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折り返し地点で感じる不安

ー東京五輪という"麻薬"(中)

東京五輪は"麻薬"のようだ。日本勢が登場する種目があるときは応援に力が入り、抱えている仕事への不満も、新型コロナウイルス蔓延への不安も、一瞬忘れさせてくれる。ここまで日本勢はメダルラッシュが続き、わが家はいろんな憂いを忘れて熱狂ムードだ。日本卓球史上初の金メダルをもたらした水谷隼・伊藤美誠ペア(混合ダブルス)など、嬉しいサプライズがそんな雰囲気をさらに煽る。ただ、サプライズには残念な内容もある。

連載「東京五輪という"麻薬"」シリーズ:「(上)あっという間の1週間

予選敗退

今大会で日本勢は、金メダル候補が予選敗退する事態が相次いでいる。体操の内村航平、競泳の瀬戸大也、テニスの大坂なおみらだ。メダル争いもしないうちに姿を消すというニュースに言葉を失った人は少なくないだろう。

個人的には内村だ。現役引退も噂される中、有終の美を飾るものだと思い込んでいたが、思いも寄らない予選敗退。ロイター通信は「キング・コウヘイが唐突な終わりを迎えた」と伝え、海外にも驚きが走ったようだ。

奥さん最大の"悲報"は大坂の敗退だ。奥さんは大阪のパワフルなプレースタイルと、それを感じさせないチャーミングなところにすっかり虜になっている。聖火の最終点火者に選ばれたことをわが事のように喜んでいた。

予選敗退を伝えると、すぐさま「えー!なんでよ」と言いがかりをつけてきた。そんなもん、知るはずがない。義弟も大坂の活躍に期待していたらしい。奥さんによると、驚いて「マジか」と一言つぶやいたそうだ。

話題

サプライズが残念な内容でも、食卓の話題としては十分だ。こうして五輪開幕から1週間、話題に事欠かず、そのときだけは不満や不安について思い出さずに済んだ。五輪は8月8日に幕を降ろす。ほぼ折り返し地点に来た。

五輪閉幕後のことを考えると、頭が痛くなる。

(写真:『りすの独り言』トップ画像=フリー素材などを基にりす作成)

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