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Griffin & Ms.鶫 【俳句・写真・独白】


藤の香獅子誘い授けし highest jumping

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藤の木は思う。
あの凛々しく、そして美しい獅子を、間近に見てみたい、感じてみたい。
だから、私は命を削って香りを一段と強めましょう。
あなたなら、きっと気づいてくれるはず。
そして私にククンと寄り、愛しんでくれたなら、あなたにより高い跳躍を授けましょう、私の愛の証として。


気高き薔薇眼に映し鷲 got shining wings

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悠然と山々を飛び、湖を見下ろした鷲の瞳に、一輪の薔薇が映った。
その清楚な、そして高貴な佇まいに、鷲は一瞬で恋をした。
人里近い場所に咲くプリンセス。意を決し、一気に急降下。
その香りを感じ、姿を瞳に宿す。
「私はそなたを決して忘れまい」鷲は呟く。
その時、鷲の翼が黄金のベールをまとった。


黄金の穂撫でるカンヴァス鶫かな

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小さき鶫は憧れる。鷹や鷲たちに。
「あんなに悠々と大空を舞ってみたいなあ、素敵だなあ」と。
でも、誰かにこの思いを打ち明けることもできぬ鶫は、目の前にある黄金色の穂で絵を描くことを思いつく。
穂を咥え、想像のカンヴァスの上を撫でれば、そこには雄々しき翼が生まれ出る。


キラリ樹氷集うは陸空の王

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藤の花から、高き跳躍を得た獅子。
薔薇の花への恋心から、輝く翼を得た鷲。
共に花の美しさを感ずる豊かな感性を備えた、陸と空の王は、樹氷林の美しさに引き寄せられ、出会う。
「おまえが、空の王だな」獅子は言い、
「そなたが、陸の王なのだな」鷲が言った。


美しき心 true king Griffin いざ此処に

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美しさを知り、美しき心も得た、真の王 Griffin。
鶫描く Griffin が此処に。
その瞳には、大いなる希望が宿っている。


《解説》

第一句 季語:藤(春)
藤の香獅子誘い授けし highest jumping
(ふじのかししさそいさずけしハイエストジャンピング)

英語haiku ではなく、俳句にローマ字でない英語のフレーズを入れることは、本当はだめであろう。
だけれども、私は鶫さんが恐らく語学が堪能であると思っているため、英語を取り入れてみたくなった。敢えての挑戦だ。
highest jumping 母音を一音として(シラブル)数え、4音。
日本語としては、高き(貴き)跳躍の意。
春、獅子の登場。

《写真は、昨年我が家で咲いた、藤の苔玉の花》

第二句 季語:薔薇(夏)
気高き薔薇眼に映し鷲 got shining wings
(けだかきばらめにうつしわしゴットシャイニングウイングス)

got shining wings 同じくシラブルとして数え、4音。
日本語としては、光り輝く翼を得た、の意。
第一句と共に、凛とした鶫さんの印象から、ひらがなよりも漢字を優先。
夏、鷲の登場。

《写真は、箱根「山のホテル」の庭に咲く、薔薇「プリンセスミチコ」(皇后美智子様)》

第三句 季語:鶫(秋)
黄金の穂撫でるカンヴァス鶫かな
(こがねのほなでるカンヴァスつぐみかな)

実際の鶫さんは、紙(紙の種類わからず)色鉛筆で絵を描かれているけれど、その名の鶫を季語として使い、鶫が秋の黄金色の穂を咥え、絵筆としてカンヴァスに絵を描いたら素敵だろうな、と妄想。
鶫は、日本では囀らないとのことで、心を絵にしてみたいなと思いました。
秋、鶫の気持ち。

《写真は、箱根仙石原のススキ原》

第四句 季語:樹氷(冬)
キラリ樹氷集うは陸空の王
(きらりじゅひょうつどうはりくくうのおう)

今回、鶫さんの企画に俳句で応募しようとした際、春夏秋冬を表す四句の後に、鶫さんの画 Griffin をどうしてももってきたかった。
なので、この冬の句がクライマックス前の区切りである。
冬、獅子と鷲の出会い。

《写真は、蔵王の樹氷林》

第五句 季語:なし
美しき心 true king Griffin いざ此処に
(うつくしきこころとゅりゅーきんぐぐりふぃんいざここに)

true king Griffin シラブルとして数え、4音。
四季は終えたので、最後は季語なしに。(なので川柳ですね、きっと)
冬に出会った獅子と鷲が、真の王 Griffin に。
もっと多くの気持ちを込めたかったのだけれど、なにせ十七音。
結局、美しき心、を最優先しました。
美しき瞳、と最後まで悩みました。
鶫さんの心は美しい。
だからこそ、そのような心を宿した瞳が描ける、と私はいつも思っています。

     ・・・・・

私の尊敬する橘鶫さん。
ようやくできました。参加させていただきます。
宜しくお願いいたします。


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