメッセージ

          1.ホワイトハンズ退任の挨拶2024年3月末で、2008年から16年間務めたホワイトハンズの代表を退任することになりました。 2015年にホワイトハンズの一事業として開始した風テラスを2022年4月にNPO法人化したのですが、事業が年間4,500人超の相談を受け付ける規模まで大きくなり、ホワイトハンズとの両立が困難になったので、2008年の創業以来、一緒に活動してくださっている菅原保秀さんに代表をお譲りして、私は風テラスの仕事に専念することにいたしました。 ホワイトハンズ

          これから「障害者の性」問題に関わりたいと考えている人へのメッセージ

          書評『ルポ 出稼ぎ日本人風俗嬢』(松岡かすみ・朝日新書)

          ●日本を飛び出した女性たちの姿から見える、日本の風俗のアドバンテージ 本書は、海外で出稼ぎを行う日本人風俗嬢たちの仕事内容、出稼ぎに至る経緯、海外での暮らしぶりなどを詳細に綴ったルポルタージュである。 「出稼ぎ」という言葉にはカジュアルな響きがあるが、その実態は、完全な不法就労である。売春を合法化している国もあるが、不法就労の外国人女性が働くことまでを許している国は存在しない。 そして「風俗嬢」とあるが、彼女たちが海外でやっていることは、違法な売春行為である。そもそも海

          書評『ルポ 出稼ぎ日本人風俗嬢』(松岡かすみ・朝日新書)

          『大川総裁の福祉論!』(旬報社)に対談を収録して頂きました

          『大川総裁の福祉論!』(旬報社)に、大川総裁と私の対談を収録して頂きました。 野田聖子さんなど、ビッグネームの方々の中に混ぜて頂き、光栄です〜。 1月31日発売予定です!ぜひご予約ください💁🏻‍♂️

          『大川総裁の福祉論!』(旬報社)に対談を収録して頂きました

          【書評】筑駒の研究(小林哲夫・河出新書)

          東京大学現役合格率日本一を誇る、中学入試最難関校の一つである筑波大学付属駒場中学・高等学校。略して筑駒。 本書は、筑駒の卒業生が様々な分野・領域で突出した存在感を示す「謎」について、卒業生や元教員、現校長に至るまで、関係者への緻密な取材で明らかにした一冊である。冒頭からラストまで、興味深いエピソードが満載で、読み応えは抜群だ。 筑駒の授業は、選りすぐりの神童・秀才たちの知的好奇心を満たすべく、「教科書中心ではなく」「ありきたりの座学ではない」特色のある授業が行われる。その

          【書評】筑駒の研究(小林哲夫・河出新書)

          「箱」と「沼」を求める姫たち 書評『トラディション』(鈴木涼美・講談社)

          2023年は、ホストクラブの売掛に始まり、ホストクラブの売掛に終わった一年間だった。 私が理事長を務めるNPO法人風テラスでは、ホストクラブで作った高額の売掛を返済できずに困っている女性たちから、一年間で200件を超える相談を受けた。 そして国内外のメディアから「悪質なホストクラブの被害に遭った女性を紹介して下さい」という依頼が数多く届いた。 なぜ彼女たちは、一晩で数十万円、場合によっては数百万円といった常軌を逸した金額を、担当のホストに注ぎ込むのか。「被害者の女性/加

          「箱」と「沼」を求める姫たち 書評『トラディション』(鈴木涼美・講談社)

          【書評】『ルポ無料塾 「教育格差」議論の死角』(おおたとしまさ・集英社新書)

          「教える技術はさしたる問題ではない。子どもの「わからない」に寄り添う気持ちが重要」(P42) この言葉が、無料塾の本質を端的に表していると感じた。 無料塾に通う子どもたちに必要なのは、勉強で得られる知識そのものではなく、「この世の中にはまだ善意が残っているという手触り」(P72)である。その手触りこそが、子どもたちに対する最大の励ましになる、というわけだ。 私が関わっている風俗や売春の世界でも、善意ある大人との出会いがないまま、子ども時代を過ごした女性が少なくない。彼女

          【書評】『ルポ無料塾 「教育格差」議論の死角』(おおたとしまさ・集英社新書)

          【1月29日(月)20時~開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か』(斉藤章佳 幻冬舎新書)

          2024年1月29日(月)20時~21時00分 オンライン開催(ズーム) 課題文献:『子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か』(斉藤章佳 幻冬舎新書) 課題文献を読んで、60分間、みんなで感想や意見を出し合います。ゼミ生以外の一般参加も大歓迎です。 *課題文献の著者の方は、参加無料です。「自分の本がどのように読まれているのか知りたい!」という方は、お気軽にご参加ください。 ⇒参加申込みはこちら! ◆坂爪ゼミのご案内はこちら

          【1月29日(月)20時~開催】坂爪ゼミ・オンライン読書会『子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か』(斉藤章佳 幻冬舎新書)

          【書評】『ルポ 歌舞伎町の路上売春 それでも「立ちんぼ」を続ける彼女たち』(ちくま新書)

          「都合の良い果て」で生きる彼女たちに、私たちができることは何か 繁華街の路上で客を取る。法律的にはもちろんアウト=摘発リスクの高い行為だが、暴力・盗難・盗撮・性感染症・予期せぬ妊娠に遭うリスクも極めて大きい。 普通に考えれば、「なぜ、わざわざそんな危ない真似をするのか」「稼ぎたいのであれば、風俗店やアプリで相手を見つければいいではないか」と思うだろう。 売買春に関わる男女にとって、路上のメリットは3つある。 1つ目は「相手の顔が見える」こと。風俗店では、サービスの直前ま

          【書評】『ルポ 歌舞伎町の路上売春 それでも「立ちんぼ」を続ける彼女たち』(ちくま新書)