ひらがなエッセイ #30 【ほ】

    人を信用しない一匹狼の敏腕弁護士ハーヴィーが祖母の治療費の為にマリファナの運び屋をしていた天才的頭脳の持ち主であるマイクに経歴を詐称して共に働こうと提案し、秘密を共有し合いながら【法律】事務所に招き入れ、数々の訴訟に挑んでいく、という海外ドラマにハマり、有意義なる無駄な時間を浪費している。私は刑事、検察、弁護士モノのドラマや映画が好きなのである。やられたらやり返す、倍返しだ！  古っ。

    【法律】と言えば、何故だか六法全書が家にある。たまにパラパラとめくって読むのだが、うどんは直径1・7ミリ以上で、素麺は直径1・3ミリ未満、これに反すれば、食品表示法により回収などの行政処分が下る、という事や、太ももをみだりに露出したら最高29日間の刑務所入りになる、という軽犯罪法ばかりに目を取られ、うっそん、ヤバイやん、あの子もあの子も違法違法、などと独り言を呟き、何処ぞの飲み会の話題程度にしかならない知識ばかりに目を奪われて、いやはや、自分を殴り飛ばしてやりたくなる。犯罪や違法なんて、見つけてもどうしようも出来ないしなぁ、と考えていると、刑事訴訟法第213条では現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる、とある。警察じゃなくても逮捕して良いんだねぇ。おっしゃ、パトロールパトロール、ふともも出してるあの子を逮捕しよう、なんてテンションが上がったが、刑法第220条に、不法に人を逮捕し又は監禁した者は、3月以上7年以下の懲役に処する、とある。よくわからんし、やめとこ。

    ロースクールに通っていた友人が、【法律】は弱い者の味方では無く、知ってる者の味方さ、と言っていたけれど、私は、知っているだけでどこからともなくやって来て味方になってくれる程、心優しきスーパーマンには思えない。まぁ、反証材料も見当たらないので、今はそれを渋々飲み込んで暮らしているのだけれどもね。いつか立証して見せよう。

    最後にハーヴィーより名言を。

    あっ、あと良き週末を。

Life has two rules: 1. never quit.
2. always remember rule #1 .

「人生におけるルールは2つ。
1つ、決して諦めないこと。
2つ、ルール1を忘れないこと。」

（ハーヴィー・スペクター）